《魔がない世界で魔を使って世界最強》ラッカン

エルネ街を出発してから數日後、草原をへカートが疾走していた。へカートに気が付いたほかのは逃げていき、稀に逆におびき寄せられてきた魔が襲ってくる。

チーター型の魔が草原の草むらに隠れ、地を這うようにこちらに疾走してくる。

そしてチーターはへカートの先で待ち構えるとへカートが來た瞬間に草むらから飛び出る。

『グァア!!』

瞬間、炸裂音と薬莢の音が響き、チーターが地に沈む。

彌一は発砲したレルバーホークの銃口を「フッ」と吹くとのホルスターにしまう。

「ここらあたりの魔はやっぱりフェーズⅠしかいないんだな」

「ふつうフェーズⅡは森の奧深くなどに生息しているので、普段は出てこないんです。フェーズⅡはこちらの世界では災害級と呼ばれて、めったに発見されることもないそうです」

「へぇ~そうなのか」

本來フェーズⅡ、災害級の魔は三パーティーで対処するような魔だ。それを彌一たちは一人で倒しているのだが、本來は一人で倒せるようなものではない。

そんな會話をしながら助手席から外の景を見ていると、後ろから小さな手が出てきて彌一の顔をペチペチと叩く。

「パパ~つまんない」

「そろそろつく頃だと思うからもうし我慢してくれ」

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「むー」

頬を膨らませてペチペチと不満をぶつけてくるユノ。まったく痛くないし、逆にそんな可さに癒されるのだが不満のままではいけない。

彌一は後ろに手をまわし、ユノを持ち上げるとそのまま膝の上に下ろす。すると途端に機嫌がよくなるユノ。

大好きなパパの膝の上で上機嫌なユノは「ふんふんふーん」と頭を揺らす。そんなユノをセナはし羨ましそうな目で見ていたが、ユノの嬉しそうな表を見ると微笑ましさの方が勝ったようだ。

そんなほんわかした空気のなか、へカートは草原を進む。

そしてそれから數時間後長い旅も終わりようやく目的地、【ラッカン】が見えてきた。

城門に著くと冒険者カードを取り出し、中にる。【ラッカン】は異種族間の流の場所でもある。そのため商業が盛んで毎日いろんな種族からの商品が並ぶ。南の城門近くは人間が多く住むところなのか、いまだ人間種しか見ていない。

彌一たちは周りを珍しそうにしながら歩き回る。

「わかれて買いでもして、夕方にまたここに集まるか?全員それぞれ見たいところもあるだろうし」

「そうだね、いろいろと見てみたい」

「それでは夕方にここでとゆうことですね?」

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「ああ、それじゃあ分かれるか。ユノはどうする?」

「パパといく!」

「じゃあ各自夕方にここな?それじゃあまた後で」

そうして軽く探索をするため彌一たちは分かれる。セナとエルは二人で話をしながら街の中心街に向かった。

「さて行くかユノ」

「パパとでぇーと!でぇーと!」

「・・・セナから聞いたんだな。うん、わかってる、わかってた」

嬉しそうにはしゃぐユノを見てまぁ楽しそうならいいか、と開き直り、仲良く手をつないで街を散策する。

彌一とユノはまず先に街の西側を目指す。街の西側は主に工蕓品や珍しい商品が販売されている店が立ち並ぶ場所だ。

そして街を歩いているととあるものが目に

「おお!本當にいた!」

頭から生えた貓耳に腰からはやした尾、そうケモミミがいるのだ!貓耳や犬耳、ウサギ耳などいっぱいいる!通りで行きかう人の半分近くは亜人で殘りは人間だ。

獣人やドワーフなどの種類の亜人たちが多くおり、彌一はそんな景にはしゃぐ。

するとユノが「むー!」と口を尖らせ彌一の裾をグイグイと引っ張ってくる。

「ママにパパがネコさんみみがはえてるの人ばっかり見てたっていうもん!!」

「悪かったユノそれだけは勘弁してくれ。そんなことになれば俺は大変なことになる」

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なんとも恐ろしいことを言ってくる娘に彌一は即謝る。そんなことになれば彌一は地獄を見ることになる、いや地獄で済めばいいが・・・

そんなわけで気を引き締めて改めて通りの店を見てみるといろいろな店がある。種族ごとのいろんな服を展示している服屋やよくわからない壺などを扱う骨董品店、珍しい寶石や魔石を扱う寶石店などがある。

「ユノはどこか行きたいところはあるか?」

「あそこ!おようふく見たい!」

ユノがさしたのは服屋だった。やはりユノもの子なので可い服は興味あるようだ。彌一は男にはし場違いなじがしてることに抵抗があったが娘のためを思ってそこは飲み込む。

店にるとうさ耳のお姉さんが聲をかけてくる。

「いらっしゃいませ。本日はどのようなご洋服をご所でしょうか?」

「この子が服を見たいと言って、よければ店の服をいくつか見てもいいですか?」

そういってユノを見せると、ユノの綺麗な銀髪と蒼い瞳の可らしい容姿に、店員は興したように聲を上げる。

「まぁ!可らしいお嬢さんですね!ええもちろんどうぞ。これだけ可らしいのならどんな服でも似合いますね」

「ユノいろいろと見せてもらってこい」

「うん!」

「それではこちらに行きましょうか」

ユノは店員に案されて店の奧に行く。彌一はそんなユノを見送ると暇になったのでし辺りを見てみる。

「へぇ~、和服もあるのか。和服を作る種族があるのか?それともメイカイからの輸か?ふ~ん・・・おっ」

辺りの服を見て想を思っているとある服を見つける。それを手に取ってしばらく彌一は考えていると、奧のほうから店員が呼びに來る。

意外と早かったなと思いながら彌一は案されると、そこには店員に勧められたであろう服にを包んだユノがいた。

ところどこにフリルのあしらわれた白のワンピースにし大きめの麥わら帽子といったシンプルなじだがそれがユノの元からの綺麗さと可さを引き立てとても可らしい。この時期は気溫も高くなってくて夏のようなじ何で、涼しげな印象で丁度いい。

ユノは新しい服にし恥ずかしいのかちょっぴり頬を赤くしモジモジとしている。

「パパ、どう?」

「すごくよく似合ってるぞ。うん、やっぱりユノは可いな」

「ほんと!?ありがとパパ!」

彌一に可いと褒められギュッと抱きつく。彌一はそのらしさにユノの頭をでると、さらにユノは頭をうずめる。

「どうですか?他にもございますが」

「それじゃあもうし見てみるか?」

「うん!」

それからしばらくユノのファッションショーが開催され、その度に親バカ彌一はユノを褒めまくり、セナにも見せるか、とスマホで撮影會も行われ、店の他の客もユノの可らしさに惹かれ店がてんやわんやな狀態になった。結局、最初のワンピース以外にもいくつかの服を買い、彌一とユノは店を後にした。

「ふんふんふーん!」

くるっと回りワンピースの裾をフワッとはためかせながら上機嫌に鼻歌を歌うユノ。周りの通行人はそんなユノを見て微笑んでいる。

彌一はそんなユノに微笑みつつ、ユノを擔いで肩車する。

ユノは頭の上でキャッキャはしゃいでいる。そのまましばらく歩くとしの小道にったところにある店を見つける。

「なんだここ?」

気になって中にるとそこは鍛冶屋のようだ。壁には盾や剣が飾ってあり、店の中には誰もいない。

ユノを降ろし中を々と見てみる。どの武も質が良く職人の高い技量がうかがえる。剣を手にとってみると見た目の割に軽い。おそらくミスリルが混ぜ込んであるのだろう。

しばらく武を見ていると奧の方から音が聞こえて來た。

「なんだ客か?」

高圧的に奧から出て來た男が言う。聲と顔の厳つさ似合わず背は低い。おそらく土妖ドワーフだろう。

顔の厳つさに怯えたユノは彌一の後ろに隠れる。

男は「ふん」と鼻を鳴らした後言う。

「それで何をしにきた」

し気になって立ち寄っただけです。ところでここは鍛冶屋でいいんですか?看板も何もないので」

「ああ、ここは俺の鍛冶屋だ。俺の名前はグウラ」

「ヤイチ・ヒイヅキです。それでここって武の整備とかってやってもらえます?」

「・・・見せてみろ」

彌一はリュックから【蒼刃】を取り出してグウラに渡す。【蒼刃】は普通の武とは違い耐久力は凄まじいのだが、だからと言って手れしないわけにはいかない。

彌一自も手れはできるのだがあくまで応急処置程度のもの。地球では知り合いの鍛冶屋に整備をお願いしていたのだが、こちらに來てからは本格的な手れは一度もしていない。

王都で腕のいい職人を見つけてやってもらおうと考えていたのだが、さっきの武を見て十分な腕だと判斷したのだ。整備するなら早いほうがいい。

グウラは【蒼刃】を抜くと一瞬目を見張る。そして【蒼刃】を鞘にしまう。

「三日だ。確かに手れはされているが幹の部分がボロボロだ。それにこれだけの業になると整備に時間がかかる」

「それじゃあお願いしてもいいですか?」

「料金は整備が終わってからだ」

「ありがとうございます」

禮を言った後彌一は怯えるユノを抱っこして店を出てくる再び散策をする。

それからしばらく、ユノが面白がって、よくわからないゲテモノ料理を食べたり、工蕓品店で魔石を購したりして街を散策していると気がつけば夕暮れどきだ。

歩き疲れて眠ってしまったユノをおんぶして集合場所に向かうとすでにセナとエルが待っていた。

「二人ともどうだった?」

「うん、エルと二人で買いできて楽しかったよ」

「私も裝備品の補充と"たけぼうき"という箒を買えたので満足です。これでお部屋の掃除がはかどります」

「エル、竹箒って落ち葉とかを掃く室外用の箒だからな?」

「そうなのですか!?」

室外用だと知って肩をしょんぼりさせるエル。彌一とセナは苦笑いしつつ、三人は宿屋へ向かう。

宿屋で部屋を四つ借り、宿屋の一階で夕食をとる。

その後風呂にもり、四人は彌一の部屋で喋っていると疲れたユノがそのままぐっすり眠ってしまったので今日はここでお開きだ。

彌一はユノをユノの部屋に運んで寢かしつけると部屋に戻る。部屋に戻るとエルはもうすでに部屋に戻っており、部屋にはセナしかいない。

「セナにプレゼントがあるんだ」

「え?プレゼント?」

彌一はそういうとリュックからプレゼントを取り出す。それはの浴だった。これはユノの服を買った時に一緒に買っておいたものだ。

「うわー!きれい」

「セナに似合うと思ってな。どうだ著てみてくれないか?」

「うん!ちょっと待っててね」

を大切そうに抱え部屋から出て行くセナ。彌一は浴姿のセナに期待を膨らませながらしばらく待っているとセナが戻って來た。

「は、るね」

し上った聲でセナがドアを開けて中にってくる。

そして彌一はその姿に息を呑む。

「どう?似合ってる?」

し深い青に、華やかな花の柄の浴。綺麗な蒼髪を結っていて白いうなじが見えている。全的に青い浴がセナの蒼髪を相まってとても素晴らしく似合っている。

化粧などしなくてもきめ細かい白いは、深い青と反対的で逆にセナ自の綺麗さを引き立てる。

セナはし頬を赤らめながらも、微笑んでその場で回ってみる。

彌一はしばらくそのしさに目を奪われ放心狀態になった。

「どうしたの彌一?」

セナは彌一のところまで來て目の前で手をヒラヒラさせると、ハッ!と彌一が戻ってくる。

「あ、ああ、すまん。セナがあまりにも綺麗だったから、魅了されてた」

「・・・!!そ、それならよかった」

彌一の真っ直ぐな気持ちにセナは顔が真っ赤になる。その赤くなり恥ずかしがる姿が、浴の奧ゆかしさと相まって彌一はさらにグッとくる。

「・・・も、もう一回言って」

「綺麗だ。本當によく似合ってる」

「もう一回」

「綺麗だ」

「もう一回」

「綺麗だ」

「もう一回!」

「すごくきれ、んっ!」

彌一が言葉を続けようとした瞬間、セナが飛び込んできて彌一の口をふさぐ。で。

彌一は突然のことに驚くもすぐにれ、細い腰に手を回す。

しばらくそうしてれ合わせているとセナがを離して、俯く。

「やっぱり、もういい。これ以上は恥ずかしい・・・」

「何度でも言ってやるぞ?セナ、すごく綺麗だ」

「う、うう・・・でも、ありがとう彌一。私すごく嬉しい」

「ならよかった」

二人は抱き合った狀態のまま見つめ合い、お互いにクスクス、と笑う。しばらくそうして見つめ合っていると、自然と二人の距離はまっていき、もう一度れ合わせる。今度は深く。

「ちゅ、んちゅ・・・くちゅ、はむっ・・・くちゅ、んっ・・・はぁ、はぁ、んっ」

彌一とセナはお互いに強く抱き合い、お互いの舌を濃厚に絡めさせる。何度も息継ぎをしながら、求めるままにを任せひたすら熱いキスを続ける。

「んちゅ、んっ・・・あんっ!やいち、いきなりだいた、んっ!」

彌一は浴元から手をれて直接、らかく汗でしっとりとしたみしだく。セナがビクンとぐが、彌一はその口をキスでふさぐ。そしてあることに気づく。

「セナ、もしかしてつけてないのか?下著」

「んっ、はぁ、はぁ、だって著付け手伝ってもらう時にエルが浴は下著を著けないってそう言ってたから」

「それ騙されてるぞ。日本でも浴に下著を著けない文化なんかない」

「ーーーッ!!エル、許さない・・・!」

その言葉にセナが一気に赤くなり、エルへの恨みを吐く。外國人がよく間違えたりすることだが、まさかそれが異世界でもだとは思わなかった。

まぁでもそれで恥ずかしがって涙目のセナはらしく、ナイスエル!と心ガッツポーズだ。

「全くセナはドジだな」

「う、だ、だって・・・」

「でもそれが凄く可い。してるセナ」

「んっ!ちゅっ、んんっ・・・やいち、はげしい!・・・んんっ!もっと、もっと、きしゅ、はむっ・・・んっ」

二人はさらに燃え上がる。熱いキスは二人の脳髄を溶かしていき、理を忘れさせる。セナは腰に力がらなくなり、ガクッと彌一にもたれかかる。

彌一はそのままベットにセナを押し倒す。大きくはだけた元と裾から覗く、艶かしいと太ももは、セナの上気して潤んだ瞳と相まって一種の幻想を生み出し、その魅力に彌一は完全に取り憑かれる。

「まって彌一、このままじゃせっかくの服が汚れちゃう」

「【復元魔】をかけるから大丈夫だ。それにもっと綺麗なセナを見ていたいんだ」

「もう、彌一の変態さん、目が凄くエッチ」

「そうゆうセナだって下履いてないじゃないか」

そう言って意地悪くいうとセナは顔を真っ赤にして裾を抑える。

「も、もう知らない!」

プイっと顔を背ける。彌一は「ごめんごめん」と笑いながら謝り、セナの頬に手を當てキスをする。

「許してくれるか?」

「・・・いつもよりたくさんしてくれないと許さない・・・」

涙目で恥ずかしそうに呟くセナは、とても可く彌一のは更に高まる。

「ああ、もちろんだ。今夜は寢かせないぞ」

「うん、來て」

再びを熱く合わせる。そして熱く燃え上がり、彌一の手は魅の太ももにびていきーーー 

その夜は港の夜風に紛れて、二人の息遣いと聲が響いていた。

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