《魔がない世界で魔を使って世界最強》最終決戦

ズドォオオオーーーーン!!

発が起きる。発は水蒸気となり空気中に漂う。発は両者の間で起きていた。

「【純水城壁】!!」

セナがそびえ立つ巨大な水の城壁を造り上げるとそこにプラズマの雷撃が突き刺さる。電撃はその後発を起こす。

しかし、水の城壁は健在で、セナは水の城壁越しに彼方を見る。

ゴーレムは次々と雷撃を放つ。閃は城壁との距離を瞬時に吹き飛ばし疾る、だが全て水の城壁に阻まれてしまう。どれだけ雷撃をぶつけても全て阻まれてしまう。

普通水は電気を通すもの、ではなぜセナの水の城壁は電撃を阻むのか。

それはこの水の城壁の水が普通の水ではないからだ。

理論純水。水が電気を通すのは水の中に含まれる不純などを伝って電気が流れるためだ。しかし理論上の純水、理論純水は不純が一切ない、そのため電気を伝える不純がないので電気は流れない絶縁となるのだ。

セナはそれを、彌一から教わり理論上でしか不可能な純水を魔法の力で可能にしたのだ。そしてその水を使った城壁は巨大な絶縁だ。

再び閃が疾り、水を発させる。水の城壁は雷撃を阻むが、その厚みがなくなってきている。

「まだ!【純水障壁】!!」

ゴーレムが放つが電撃はサーベル程の熱量はないが水を蒸発させる程の熱量は持つ、雷撃がぶつかるたびに雷撃の熱量が水を急速に沸騰させ城壁の表面で水蒸気発を起こす。

そのため城壁の水が無くなるたびに新たな城壁を作らなければならない。しかも不純を一切含まない水を作り出すのには極度の集中力と魔力が必要となる。

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さらに脅威は雷撃だけではない。

ゴーレムが雷撃による攻撃では有効打を與えられないと理解したのか牽制で雷撃を放ちつつ、サーベルを振り上げこちらに迫る。

「ーーッツ!【裂球】!!」

振り下ろされる膨大な熱量のプラズマの塊。あれを【純水城壁】でけようものなら瞬時に全ての水を蒸発させられ大規模な水蒸気発を起こしてしまう。そんな事になれば無事では済まない。

すぐさまセナはサーベルが振り下ろされる軌道上に無數の火の球を配置。

それをゴーレムは構うことなくサーベルを振り下ろす。そしてサーベルと炎が衝突し、発を起こす。

サーベルは発を引き裂きながら水の城壁に直撃し、またもや水蒸気発を起こす。

サーベルの熱量は大きく今まで以上の水蒸気発に寄って視界が霧に包まれる。

霧が晴れるとそこにはーーセナが立っていた。

セナはサーベルのプラズマのを発である程度飛ばし、【純水城壁】で防げる威力までに抑えたのだ。

しかし防げたとはいえ【純水城壁】のほとんどは蒸発させられ、水蒸気発の影響でセナの服は所々が破れ、発の衝撃波を脳にけ、軽い脳振とうを起こしてフラフラしている。

こんな狀態でもゴーレムは待ってくれない。プラズマを吹き飛ばされたせいでサーベルを作り出すのにはエネルギーがないのかゴーレムはプラズマの雷撃を放ってくる。

「くっ、【純水城壁】!!」

すぐさま新たな【純水城壁】を展開し雷撃を防ぐ。この攻防が先ほどから続いている。その時間、約三分。たったその短い時間の中でけた攻撃は數知れない。

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セナの魔力も人外とはいえ限界がある。それに度重なる消耗と脳震とうのせいで【純水城壁】を作り出す集中力も危うい狀況にある。

それでも魔力と集中力を振り絞ってただひたすら守りに徹底する。自分がやられれば後方で勝つための準備をしている最の人に危険に曬される。それだけはなにがあっても許されない!

(彌一は私を守ると言った、でもそれだけじゃダメ!私は彌一のパートナー。彌一が私を守ってくれるなら、彌一は私が守る!そうじゃないとあのおしい人の隣には立てない!!)

発で【純水城壁】が失くなる。

セナはいつ切れるかわからない集中力の糸をさらに張り、極限の集中力で魔力を更に効率良く循環させよりない魔力で【純水城壁】を作り出す。

「はぁああああーーー!!!」

作り出した障壁は今までの障壁より分厚い、しかも使用魔力は先ほどの半分だ。

この時セナは新たなスキルに目覚めていた。それは彌一も持っている【思考強化】と魔法を半分の魔力で発することができる魔法系の最高スキル【消費魔力半減】だ。

後天的にスキルが目覚めることはない。強い意志と願い、そのスキルに見合う技量が必要だ。そのため人生で後天的にスキルに目覚めることが出來るのは大は一つあるいは後天的スキルに目覚めない者もいる。

しかしセナは同時に二つ目覚めた。最の人の隣に立つ為に、最の人を守る為に。

數十もの雷撃が襲う。雷撃は進化した【純水城壁】に阻まれる。起きる発。しかし【純水城壁】は無くならない。

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ゴーレムはサーベルを振り振り下ろしてくるが、またも発でプラズマを飛ばし威力を減衰させ【純水城壁】で水蒸気発が発生。

「きゃあああああーー!!」

だがいくら進化したとはいえ衝撃までは防げずセナはついに吹き飛ばされる。

(ごめん、彌一あとしなのに)

これまでの時間、四分。約束まであと一分足りない。

約束を果たせなかった悔しさ、力不足な悔しさ、いろんな自分に対する悔しさが襲う。

飛ばされるなか、視界にはゴーレムがサーベルを振りかぶっているのが見える。

まだ、死にたくない

まだ、諦めたくない

まだ、彌一の隣に立ちたい・・・!

薄れる意識のなか、そう願ったセナ。

そして目を涙を堪え目を瞑った瞬間、暖かいものに包まれる。

「・・・え?」

心地の良い暖かさに意識を戻し、目を開けるとそこには最の人がいた。

「遅くなった、待たせたなセナ。ありがとう」

「や、い、ち・・・」

彌一はサーベルに襲われる寸前のセナを助け出し空へと舞う。

ゴーレムはブースターを使った追いかけてくるが彌一の方が速い。すぐにゴーレムは地面に著地し雷撃を放つ。

彌一は即座に詠唱し、最強の盾を顕現させる。

「《神の盾!全てを阻む純白の輝きよ》!!」

銀の輝きが閃を阻む。幾度も撃てど閃が銀の盾を貫く事はない。

彌一は雷撃を防いでいるのを確認するとセナに【飛行魔】を掛けておろす。

「ありがとうセナ、ようやく準備が整った」

「それが準備?」

彌一の手の中にある筒に目を向ける。先ほどミスリルで作った時よりし大きくなっている。

「ああ、これであいつが倒せる。セナはここで待っててくれあとは俺がやる」

「わかった、頑張って彌一」

頬に軽いキスをする。それだけで彌一は負ける気はしなくなった。

「ああ、俺の可い嫁をこんなにしやがったんだからタダじゃおかねえ」

そういって彌一は地上のゴーレムに向き直り、一気に飛び出す。

ゴーレムは一人飛び出した彌一目掛けて雷撃の雨を浴びせる。彌一はそれを躱し、躱し切れないものは【金剛障壁】の重複展開で防ぎ、距離をめる。

一撃でも當たれば致命傷。雷撃の雨は視界を埋め盡くさんばかりに雨あられと襲いかかる。同時に三つの【金剛障壁】を周囲に展開し雷撃を防ぎ、躱し、け流す。

「うぉおおおおおおおーーーー!!!」

腹から聲を出し、雄びを上げながらしでもゴーレムとの距離をめる。け流した雷撃が顔の橫をかすめ、冷や汗をかきつつもなんとか躱しながら進み、加速する。

そして、ゴーレムとの距離が殘り十メートルとなった所で筒を思いっきり振り絞り、投擲。

筒は回転しながらゴーレム目掛けて飛んでいく。

ゴーレムは飛來してくる筒を目掛け、雷撃のを放つ。そして雷撃は筒を直撃しーーー何事もなく飛んでくる。

「クロムやニッケル、コバルトなんかの耐熱合金に電気絶縁に優れたエボナイトでコーティングした特製弾だ。とくと味わえ!」

彌一はセナが作った四分の間、【錬】を使ってこの弾を作っていたのだ。

【錬】で壁のなかに埋まる鉱石や質を取り出し、それで弾をコーティングする材料を生

クロムやニッケルなどのを使い、熱に強い耐熱合金を作ってそれで弾を包み、弾と耐熱合金の間にエボナイトと呼ばれる生ゴムに多量の硫黃を混ぜ、加熱して得られる電気絶縁に優れる質を挾む事で、熱と電気に強いコーティングを作り出し、更にそこに【耐熱魔】と【耐電魔】を【刻印魔】で刻む事でプラズマの雷撃に耐え得るとなった。

筒の弾は雷撃の直撃をけても表面をし焦がすだけで構わずゴーレムに吸い寄せられるように飛んでいく。

ゴーレムはサーベルを振りかぶり、弾を直接潰しにかかる。

いくら耐熱・耐電に優れているとしてもサーベルの直撃をけては融解させられてしまう。

サーベルは弧を描き、弾にれる直前、弾が発する。

ドォオオオオオンーーー!!と大きな音を立て、ゴーレムの近くで発する。

発の煙で覆われるなか、彌一はセナの所まで戻ってくる。

「やったの!?」

「まだだ。あの程度の発じゃああのゴーレムは破壊できない」

「え?」

彌一はあの程度ではゴーレムを破壊できないとすでにわかっていた。ではなぜあの発を投げたのか、セナはわからない表面を浮かべる。

しかし、効いていないのならうかうかしていられない。すぐさま煙に目を向ける。

煙が晴れるとそこには裝甲がし焦げただけのゴーレムが立っていた。発の威力は小さくゴーレムの裝甲表面のプラズマを吹き飛ばすだけだったようだ。

煙からゴーレムが見えるとすぐさまレルバーホークを発砲。

発のせいでサーベルと表面のプラズマが吹き飛ばされたおかげで銃弾はゴーレムに命中し、初めてゴーレムに攻撃が當たった。だが、あの巨に銃弾一発のダメージは小さすぎる。

「彌一、そんな攻撃じゃ効かない!」

セナは焦ったように言う。しかし、彌一が浮かべたのは悲観でも絶でもなく笑みを浮かべる。

その笑みは勝利の笑み。

「いいや、これで終わりだ」

ゴーレムは再びプラズマが溜まったようで、サーベルを作り腰を落として跳躍の姿勢になる。

この攻撃をければ二人に勝利はない。唯一のチャンスも完全に潰れた。

しかし彌一は勝利を確信した目で、勝利を紡ぐ。

「《魔鉱錬》」

そう紡いだ瞬間、腰だめに今にも飛んできそうだったゴーレムの膝が崩れ、目のが徐々に小さくなり、消える。

突然ゴーレムがかなくなり、呆気なく勝利をした事にセナは理解が追いつかない。

「い、いったいなにが・・・?」

「それはこれだ」

彌一はポケットから何かを取り出しセナに見せる。掌から出てきたのは、ミスリルの細かい破片だ。

「これでどうやって?」

そんな細かい破片があれだけの巨のゴーレムを止められるとは思わない。セナは更に困した表を見せる。

彌一はゴーレムを止めたからくりを丁寧に解説していく。

弾による発の目的はゴーレムに直接攻撃する為じゃない、風でプラズマを飛ばし、煙に紛れてゴーレムの周りにこのミスリルの破片を散布することだったっんだ」

「破片をまくことが目的だったの?」

「ああ、それでゴーレムの周りに浮遊した破片はゴーレムが外の空気を出りさせる時に吸気口から侵してに溜まる。そしてそうなった所でこれを使う」

彌一はレルバーホークの弾倉から一つの弾丸を取り出す。その弾丸は普通の弾丸をは違い寶石がはめ込まれていた。

【鉱石魔弾】。鉱石に【刻印魔】で魔式を刻んだこの弾丸は遠隔で魔を扱うことができる。

彌一はこれを使ってある魔を使用した。

「この【鉱石魔弾】でゴーレムのに溜まったミスリルに【魔鉱錬】を使って中のミスリルを変化させ部から破壊したんだ。あれだけのあれだけのスペックをあの大きさに限界まで抑えてるんだ、し配線なんかを切斷すればそれだけでけなくなる。これがゴーレムを倒したからくりさ」

「なるほど。でも無茶はしないで、彌一が飛び出して行ったときはとても心配した。もう危ない事はしないで」

「わ、悪かった。でも、萬が一雷撃でゴーレムから遠い所で発したら・・・」

「でも、じゃない!」

「はい!すみませんでした!!」

言い訳がましく言う彌一をセナはし強い口調で叱ると、途端に大きな聲で返事をする。とことんセナには弱い彌一なのである。

地面に降り立つとゴーレムは両膝を著いた狀態で力無く倒れている。目にはは無く、【解析眼】で見てみると、どうやら部の機能は完全に停止している様だ。

「それにしても、この魔導人形凄いね。【グリノア大迷宮】のも凄かったけど」

「多分全ての迷宮に何かしらの能力を持った魔導人形がいるんだろうな・・・たく父さんめ、無駄にスゲーもの作りやがって・・・!」

「【グリノア大迷宮】の方はかなかったけど、こっちは空を飛んだしね・・・」

「大方、ロボットは男のロマンだ!、とか思って作ったんだろうよ。こっちの世界には地球にはない素材があるからな・・・」

二人はゴーレムを眺めながら、はぁ〜と深い息を吐き苦笑いになる。

さてこれからどうしようか、と辺りを見回していると突然、壁の一部が橫開きに開く。

「ここにも父さんの工房があるのか?」

「とにかく行ってみよう」

二人は怪しみつつ開いた扉に向かう。しかし二人の警戒とは裏腹に、中には何もない。

「あれ?何も無いな」

「彌一、このボタンはなに?」

セナが部屋の中にあった唯一のボタンを指して尋ねる。ボタンは下向きの逆三角形をしていて、地球のあの裝置を思い出させる。

「ああ、もしかしてこれエレベーターか」

「えれべーたー?」

  「力をつかって、人や荷を上下に運ぶ箱型の裝置のことだ。まぁ使ってみればわかるさ」

彌一は逆三角形のボタンをポチッと押す。するとドアが閉まり、ウィイイーーンと靜かな音を立てて部屋がく。セナは初めてのエレベーターに驚いているようで何度も上と下を互に眺める。そしてエレベーターに乗って十秒が経過した所でチーンと音がし、到著する。

隨分深く潛ったな、と思っているとドアが開く。

開いた先は、住宅のリビングのような構造でとても広々とした空間。正面のには小さな庭がある。奧にはイスとテーブルが並んでいて住居のような空間だ。

二人は中を探索していると、ここに來て謎が現れた。

「ティーカップと焼き菓子?」

奧のテーブルにティーカップが一つと焼き菓子が皿にもられている。

ティーカップの紅茶はまだ湯気を出しておりーーーーーまるで、今さっきまで人がいたかのようだ。

「ーーッ!誰だ!!」

背後に人の気配をじ、すぐさま後ろを向き、向きざまにレルバーホークを猛速度で抜き、引き金に指を掛け構える。

セナも同じタイミングで振り向き、いつでも魔法が撃てるようスタンバイ。

そして二人が見る先には、エレベーターとは別のドアの前に一人のが靜かに立っていた。

目と髪は薄い緑をしており、はとても白くきめ細やかで、顔はらかい笑みの中に凜とした表があり、気品の良さをじる。

そして特徴的なものが一つ。それは、彼耳だ。

その耳は普通の人よりも長く、先は尖っている。漫畫やアニメなんかでお馴染みのエルフを想像する。そしてそれだけでも特徴的なのだが、もっとも耳を差し置いて特徴的な事がある。

(なんでメイド服・・・?)

そう、出てきたは黒と白を基調とした膝上辺りのスカートのメイド服を著ている。

耳だけでも驚きなのにメイド服までとなると流石に訳がわからない。ましてやここは【世界六大迷宮】の最深部だ。普通にメイドがいるとは考えられない。

油斷せず構えながら彌一がそんな事を考えているとメイド服のが口を開く。

「攻略おめでとうございます。お二人とも、そう構えないでください。私はエルネウィア、気軽にエルとお呼び下さい、マスター」

「「・・・え?」」

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