《魔がない世界で魔を使って世界最強》の証明
ビルファとの試合が終わり疲れ切った彌一がセナに癒されているとセナの試合の準備が完了したらしく彌一とビルファが試合をした訓練場とは別の訓練場に案された。彌一とビルファの試合のせいで地面が抉れ壁もボロボロになったせいでここの訓練場は大規模修理が必要なためだ。案された訓練場にるとそこにはビルファと付嬢に魔法使いの格好をしたがいた。
「二人とも來たね。それじゃあセナくんの冒険者登録のための試合をしよう。試合の相手は第八階梯の魔法師であるクルスだ」
そう紹介されたーークルスは元が大きく開いた大膽なローブをに著けており満なに大きくくびれた腰など男を魅了する要素が多い。クルスは満なの下で腕を組み訝しげな目でセナを見ている。
「この子が私の相手?ふ~ん。本當にこんな子で私の相手を務められるのかしら」
「セナくんの魔法の腕は相當だよ。僕が保障しよう」
「へぇ~そうなの。でも私はこんな子より彼と相手してみたいわ。なんでもあの組合長を倒したんですって?強い男は好きよ」
そういってセナの橫に立つ彌一を見つめる。組んだ腕で満なを持ち上げ彌一をする。大人の香に當てられた彌一は思わず揺する。すると彌一の前にセナが靜かに出てきてクルスと対峙する。
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「彌一は私の。誰にも渡さない。かかってこい」
「ふ~ん。いい度じゃない」
セナは靜かに怒気を燃やしお互いにバチバチと火花を散らせながら試合が開幕する。
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「これよりセナくん対クルスの試合を始める。両者準備はいいかい?」
「ええ」
「うん」
彌一とビルファ、付嬢は観客席に移しクルスとセナは訓練場の端と端で対峙する。ビルファが確認をとると両者は頷き二人の合図をけ試合開始を宣言する。
「それでは始め!!」
「《踴れ水・氷結となり・散弾となりて・撃ちすえよ》!!」
開幕とともにクルスは詠唱を始める。周囲に浮遊していた水が瞬時に氷結、砕けた破片が散弾となりセナを襲う。氷結の散弾が迫るなかセナは唱える。
「【炎層壁】」
氷結とセナの間に炎の壁がせり上がる。高溫の炎の壁が氷結をすべて溶かし攻撃を阻む。その景を見て攻撃を阻まれたことよりも詠唱もなしに魔法を展開したセナにクルスは驚愕する。
「あんたいったいなにしたの!?」
「炎の壁を作っただけ」
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「そんなことはわかってんのよ!あんた今詠唱もなしに魔法を発させたのかい!?」
「そうだけど?」
「そ、そんな馬鹿な・・・!?【無詠唱】だって!?そんなの第十階梯の魔法師でもできないのに!」
セナが無詠唱で魔法を展開したことでクルスはセナの認識を改める。自分では相手にならないと、そう悟った。ルクスはやけくそ気味に魔法を放ってくる。
「《ひ、氷結の槍・疾く凍てつき・刺し貫け》!!」
「【炎豪】」
クルスが放った氷の槍がセナの放つ炎により相殺され消失する。その後もクルスが魔法を放つがすべてセナの魔法によって阻まれる。クルスが放つ魔法の威力は確かに強力だがセナの魔法はその遙か上をいく。
「《風の息吹・激しく戦き・我が前を切り裂け》!」
「【城土壁】」
兇悪な風の刃が土の城壁に阻まれ霧散する。城壁に傷を刻むが破壊には程遠い。
「《青き流れ・集まりて・水弾となれ》!!」
水弾が城壁に衝突するがそれもビクともしない。水弾が治まるとセナは城壁を解除する。
どんなに強力な魔法を放ってもすべてセナが相殺していく。セナは決してこちらからは攻撃をしていかない、すべての魔法を相殺することで格の差を見せつけているようだ。
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魔法が通じないそんな現狀にクルスの心は徐々に追い詰められていく。侮って掛かった相手が自分などまるで相手にならないほどの圧倒的強者になすすべなくついには膝を著く。
「な、なんなのさいったい・・・」
「もう終わり?ならこっちからいく」
膝を屈したクルスを見てセナは反撃を開始する。
「【劇炎樓げきえんろう】【劇氷樓げきひょうろう】」
訓練場の地面に炎の柱が這い、氷が這う。訓練場を覆い盡くす氷と炎はお互いに消失することなく協調しあう。氷の柱に纏う炎の景は幻想的であり兇悪な威力をめている。一瞬にして周りの景がすべて炎と氷に覆われたことにクルスは驚愕し絶する。クルスの周りは全て炎を纏う氷によってふさがれ逃げ場はない。
セナは靜かにクルスに歩み寄る。氷と炎が割れクルスに続く道ができゆっくりと幽鬼のようにゆったりと歩み寄るセナの目には辺りの炎よりも熱く燃える炎が靜かに宿っていた。靜かに歩み寄るセナをみてクルスは恐怖ししでも離れようと氷のギリギリまで後ずさる。
歩み寄ったセナは自分に恐怖するクルスを見下して言葉を放つ。
「彌一は渡さない。彌一のパートナーは私。それが人生でも戦いでも同じ。誰にも譲らないし譲る気はない。」
そういってセナは靜かに人差し指をクルスの眉間に持ってくる。そして眉間に指を著けーー
「おしまい」
どさっとクルスが倒れる。その眉間には傷一つない。セナからの恐怖と張で気絶してしまったのだ。
クルスが気絶すると訓練場を覆っていた氷と炎が砕けるようにして粒子になって消える。勝利したセナは誇らしげな顔で彌一を見るとニッコリとピースサインを送る。彌一はそんな嫁の誇らしげな笑顔を見つつ試合の慘狀を見てぎこちない笑顔で手を振ることしかできなかった。
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無事二人とも試験に合格し冒険者として登録することができた。今は冒険者についての説明が行われていた。
「それではご説明いたしますね。冒険者組合は全世界の國々から認可をけている獨立組織です。そのため他國への國にかかる國稅は免除されています。冒険者として登録されると様々な恩恵をけることができます。そして冒険者全員に配布される冒険者カードはどこの國でも通用する分証明証になります」
そういって付嬢はセナと彌一にそれぞれカードを渡す。カードは金でステータスカードと同じくらいの大きさだ。
「こちらが冒険者カードになります。この冒険者カードには氏名、別、階梯の三つが記載されています。階級についてですが階級とはその冒険者が冒険者としてどの程度の者であるかを示すものです。階級は一から十まであり階級によってけられる恩恵も変わっていきます。そしてお二人の階級ですが、それぞれ第十階梯となっています。」
冒険者登録でいきなり冒険者としての最高位の階梯になったことに二人とも驚く。
「い、いきなり第十階梯ですか?」
「はい。彌一様は我が冒険者組合の組合長であり同時に世界に五十人しかいない第十階梯の冒険者の一人である『碧撃の弓神』ビルファ・クライトを倒されたのですから當然です。そしてセナさんも第八階梯のクルスさんを倒しなおかつ、無詠唱という第十階梯でもできるものはいない技をお持ちですから。お二人の階梯はビルファさんも納得しています」
「へ、へぇ~」
思わぬ好評価に彌一は生半可な言葉をらす。冒険者登録していきなりの最高位にどうしていいのやらと反応に困る。だが別に高くて困ることもないので素直にけ取っておく。
「わかりました。ありがとうございます」
「はい。それでは今後のお二人の活躍を期待しております」
こうして彌一とセナの冒険者登録は無事終了した。
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冒険者組合から宿に帰ってきた二人は夕食も済ませ風呂にった後部屋でくつろいでいた。彌一はベットを背もたれにして床に広げた様々な種類のパーツをいじりながら魔導のメンテナンスをしている。セナはベットに寢っ転がりながら彌一の作業を見ている。
「まさか登録していきなり第十階梯になるとは思わなかったな」
「うん。いきなりでびっくりしたね」
「しかしビルファさんは強かった。あれが武神なのか。てかリカードさんも四天武神のひとりだったとは・・・セナは知ってたのか?」
「いや知らなかった。お父さんはそんなこと教えてくれなかったから」
「そうなのか?」
うんと頷くセナ。そんなふうに話をしながら魔導をメンテナンスしていると突然セナが彌一の首腕を絡めて耳元に顔を寄せてくる。突然発生した首に暖かく甘いにおいに彌一は驚く。
「せ、セナ?どうし・・・」
「彌一あのの人の見てた。もしかして・・・浮気?」
「・・・」
その言葉にメンテナンス用の工を落としてしまう。何も言えずの芯から冷えていく。暖かい溫もりを首にじているが今はただその暖かさの裏に死の極寒をじてならない。
「いや!そんなことない!!」
「ほんと?」
高速で頷く彌一。【神寒気】以上の極寒をて背中にありえないくらいの冷や汗を流しその場からけないでいる。
するとし経ちセナが小さく吹き出しクスクスと笑う。へぇ?、と間抜けな返事をらし顔だけセナの方を向くと顔の目の前でほほ笑むセナがいた。
「冗談。彌一がそんなことしないってことはよくわかってるから」
「は、はめたな・・・」
「ふふ、ごめんね。でもし嫉妬したのはほんとだからね?」
そういって笑う可らしい嫁の表になにも言えなくなる。しかしそんな嫁の表にしいたずら心がわいてくる。
「俺の嫁はセナだ。そんな浮気なんてするわけないだろ?」
「本當に本當?」
「ああ。だから証明してやるよ」
「え?・・・んっ・・・!」
目の前のセナの顔に顔を近づけ口づけをする。長くがれるだけのキス。彌一はベットに上がるとセナを押し倒し、座の間に膝を置いて、軽く乗し掛かってきを封じる。そして頬に手をあてその深い蒼い目を覗き込む。
「どうだ?これどもまだ疑うか?」
そういってニヤリと笑う。嵌められた仕返しは効果抜群だったようでセナは不意打ちのキスで顔を赤くする。彌一の言葉にセナは顔を赤くしつつも返答する。
「・・・うん、まだ心配。だから・・・安心できるくらいたくさん証明して」
赤く上気した顔にし息が荒い聲でセナは手を広げ甘くびた聲でにいう。吐息は熱く、甘くそして艶やかでありそんな言葉に彌一の脳髄に痺れるような覚が襲う。その言葉からは夫の浮気の可能など全く心配しておらずただただ純で無垢なが現れている。
最の嫁のそんなに彌一の心は満たされる。満たされる心がもっと彼をじたいとぶ。
「わかった。そんなに心配なら心配する暇のないくらい証明してやる」
優しく慈しむようにその綺麗な蒼髪をで短いキスを繰り返す。。頬。額に。なんどもなんどもキスを重ねセナへのを示す。
セナは小さな手を背中に回し、抱き寄せる。彌一もセナの背に手を回し、抱き寄せる。お互いの溫を共有し暖かい気持ちになる。彌一はセナの可らしい小さな耳を甘噛みし、囁く。
「まだまだこんなものじゃないからな」
「うん。もっと・・・んっ・・・んちゅ・・・んんっ・・・」
彌一のがセナのをし強引に奪い、そして口を貪る。甘なキスはお互いを激しく求め合う。
「・・・んちゅ・・・んぁっ・・・やいち・・・」
「セナ・・・」
息苦しくなった二人はを離すが二人の間では明な糸でつながれていた。おしさでとろけた表でセナは彌一を見上げる。抑えきれないほど狂おしいほどのおしさと可さが込みあげてくる。
そして彌一の手はセナの服にびていくーー
火傷しそうなほどのにあふれた夜はこうして過ぎていった。
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