《魔がない世界で魔を使って世界最強》本當の旅の主発
次の日彌一とセナはリカード邸で朝食をとっていた。リカードとエウラは日本食を大変気にったらしく、今朝は卵焼きに味噌ご飯、そしていつの間にかセナが教えていたたくあんだった。
またこのたくあんが一番気にったらしく朝食が終わった今もボリボリとみんなで食べている。
リカード邸のリビングにボリボリボリボリとたくあんの音が響く。ボリボリボリボリボリボリ・・・
やがてボリボリも終わり、みんなで一息してお茶を飲んでいるとリカードがし茶化す様に聞いてくる。
「しかし昨日の結婚はある意味冗談の様なもので、時間をかけて改めて勧めてみようと思ったんだけど、まさかその日にプロポーズするとは、彌一君には驚かされてばっかりだよ。そこまでセナは魅力的だったってことかい?」
そう言って娘の結婚が嬉しいのかとても嬉しそうに微笑み、お茶をずずっとすする。
「もちろん。セナはとても魅力的なの子ですよ」
そんなリカードの言葉にすぐにさも當たり前と言う様に言葉を返す彌一。その彌一を見て左手の指を抱きしめながら、ハートが見えそうなくらい幸せを辺りに振りまいているセナ。
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「ははは、早く二人の結婚式が見たいものだ」
「ほんとね〜」
エウラはリカードに寄り添い、リカードもそんな妻を甘やかし、こちらでも幸せを振りまいている。
リビングに幸せが溢れとてつもなく甘い空間になっていた。
そんな中リカードが思い出した様に言う。
「そうだ彌一君、エルネ街についたら冒険者組合に行ってみるといい。」
「冒険者組合ですか?」
彌一は言葉からラノベなんかでよく聞く冒険者ギルドを思い浮かべる。ギルドではなく組合だがあまり意味は変わらないだろう。
「冒険者組合は全世界の國が認可している獨立組織でね、そこで冒険者として登録すればどこの國でも通用する確かな分が手にる。それに冒険者だと様々な恩恵があるんだ。これから々な國に旅をするとしたら登録しておくといいだろう。エルネ街の冒険者組合長とは々知り合いでね、よかったら推薦狀でも書くが、どうかね?」
どうやら彌一の知っている冒険者ギルドと同じらしい。どこの國でも通用する分は確かにあった方が便利なので斷る理由もない。
「そうですね、確かにあった方がいいのでお願いします。」
「分かった。あとで出発するときに渡そう」
「ありがとうございます」
冒険者というものは一度やってみたかったのでし気分が高揚する。冒険者組合に行ったら何をしようか?と想像しながら、橫で甘えてくるセナの頭をでる。
その後彌一とセナは旅の準備をするため離れの家に戻って行った。
「ただいま、セナ・・・」
「おかえり、どうしたの?」
「いや、ちょっとな・・・」
旅の準備で足りないものが出て來たので里にある店に買い出しに出て行った彌一なのだが、そこで里の人達に捕まり、村を救ってくれてありがとうや昨日の決闘が凄かったや、結婚とはどういうことだ!?と次から次へと言われ、逃げ出すこともできず、しまいにはセナとの結婚で「勝負しろ!」と言ってくる者も多數いたため疲れ切っているのである。まぁ勝負に関しては「本當セナはされてるな・・・」と思いながら、開幕速攻のクイックドローで【度弾】無殺傷制圧用度(ゴム弾)を眉間にお見舞いし、沈めていったが。
「・・・なんか、ごめんなさい」
それを聞いてし申し訳ない気持ちになり、彌一の頭をなでなでしながら謝る。
彌一は疲れをなでなでで癒されながら「されている様で嬉しいよ」と言って、準備の続きを再開する。
魔品が不足がちだったので調達できたのでよかった。また、里の鍛冶屋で興味深いを見つけた。
それは銀のかがやきを持つ金屬だった。十キロくらいの見た目なのだが実際持ってみると見た目に反して軽い。
その金屬の名はミスリル。彌一もこの名前を聞いたときは驚いた。
このミスリルは見た目に反して非常に軽く、また鋼よりもい希金屬である。
地球ではミスリルは、J・R・R・トールキンの小説『指語』及び『シルマリルの語』の世界に出てくる架空の金屬として知られている。ゲームなどでもよく見かける金屬だ。
描かれているミスリルとはし違う様だが、架空の金屬に思わず彌一は購した。またこのミスリル、魔力の循環効率も良く、魔力もしなら蓄積できる様で魔鉱石の一種である事も分かった。
このミスリルのおかげで新しいアイディアも出て來て魔師としてのが騒ぐ。しかし今は旅の準備をしないといけないので、取り敢えず【錬魔】でミスリルをリング狀にして小分けし、何かあった時のため2、3個腕や太ももに裝著しておく。セナにも魔力を込めたミスリルを外付けの魔力タンクとしてブレスレットにして渡しておく。
こうして思わぬ収穫もありつつ晝頃には出発の準備が整った。準備を終えた彌一達はリカード邸を訪れ、出発の挨拶をする。
「彌一君。これが推薦狀だ。組合に行ったら付にでも渡せば通じるはずだから」
「本當にありがとうございます。リカードさんには々な事でお世話になりました。」
「気にする事はない。これくらいなら幾らでも手をかそう、何せ未來の息子の為だからな」
「本當、あなたには敵わないですね」
け取った封筒をカバンにれそんな會話をする。短い間だったが二人の間には確かな繋がりができた。そして、団欒も程々にリカードとエウラと一緒に里の門に向かう。
四人が門に著くとそこには彌一達の出発を聞きつけた人たちが待っていた。里の英雄の旅立ちを見送りに來たのだ。
里の人々に見送られながら四人は門の前に行き立ち止まって、最後の挨拶をわす。
「二人とも何かあったら遠慮なく帰って來て頼りなさい。私達が必ず力になろう。」
「短い間でしたけどありがとうございました。何かあったらその時は頼らさせてもらいます。」
「二人とも本當に気を付けてね。彌一さん、うちの娘をどうかよろしくお願いします。」
「心配し過ぎだよ二人とも、でもありがとね」
一言二言話をし、最後に里の人々に向かってお禮を言う。人々の方からも応援や謝の言葉などいろんな言葉をかけてくる。たった二日しか居なかったけれども一人一人が暖かく、彌一にとってここはとても居心地がよく、第二の故郷にも思えた。そして、いよいよ時間になる。
「それじゃ、もう行きます」
「ああ、全ての迷宮を攻略してお父さんの謎を解き明かせることを祈っているよ」
最後の握手をわし、彌一とセナは門の外に歩き出す。別れの言葉はこの場面では相応しくない、ここが第二の故郷でまた帰ってくるのなら、もっと相応しい言葉が存在する。
し歩いたところで顔だけを振り向かせ、彌一とセナは手を挙げて元気な聲をあげる。
「「行って來ます!」」
こうして異世界の魔師と霊のの本當の旅が始まった。
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