《魔がない世界で魔を使って世界最強》エルネからの旅立ち

朝日が差し込みその眩しさに彌一は目を覚ます。薄ぼんやりとした視界の中右腕に暖かくらかいじ、橫を向く。

そこには彌一と同じく生まれたままの姿で彌一の腕を抱き枕にして眠りにつくセナがいた。

い寢顔で規則正しい寢息をしながら眠りにつくセナを見ていると自然と視線がそのらかなに吸い寄せられる。

彌一はそのままセナを抱き寄せそのに軽いキスを落とす。するとそので目を覚ましたのかセナも目を開ける。

目の前にある彌一の顔とに殘るで狀況を確認したセナは眠たげに発する。

「・・・やり直し」

「第一聲がそれか」

そんなことを言いつつももう一度セナにキスをする。今度はし長めのキスをして離すと、セナが逃すまいと首に手を回し抱き締めてくる。

「朝からこれ以上やると歯止めが効かなくなるんだが」

「じゃあもう一回キスして。そうしたら起きれるから」

「本當にセナはキスが好きだな」

「大好き、キスならいつでもできて彌一をじれるから。それにそれ以上だと出來る時間は限られるし」

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「そんな理由か。まぁ俺もキスは大好きだがな」

もう一度リクエストにお答えしてキスをする。そして二人は朝の挨拶をする。

「おはよう彌一」

「おはようセナ」

朝からイチャイチャの二人はそうして見つめ合う。これが二人の朝だ。

「・・・ねぇ彌一もうしだけ、キス、ダメ?」

「可くても、これ以上してたらユノが起きてくるぞ」

「う、そうだね」

しだけ寂しそうな表をするセナ。そんなセナを見て、しょうがないな、と思いながらセナの頭を引き寄せ耳元で囁く。

「・・・続きは夜にたっぷり、な?」

「・・・!!」

そんな言葉にセナは顔を赤く染め恥ずかしくなるとシーツを引き寄せ顔を埋める。そんな朝から二人が激甘な世界を作っていると、廊下から足音が聞こえ、次の瞬間にはドアが開く。

「・・・パパ、ママおはよ〜」

目をショボショボさせながら手には枕を持って現れたユノはそのままフラフラとした足取りでベットまで來ると二人に倒れこむ。

「おはようユノ」

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「おはようユノちゃん」

二人はそのままユノを抱きしめた後おでこにキスをする。眠たげにしぼめられた目も徐々にはっきりと開いていき、完全に意識が起きるとユノが明るい笑顔で抱きついてくる。そしてそんな明るい笑顔でーーーー

「パパとママ、どうしてなの?」

れてはいけないところをドついてくる。

不意打ちの右ストレートは見事二人にクリーンヒットし、思わず咳き込む。

ユノはそんな二人を見て頭に"?"を浮かべて、二人の答えを待つ。

「ユ、ユノ、それは大人の事ってヤツだ、ユノは當分知らなくていいこと・・・いや一生関わっちゃいけないことなんだ」

「でもユノは早くこどもじゃなくておとなになりたい」

「そうなれば俺はその相手に【約束された運命エクスカリバー】をぶちこまなければならなくな」

真面目な表で阿呆な事を言う彌一。娘に近ずく害蟲は容赦なく駆除だあ!、とばかりの勢いだ。

ユノは將來相當な人になる事は間違いない。いずれは人や結婚相手が出來るだろう、とそんな事を思うと寂しくなると同時にその相手に【約束された運命エクスカリバー】を放つか真剣に考えなければならない。

彌一が真剣に阿呆な事を考える。

そんな彌一の心を察してかセナはしジト目で見た後、せっせと服を著ていく。著替え終わった時に彌一もようやく現実世界に戻って來て著替える。

著替えが終った後ユノの著替えを取りに行こうとした瞬間、ドアがノックされエルがユノの著替えを持ってきた。

完璧なタイミングでの訪問にさすがメイド、と思う。

それから四人はビルファから連絡があったため冒険者組合に向かう。

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冒険者組合に到著すると顔馴染みとなった付嬢にいつも通りビルファの執務室に案された。

「彌一君、今日呼び出したのはある報がってきたからなんだ」

「てことはそれは俺に関係することなんですか?」

「ああ、君にとっていい知らせだろう。実は今勇者一同がここから二つ目の【都市メイカイ】にいる事がわかったんだ」

「!!本當ですか!?」

【都市メイカイ】は大きな港がある街で様々な國から多くのがやってくる。そしてその近くには多くの大小様々な窟や迷宮が存在しているため冒険者や探検家なども集まり街の景気などはここエルネより大きい。

「ああ、勇者一同は近くの場所で実踐訓練のため二ヶ月ほど停泊しているらしい。彌一君たちの速度なら今から出発しても十分間に合うだろう」

「ええ、ありがとうございます!」

ビルファの報せに彌一は喜ぶ。王都までまだ距離がありクラスメイトに會うのはまだ後かと思っていたのでこの報せは嬉しい。

「そうなるとすぐ出るのかい?」

「明日ですかね。魔回路の方もしですけど治りましたし、ユノの方も安定しましたから大丈夫ですし。そろそろ旅立とうと思ってたので丁度いいですから」

「そうかい、寂しくなるねえ」

今日中に食糧や必要品を購すれば明日には出発出來るだろう、裝備品なんかも彌一がいれば作れるのですぐにでも立つ事は出來る。

そんな彌一たちを寂しくなる、と言うビルファはそれと同時に華やかな表でもあった。彌一たちの事を思っていてくれるのだろう。

「それじゃあクライトさん俺たちは明日の準備があるのでこの辺で」

「旅の健闘を祈るよ」

ビルファと握手をわした後、彌一たちは冒険者組合を離れ必要品の買い出しに向かう。

「エル買い出しはセナとユノに任せてし手伝ってくれないか?へカートの整備をしたいんだがサポートがいると助かる。セナとユノはいいか?」

「私はいいよ」

「ユノも!」

「分かりました、マスターのサポート任せてください」

「助かる。それじゃあセナ、ユノまた後でな」

「分かった、それじゃあいってくるね」

「行ってきます!」

そうしてセナとユノは街の中心街の方へ、彌一とエルはへカートの整備をするため施設へ転移した。

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朝日が出始める時間帯に彌一たちとビルファは城門前に來ていた。へカートにリュックを積み準備が完了したところでビルファが聲をかけてくる。

「たった一か月くらいだったけど寂しくじるね」

「本當にいろいろとお世話になりました。ありがとうございました」

「禮には及ばないよ、こちらも隨分と助けられたしね。また機會があったらいつでもココへ寄ってくれ」

「ええ、わかりました。また機會があったら寄らせてもらいます」

そういって二人は最後の堅い握手をわすと彌一は運転席に乗り込む。助手席にはエルが乗り、後部座席にはセナとユノだ。ユノは早い時間帯のせいかセナにもたれかかってうとうとしている。

彌一は窓を開けてビルファに聲をかける。

「それじゃあ、行ってきます。いろいろとありがとうございました」

「君たちの旅の健闘を祈るよ。気を付けて」

最後にそう聲をかけて彌一はへカートを走らせる。ビルファに見送られ彌一たちは次の街に向けて進み始めた。

のどかな平原をへカートが疾走する。などがすごい速さで進むへカートを見て驚いた後、逃げていく。彌一たちはあれから數時間ひたすら同じような道を進んでいた。

「そういえばマスター次の目的地はどこなのですか?」

エルがそう聞いてくる。ここからメイカイまではまだ道のりがある、メイカイまでの道のりの間にはいくつかの街や村がある。

「次の目的地はラッカンだな」

「ラッカン?」

【ラッカン】は【都市メイカイ】の前にあるし大きめの街だ。ここはそれほど多くの人間は住んでいない、そう人間だ。

「ラッカンは亜人が多くいる街なんだ。だから人間の領地には出回らない珍しい鉱石や食材が集まるらしい。珍しい鉱石なんかは新しい魔導の開発に役立つかもしれないから手にれておきたいんだ」

亜人はエルの古霊種族エルフや獣人族、土妖ドワーフ、などの種族のこと。【都市メイカイ】にはそんな亜人たちが多く集まるため多種族間の流の場でもあり、人間領には出回らないようなものが多くある。

彌一はここで魔導の材料になりそうなを集めておきたいのだ。

しかし、それ以外に彌一には誰にも言えない理由がある。それはーーーーー

(やっぱり異世界に來たからにはケモミミは見ておかなければ男じゃない!!)

実に丸出しな理由だった。

オタクである彌一にとってケモミミは一度は見ておきたい。ビルファからこの街のことを聞いたとき迷いなく次の目的地をここにした。

もちろんそんなことセナに知られようものなら・・・、言わなくてもわかるだろう?

そんな訳で最もらしい理由をつけたのだが、珍しいも目當ての一つなのであながち噓でもない。

そんな彌一の本心知らないセナはユノを膝枕して、本人もうとうととしている。彌一とエルは微笑みつつ、起こさないように靜かに會話していると、エルが突然左を向く。

「マスター十一時の方向からモンスターの接近です。數は五。どうします?」

「二人を起こしたくないから、靜かに潰す。エル、縦変わってくれ」

「了解です」

彌一は天井の一部を橫にスライドさせへカートの上に登る。

そして左側を見ると遠くの方でこちらに向かってきている角が異常に発達した牛が確認できた。

彌一は別空間から槍を取り出す。

この槍は魔回路のリハビリのため【錬】で作ったものだ。

「フッ!」

鉄でできた槍を彌一はググッと引絞り、投擲する。

投擲した槍は水平にカッ飛び牛の一頭の頭に命中する。頭に槍が突き刺さり絶命した牛はその場にドサッと倒れ、後ろから來ていた牛に踏まれる。

「うん、はなまってないみたいだな」

の調子を確認すると今度は別のを取り出す。

取り出したのはスナイパーライフル。魔導NO.6電磁加速型スナイパーライフル【ルオー】。これはエルの【グレーク】を參考にして作ったもので、威力は【グレーク】に及ばないが、火薬は最小限にして電磁加速での発なので靜穏に優れており。また、、【グレーク】とは違い【ルオー】は弾を変えれば様々な狀況にオールラウンドに対応できるスナイパーライフルだ。

揺れる車の上で彌一は【ルオー】を構える。スコープに目をあて、狙いを定める。揺れる車のせいで狙いがぶれるが、【解析眼】で補正し引き金を引く。

バシュ!と乾いた音が鳴ると針のような弾丸が出される。針は牛の額に命中する。しかし牛は気にすることもなくこちらに突撃してくる。

すると突然牛がグラッと傾くと、そのまま倒れる。

された弾丸には猛毒を吐く魔の毒がれてあり、それが刺さることで毒がに侵し、死に至らしめるのだ。

彌一は次々と弾丸を放ち、牛を全滅させる。

全滅を確認すると彌一は車に戻り助手席に座る。

「どうでしたマスター。新しい武能は?」

「うーん。もうし改良が必要だな、発音がもうし抑えられるはずだ。すまんがエル、このまま運転を任せていいか?」

「はい、マスターはゆっくりしていてください」

「ありがとう。し【ルオー】をいじってみる」

そういって彌一は【ルオー】をいじり出す。

それから彌一たちを乗せたへカートは、太に照らされながら草原を疾走する。

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