《魔がない世界で魔を使って世界最強》ユノの力
夜、彌一たちは【フェルセン大迷宮】の地下施設にいた。大きな機械のベットにユノが橫になっている。ガラスの向こうの部屋では彌一が畫面に映るグラフと數値を真剣に見ている。
いま彌一が見ているのは、ユノの魔回路の狀態だ。毎日しづつ回路の狀態を整え、今日ようやく最終調整だ。彌一は調節した魔回路の狀態を張しながら注意深く見ていく。
時間を掛けてに検査していく。そして検査が終了。
「検査結果は・・・完全定著!!よし!功だ!!」
彌一は椅子から立ち上がり、隣の診察室に駆け込む。
「ユノ!功だ!もうこれで心配ないぞ!!」
ユノを抱き締めその場でグルグル回る。ユノは「きゃー!」と言いながらグルグルにはしゃいでいる。彌一がグルグルをやめるとエルとセナがってくる。
「彌一結果は!?」
「無事功だ!もうこれで命の心配はない」
「ほんと!?よかったユノちゃん!!」
「ママー!」
検査結果にセナは涙を浮かべる。ユノはそんなセナに駆け寄り抱き著く。
「よかったですねマスター。これで安心ですね」
「ああ、しかもこれでインサニアの力を利用できるかもしれない。ユノ、明日外に行ってみるか」
「いくぅ〜・・・」
と彌一が聲をかけるとセナに抱っこされているユノが眠そうに呟く。長い時間の検査で疲れたのだろう、可らしいあくびをするとそのままコクコクと船を漕ぎ出す。
「だいぶ疲れてるみたいだから先にユノちゃんを寢かせるね。彌一はどうする?」
「俺は検査結果をまとめてから寢るよ」
「でしたら私も手伝います」
「悪いなエル。そういうことだから先に寢ててくれ」
「わかった。じゃあおやすみ彌一」
「ああ、おやすみ」
彌一とセナはお互いに軽く頬にキスをする。するとセナの腕の中で船を漕いでいたユノが、半分夢の中の狀態で、おやすむのキスをねだってくる。彌一が頬にキスをすると、そのまま幸せそうな表で眠ってしまった。
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セナがユノを抱きかかえ部屋から出て宿の部屋に戻る。実はこの地下施設は宿で彌一たちが借りた部屋と繋がっている。【転移石】を改造し、元の場所に戻れるようにしたのだ。
するとエルがはぁ〜とため息混じりの聲をらす。
「マスター、私の前で私を忘れてイチャイチャされると、とてつもない疎外を覚えるのですが・・・」
じとーっとエルが見てくる。
「う、すまん。次からは人目のないところでする」
「マスター、反省しているように見せかけて実は反省していませんね?」
彌一の反省しているようでしていない発言にエルはジトーっと視線を送る。彌一は、ハハハ、と苦笑いを浮かべながらパソコンに向かう。
エルも彌一の隣で診斷結果の書類をまとめていく。
しばらく二人は黙々と作業をしていき、気が付けば深夜の二時ごろになっていた。
二人はそこでようやく作業が終了し、それぞれの部屋に戻って就寢する。
「はぁ〜つかれた〜」
セナとユノはセナの部屋でもうすでに寢ているので今日は久しぶりに一人での就寢だ。し寂しい。
彌一はベットにドサッと倒れこむと、そのまま意識を手放し、眠りについた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翌日、夜更かしのせいでいつもよりし起きる時間が遅くなった彌一は、いまだ意識がぼんやりとしたなか寢返りをうつ。
すると寢返りを打った先で、暖かくらかいがある。
(ん・・・?なんだ、セナか・・・)
薄ぼんやりとした意識のなかでそう判斷すると、その暖かさを抱きしめるように引き寄せる。
むにゅん
「ん・・・にゅぅ・・・」
「・・・ん?」
引き寄せるととてもらかい二つの塊が彌一の板でむにゅん、と潰れる。そして々さの殘る鈴のような聲が聞こえ、彌一は疑問を浮かべる。
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セナは意外と著痩せするタイプで見た目よりあるのだが、明らかにこのの大きさはセナのものとは違う。それにこの聲もセナの聲ではない。
何処かで聞いたことのあるような・・・、と思って目を開けると、そこには見たことのないがいた。
で。
(んんん!?!?)
目の前の知らないのに彌一は思わずシーツをはねのけ起き上がる。そして改めてを見る。
見た目は十代前半だろう。長は165センチくらいで、朝日で反する綺麗な銀髪・・が 印象的だ。そして息をするたびに揺れる雙丘は見た目の割に立派だ。
しかしそんなの容姿を差し置いて目を惹かれる特徴的がある。それはーーーーー
「耳・・・?と、尾・・・?」
そう、の頭と腰には耳と尾が生えているのだ。
立っている耳は銀髪と同じく綺麗な銀の並みで、狼の耳に近い。今もピクピクといている。尾は太く、サラサラの銀尾だ。
彌一はそんなケモミミを見て頭を捻る。思い出してみても知り合いに獣人はいない。ましてやこんな、一度見たら忘れることはない。
そうして彌一が頭を捻っていると、ケモミミが「ん・・・」ときし起き上がる。そして目を手の甲でゴシゴシとった後目を開き、深い蒼い瞳・・・で彌一を見つめてくる。
綺麗な銀髪、誰かと同じ蒼い瞳、この二つで一つの可能を導き出す。そして次の言葉で確信になる。
「おはよう、パパ・・・」
「ユ、ユノ!?本當にユノなのか!?」
「?うん、パパのユノだよ?」
なんと謎の銀髪ケモミミの正は彌一とセナの娘のユノだった。
ユノはそういうと彌一の首に抱きついてくる。
「えへへ、パパ〜」
「!?」
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のまま抱きついてくるユノのに彌一の心はかきされる。そして彌一はフンフンと揺れる尾を見て気になる。
「ユノ、その尾は本、なのか?」
「うん?」
ユノは後ろを向き、尾を見せてくる。尾はふわっと自在にく。彌一はその尾に手をばす。
並みはふわっふわっで、思わずもふりたくなる。尾をし強めに握ると尾の芯の部分にあたる。
「やんっ!パパ、くすぐったいよぉ」
ユノがビクンと震える。尾はどうやら敏なようで、その艶やかな聲に思わず彌一はドキッとしてしまう。そして手を離そうとした瞬間ーーーーーー
「彌一、ユノちゃん見なかっ・・・・」
ユノを探しに來たセナとエルが部屋にってくる。そして二人は部屋の景を見て固まる。
部屋のなかでは彌一と見たことのないのケモミミが頬をし赤く染めて、口を紡いでいる。
彌一は生きていたいと願った。
「や、い、ち、?」
幽鬼のようにゆらり、ゆらりとこちらに近づいてくるセナ。その背後には黒雲立ち籠める雷雲のなか、豪炎鳥と冥水竜が天高く吼えているのが見える。どうやらセナはスタ○ド使いのようだ!
「ま、待ってくれセナ!!違うんだ!!これは!違うんだぁああああああああーーーーーーーーーーーー!!!!」
ーー《しばらくお待ちください》ーー
「え!?本當にユノちゃんなの!?」
「ああ、ほんどうだ・・・」
正座させられ、ケモミミの正がユノだと誤解を解いた彌一はボロボロの狀態だ。綺麗な川とお花畑が見えたのでちょっとダメ、マジヤバイと思った。 
彌一は自分に【治癒魔】をかけてを癒しながら、エルが買ってきた服を著ているユノを見る。セナの服はったのだが、ある部分が小さかったのだ。(その時セナは「娘に負けた・・・」と呟き膝から崩れ落ちていた。)
「でもどうしてユノちゃんは急に長して、しかも耳と尾が生えたんだろう?」
「それなんだが、おそらく魔回路が完して、ユノがインサニアの力を引き出せるようになったからだろう」
「これがインサニアの力なのですか?」
「ああ」
彌一は一つの推測を立てる。セナとエルはまだ何がなんだかわからないようだ。
「前に話したと思うが、アストラルはその人間の在り方やの形を表すもので、アストラルが変化すればフィジカルもそれに吊られて影響が出る」
「ふんふん、それで?」
「今回の場合、ユノの中にあるインサニアのアストラルがユノのに影響を與えて、が変化したんだろう。魔回路が完したことで與える影響が【召喚魔】の【降霊】として変換され、ユノは今、インサニアを降霊させている狀態なんだ」
彌一の説明にセナとエルはなんとなくだが理解し頷く。
簡単に言えば、今のユノはインサニアを降霊させている狀態で、降霊させた事でユノのが変化し、長したということだ。
彌一も魔を降霊させた例など聞いたことがないので正直驚きだ。まだハッキリと分からないことも多いが、取り敢えずの仮説としては正しいだろう。
「ユノ、元に戻ることはできるか?」
「うん!できると思う!」
ユノは目を瞑り「うーん」と考え始めると、ユノの足元に蒼の魔陣が生まれ、ユノのがり出す。そしてりが治るとそこには四、五歳くらいの見た目に戻ったユノがいた。
服のサイズが合わずぶかぶかの狀態でユノは「できた!」とぴょんぴょん跳ねる。エルがユノの服を持ってきて著替えさせる。
彌一は「へぇー」と聲をだす。
「どうやら魔として立して制することができるんだな。そうなると至急ユノの力を見ておく必要があるな」
「それもそうだね。ユノちゃんお出かけするよ〜」
「やったー!」
四人は軽く朝食を食べて、へカートに乗り込む。向かう先は【フェルセン山岳地帯】だ。ここなら萬が一何かあっても誰にも迷をかけることはない。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
山岳地帯のすぐ近くにある森に到著する。まずは最初に通常狀態でユノがどこまでインサニアの力を使えるかだ。
「ユノ、あの木を攻撃してみてくれ」
差した方向にあるのは巨大な大木。これならそう簡単に壊れないので的としては最適だ。ユノは「うん!」と頷くと右手を大木に掲げる。
その瞬間ユノの周りに十數の氷の礫が瞬時に現れる。
「「「なっ!?」」」
「いけ!」
 彌一とセナとエルがその氷の生速度に目を見張っていると、ユノは氷を撃ち出す。
氷はもの凄い速度で大木に直撃し、すべての礫が大木に命中すると、大木はズゥウウーーン!!と音を立てて折れた。
「パパ、パパ!凄い!?」
「あ、ああ、すごいぞユノ」
「やったー!」
彌一に褒められてユノはご満悅だ。そして彌一達は今の一連の出來事に沈黙だ。
まず氷を発生させる速度が尋常ではない。セナも彌一もあれだけの速度で氷を発生させるのは無理だ。彌一とセナの魔回路を合わせ、インサニアの力を使うための専用の、ユノの魔回路だからできる蕓當だ。他の魔はわからないが、理論上インサニアの能力であった雷も同じように使えるだろう。
次にその威力だ。人三人分はある大木を砕く力は、現代兵で言うところの戦車の砲弾だ。
彌一は娘の実力に驚愕しつつ、次の検証に移る。
「ユノ次はインサニアを召喚してみてくれ。召喚の規模は控えめで」
「わかった!」
今度はインサニアの召喚。ユノは両手を前に掲げインサニアを召喚する。
「《疾く顕せきて》!!」
ユノが呼んだ瞬間、蒼の魔陣からバチバチと紫電がぜ、陣から現れる。召喚するのは神話の伝説、何があるかわからないので彌一達は警戒をーーーー
『わふっ!』
「「「・・・は?」」」
可い聲と共に現れたのは子犬、いや子狼。銀の並みが綺麗な子狼だ。子狼は可いく吠えると、ユノに駆け寄る。
『わふっ!わふっ!』
「きゃー!くすぐったいよ!」
ユノは子狼と戯れる。その景にほんわかした後、すぐさま「いやいやいや!」とツッコミをれる。
「え?え?これがインサニア?」
「隨分と可くなってる。・・・可い」
「まさかこんなことになるとは思いませんでしたね・・・」
まさかの展開に三人は驚いている。あれだけの破壊を振りまいた、破壊の化たる神話の魔が、ユノと戯れていて今では飼い犬のような扱いだ。
「サニアお手!」
『わふっ!』
「すごいすごい!」
ユノは今インサニアにサニアと名前をつけ、お手などの蕓をしつけている。神話の魔が見る影もない。
「ユノ、サニアは何ができる?」
「サニアおっきくなって!」
『がうっ!』
ユノが命令するとインサニア、もといサニアがりだし、徐々に大きくなっていく。そして長が二メートルを超えたところでが収まった。大型の狼となったサニアは王者としての風格を思わせる凜々しい顔つきだ。
「サニアおっきい!かっこいい!!」
『ガウッ!』
ユノは大きくなったサニアに大はしゃぎのようで、サニアの背中に乗って走り周っている。サニアの方も楽しそうで、木を蹴って登ったりとまるで本の狼のようだ。
セナはそんなユノをニコニコしながら見ており、「気をつけてねー!」と聲をかけている。エルはどこからか取り出した一眼レフカメラで寫真を激寫中だ。
そんなカオスな空間に、彌一は頭を抱えるしかない。
しばらくすると遊んでいたユノとサニアが戻ってくる。そして最後の検証だ。
「よし、ユノ。朝の、サニアを降霊させた狀態になってくれ」
「わかった!いくよサニア!」
『オォオオーーン!』
サニアが蒼いとなって消え、ユノの背後に巨大な蒼の魔陣が出現する。規模からして大魔。
するとユノのが薄っすらと青く発し、グググっとユノのが急激に長していく。そして同時に頭と腰に、耳と尾がラグのように発生し、長が止まると耳と尾が完全に現界する。
最後にが強く発すると、そこには朝と同じく長して耳と尾が生えたユノがいた。
「パパ出來たよ!」
「おお、すごいな。これが降霊によるの変化か・・・」
「う、やっぱり大きい・・・娘に負けるなんて・・・」
「ユノ様は將來人さんになるとは思っていましたが、これほどまでとは」
ユノの変化に、彌一は降霊によるについて「ふむふむ」と考え、セナは両手をに當てながらどんよりと沈み、エルは微笑んでいる。
ちなみに服が破けていないのは、彌一がユノの服に魔で大きさが最適になるよう仕組んだからだ。変して娘のを曬すなど、彌一パパは許さない。
「それじゃあユノ、その狀態だと何ができる?」
「うーんとね・・・」
ユノが両腕を振るうと、辺りに凍気が発生し、腕に凍気が集まる。そして凍気が腕に集まると腕に氷が発生し、ユノの腕に氷で出來た大きな爪が出來た。
肘まで覆う籠手のようで、手に出來た氷の爪はどんなものでも斬り裂けそうだ。
ユノは更に魔力を高めると、腕の籠手に紫電を纏わせる。そして腕をし大きめの木に向ける、瞬間籠手から極の紫電が放たれ、木の撃ち抜き、焦がし盡くす。
彌一達はもう何度目になるかわからない驚きをじる。神話の伝説を宿しているだけあってユノの力は絶大だ。氷と雷の扱いに関しては、彌一より屬系魔の適正が良いセナでも及ばないだろう。
その後降霊狀態で様々な検証を行った結果、ユノは氷と雷以外の魔はからっきしでまともに扱えなかった。魔回路がインサニアの魔で手一杯だからだろう。
そして降霊狀態での最後の検証だ。それは戦闘能力。
「ユノ、これから魔をおびき出すけど大丈夫か?」
「大丈夫!任せてパパ!」
「わかった。いざとなれば俺やセナやエルがいるから心配するな。よし、それじゃあやるか、エル!魔は近くにいるか!?」
「300メートル先に熊型の魔がいます!」
「よし!頼む!」
彌一に指示され、高臺の上から辺りを見ていたエルが義手から針を出し、熊型魔の背中を狙う。
『グゥォオオオオオーーーー!!』
熊型魔は針の痛みに後ろを向き、エルを見つけると、憤怒の形相で突撃してくる。
エルはすぐさま彌一達のところまでやってくると、ナイフを構え戦闘態勢。彌一とセナもそれぞれ戦闘態勢に移る。
そして熊型の魔が林を抜け、四人を見つけると、そのまま突撃してくる。
そして一番前にいたユノに向かってその兇悪な爪を振り下ろす。しかしユノはその一撃を腕の籠手で防ぐ。
インサニアを降霊させているので能力もかなり向上しているのだろう、ユノはしっかりと熊型魔の一撃を防いでいる。
「やあ!」
ユノは腕を跳ね上げ、爪を弾く。熊型魔が弾かれたことで態勢が崩れた瞬間、ユノは地面を陥沒させ、高く跳躍する。
熊型魔はすぐさま起き上がると、空から降ってくるユノに向かって腕を突き出す。ユノはそれを空中でヒラリと回避すると、突き出された腕の上を走る。
熊型魔は腕を振るい、もう片方の腕でユノを攻撃しようとするが、攻撃が當たる寸前に跳躍してかわす。急にかわされたことで熊型魔は自分で自分の腕を切り付け、悲鳴を上げる。
ユノは熊型魔の背後に跳躍すると、熊型魔の背中に爪で切り裂きながら落ちてくる。
熊型魔は痛みに悲鳴を上げながら、ヤケクソ気味に背後に腕を振るう。だがすでにそこにはユノはいない。
ユノは熊型魔の死角に回り込み、爪に雷撃を纏って刺突を繰り出し、で電撃を放出する。
『グガァアアアアアーーーーー!!!』
熊型魔は大きな悲鳴を上げた後、ズゥウウーーンと音を立てて地面に沈み、絶命する。
魔が死んだのを確認すると、ユノはタタタターー!と彌一に駆け寄り抱き著く。
「パパどうだった!ユノすごい?」
「あ、ああすごいぞユノ、よくやったな」
彌一はユノの頭をでる。ユノは目を細め気持ち良さそうにして、尾がブンブン揺れている。そしてセナとエルはというと、ポカーンとしていた。
「エル、どう思う?」
「なんといいますか、天才、でしょうか?荒々しくではありますが、戦闘センスが高いですね」
ユノの戦闘センスははっきり言って天才だ。おそらく伝説の魔としてのインサニアの野生的な戦闘センスも降霊によって、ユノのものになったのだろう。
これから実戦経験を積んでいけば、いずれは魔を使わない純粋な戦闘では彌一も敵わなくなるかもしれない。
娘の長に戦慄しつつも、同時に誇らしく嬉しく思う彌一は、板を頭でグリグリしてくるユノの頭をでる。
すると突然、ユノの背後に魔陣が出現し、ユノのがり出す。そしてが治ると元の狀態に戻ったユノがいた。降霊化は消費魔力が大きくながくは続かないようだ。
「それじゃあ一通り検証が終わったことだし帰るか」
「ママねむい〜」
「はいはい、おいでユノちゃん」
魔力を使いすぎて眠くなったユノはそのままセナの腕の中で眠ってしまった。
すると魔陣が現れ、何故かサニアが召喚された。
「え?サニア?どうした?」
『わふっ!わふわふ!わぉん!!』
「うん、何言ってるかサッパリわからん」
サニアは言葉を伝えようとするが彌一にはわからない。
「ユノ様が無意識にサニアを召喚したんでしょうね」
「たぶんな。無意識にって事はこの狀態のサニアには魔力がほとんどかからないんだろうな」
サニアはセナの足元まで來ると、セナに抱っこされているユノを尾を振りながら見上げる。セナはそんなサニアに微笑んで、頭をでる。
「彌一、可いペットができた」
「鋭魔師の三師団でも敵わなかった神獣がペットって・・・」
「流石マスターとセナ様の娘ですね」
新しく加わった家族は神獣ということになり、今現在の彌一一家の家族構は、夫は勇者にして現代の魔師、妻は霊神、娘は神話の魔を従える創造人間ホムンクルス、従者は現代兵を扱うエルフ、ペットは神話の伝説の魔、ということになった。なんとも凄まじい家族構だ。
「それじゃあ帰るか」
「うん」
「はい」
『わふっ!』
二人と一匹が返事をすると、へカートに乗り込む。運転席には彌一、助手席にはエル、後部座席にはセナとセナの膝の上にユノとサニアだ。
サニアはを丸くして眠り、ユノはサニアに埋もれるようにして眠る。そんな景に彌一はほっこりしつつ、へカートを走らせる。
揺籠を揺らすように揺れながらへカートは森を抜けていった。
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