《魔がない世界で魔を使って世界最強》凜緒side 襲撃

「《よ・我が前を阻む敵に・ありしの斷罪を》!!ーーー【神】!!」

雄也がの神級魔法【神】を放つ。聖剣ルナ・エルームから放たれたの柱は目の前に迫った狼の魔の集団に直撃し、狼の群れを全て蒸発させる。

さらにはそのまま、極の柱は狼の群れの後ろにいた巨大な亀の魔の頭部に直撃し、頭部からを貫通しの海に沈めた。

「ふー、なんとか片付いた」

「お疲れ雄也」

雄也が振り向くとそこのはいつ見てもまみれの健がいた。健の後ろには腹部に巨大な風が空けての海に沈む巨大なオーガがいることから、またも毆り合ったのだろう。

「・・・健、また毆り合ったんだね。彩に怒られるぞ」

「だ、大丈夫大丈夫。彩は確かあっちの方に凜緒と一緒に魔を倒しに行ったはずだか、ぐぼっ!がっ!」

と言葉を続けようとした瞬間、健の後頭部に先が曲がった矢が直撃し、地面に顔面から落ちる。

雄也は「あーあ、だから言ったのに」と健を哀れみながら、矢の飛んできた方向を見ると、そこには額に青筋をけべながら、弓を放った後の作をしている彩と、苦笑いをしながら健を見ている凜緒がいる。

「健。私あれ程、バカみたいに毆っては毆られて毆っては毆られての毆り合いをしないでって言ったよね?言ったよね!?」

「ぎゃぁああああーーー!!すんません!すんません!!反省してるから次々と矢を撃つのやめて!!」

「シャラップ!!」

「ぎゃぁああああーーーーーー!!理不盡だぁああああああーーーー!!」

戦いの後の恒例となりつつある健と彩のやり取りを見ながら雄也は苦笑いし、凜緒は回復魔法を掛けていく。

時刻は夕暮れ。現在雄也たちは昨日からググル大平原の周辺に現れた魔を狩っている。中には災害級の魔も現れており、都市メイカイへの影響をも考えて訓練を一時中斷し魔討伐にき出したのだ。勇者たちに加え騎士団もその対処に當たっている。

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「それにしてもなんでこんなに魔が現れたんだろうな?しかもさっき雄也が倒した亀で、災害級四目だぜ?いくら何でもおかしくね」

凜緒の回復魔法で回復した健が訝しに呟く。確かにそうだろう、本來災害級は滅多に表れない強力な魔だ。それが先ほどからちらほらと現れている。強力な力を持っている勇者でなければ対処できなかっただろう。

「それもそうね。さっきほかのパーティーも【視力強化】で見てみたけど、どこのパーティーでも災害級は出たみたいよ」

「私も、さっき野営地に一度戻ったんだけど、全で災害級の魔が十九現れたみたい」

彩と凜緒の言葉に雄也と健の表は険しくなる。

そして四人の中ではぬぐい切れない不穏な予が奔る。

するとパーン!と音がして、音の方を見ると野営地の本部から緑の信號弾が上がっているのが見える。これは訓練終了の合図で、どうやら夕暮れ時なので魔討伐を今日は終了するようだ。魔は例外はあるが、基本は晝に行するので、無理して夜も討伐する必要はない。

雄也たちはに不安を覚えつつも取り敢えずは今日の疲れを取るため野営地に戻った。

「おっ!お帰り健!ッ!!」

「おう!ただいま大地!」

野営地の中央にある巨大テントに著くと、坊主のクラスメイトが健に聲を掛けてくる。話しかけてきたのはクラスメイトの剣道部主將山崎大地だ。そして大地の橫では短髪の可いめの子が怒って包帯を持っている。剣道部のマネージャーで大地の彼の江藤智花だ。

「こらくな!まだ腕直してないんだから!あっ、お帰り四人とも。ねぇ凜緒、大地の腕治癒してもらっていい?」

「いいよ、ってうわ!どうしたのその傷!?」

その大地はというと左腕に大きな切り傷を負っていた。智花が包帯を巻いて応急処置をしてるが、包帯からとめどなくが流れていて、酷いありさまだ。

「いやーちょっとドジってな」

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「本當は智花ちゃんへの魔の攻撃を咄嗟に庇って傷をおったんですけどねぇ~」

「うぉ!木村さんそれ言うなよ!?」

いつの間にか大地の背後に現れていたのは大人顔負けのジャーナリスト魂の新聞部員、木村奈だ。奈の言葉に大地は恥ずかしそうに聲を上げ、智花も同じく恥ずかしくなってうつむいてしまう。

「ほうほう、大地なかなかやるじゃねぇか(ニヤニヤ)」

「そうね、かっこいいわよ大地君(ニヤニヤ)」

「やめろぉおおおおおおお!!!!!カップル二人してニヤニヤすんじゃねぇええええええええ!!!」

「「だれがカップルだ!彌一(くん)と凜緒でもあるまいし!!」」

「それもちがうからね!?」

まさかの流れ弾に凜緒が顔を真っ赤にする。凜緒は知らないがその彌一は現在嫁とイチャイチャしており、そのことを凜緒が知れば一どんな修羅場が待っているか。それはまたの話・・・

し悶える大地、健、彩と顔を赤くして俯く凜緒と智花、それを面白そうに見ながら手元のメモ帳にスラスラと羽ぺんを奔らせていく奈。

そんなカオスな空間に雄也は「・・・風呂にでもろっと・・・」と放置を決め、そくさと野営地に設置された簡易型の風呂場に足を向ける。

そうしてクラスメイト達の訓練は終了し、各々今日の疲れを癒し就寢する。

しかし彼らはまだ気づかない。すぐ目の前に恐ろしい脅威がジワジワと迫っていることに・・・

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

時刻は深夜。月明かりのない夜に皆は寢靜まり、辺りには夜間巡回の兵士の足音が響くだけで靜かな夜だ。

「今日はなんか靜かだな」

「ああ、まぁここんとこ魔が多く出現したせいで森のたちが逃げてしまったんだろう」

「ああ、そうか。しかし災害級が出てくるなんて今までなかったな。俺も騎士団に団してから災害級なんて一回しか見たことなかったのに」

「それは俺もだ。本當に何があったんだろうな?」

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騎士は見張り用として設置された高臺で、暗く靜かな夜の平原を篝火だけで見張る。月明かりのないため今日の夜はいつもと違ってし恐ろしくもじる。

一人の騎士は篝火を頼りに辺りを見張り、もう一人の騎士は弓の整備をしている。左右を向くと遠く離れたところに設置された高臺の篝火が見え、そちらの方でもどうやら騎士たちは眠そうにあくびをしている。

まぁそれも無理ないだろう、今日だけで複數の魔の出現に加え、勇者たちが率先して擔當したとはいえ災害級との戦いもあったのだ。歴戦の騎士たちにも疲労のは見える。

「おーい、そろそろ代の時間だ!」

すると下から代の騎士の聲が聞こえてくる。どうやら気が付けば代の時間のようだ。

「おっと、ようやく代か。はぁ~やっと寢れるぜ」

「そうだな、さっさと代して寢よう。今日は疲れた~」

騎士たちは代の時間だと知ってようやく寢られると一息つく、そして代の最後に辺りを見る。そしてとあるものを見つける。

「ん?なんだあれ?」

「どうした?」

「ああ、あそこの遠くの山の斜面に赤いが見えた気がしてよ・・・くそっ、遠くて見えねぇな」

「んん?どこだ?何もないぞ?」

「え?そんなことは・・・あっ!ほらあそこだよ、左側の山の中腹辺り」

「おお、ほんとだ二つの赤いの塊が見える」

「え?二つ?」

その言葉に騎士は疑問を浮かべる。自分が見たのは一つだけだったんだが・・・、と思いながら備え付けてあった雙眼鏡で覗いて見る。もう一人の騎士も同じく雙眼鏡で山の斜面を見る。

篝火だけで見えにくいが、何とか山の斜面は見える。そして赤いを見ると、どうやらは小さなの集合でできているみたいだ。

「本當だ、二つある。おかしいな俺が見たときは一つだったんだが・・・ん?あれ?もう一つ増えてないか?」

「え?」

雙眼鏡で覗けば、赤いが二つから三つに増える。そして二人が訝しむ中、赤いは二つから三つに増えていき、さらにそれが四つ、五つ、六つ・・・

そして赤いは山の斜面をすべて覆いつくすほどに増え、そのがぞろぞろとき出したことで、ようやく二人の騎士はその正に気付く。

山の斜面をすべて覆いつくす赤いの集まり、それはーーーーーーー

ーーーー魔の赤い目だ

「ま、魔の軍勢だぁあああああーーーーーー!!!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ーーカンカンカンカン!!

「ッ!なに!?」

けたたましい鐘の音と騒がしい人の大聲に、就寢中だった凜緒はシーツを跳ね除け枕元に置いてある杖を取ると、すぐさまベットの上に飛び起き臨戦態勢になる。そのきはスムーズで日頃の訓練の賜だ。

そのまましばらく凜緒は周囲の警戒をしていると、同じテントで寢ている子たちが眠たげに起きる。

「みんな急いで裝備を整えて!」

凜緒は取り敢えず周囲に異常がないことを見ると、クラスの子に呼びかけ安堵する間もなく豪快に寢間著をぎ捨て、數秒で裝備を整えてテントの外へ出る。

そしてテントの外では騎士団の団員たちが慌ただしく走り回っており、ただ事の様子ではないことがわかる。

すぐさま狀況を把握しようと本部に向かおうとすると、本部の方から擔任の西原健一がフル裝備で走ってきた。鐘の音が鳴ってから三分と経っていないが、さすがは元陸上自衛隊員のようで、すでに狀況把握のためにき出していたようだ。

西原は生徒たちが就寢しているテントのところまで來ると、すでに裝備を整えき出そうとしていた凜緒をみて驚く。

「綾乃?お前起きていたのか?」

「いえ、鐘の音が聞こえたのですぐに著替えて、今狀況の把握をしようと思っていたところです」

「普通急事態が起きてから三分以に裝備を整えてき出せる子高生はいないんだがな・・・。まぁいい、すぐに子生徒と起こしてくれ。俺は男子の方に行く」

「あ、えっともう子の方は起こして裝備を整えるように呼び掛けています」

「・・・」

元陸上自衛隊員の自分並みの手際の良さに西原はしばらく沈黙する。こういった急事態では迅速な指示や判斷はとても重要だ、そういった意味では凜緒のとった行は最適解だが、それを行ったのが數か月前までただの子高生だったの子となると正直微妙な気持ちだ。

しかしそのままうかうかしてもいられないので西原は男子の寢ているテントに突し、生徒をたたき起こし、本部の巨大テントに集める(所要時間約五分)。

男子が著くとすでに半數の子が集まっており、しばらくしないうちに殘りの子も集まった。

西原は全員がそろっていることを確認すると、現在起こっている狀況についての説明を始めた。

「よし、全員揃っているなそれじゃあよく聞いてくれ。焦るだろうが、現在魔の集団が北の山脈地帯から來ているらしい。その數二十萬以上の大軍だ」

その衝撃の事実にクラスが騒然となる。いくら強力な力をもった勇者の集団であろうと、二十萬の軍勢を相手にしようとすれば最悪の場合死者も出るかもしれない。

古來から戦爭は數が多いほうが圧倒的有利だ。どれだけ個々の力が強かろうとも二十萬という數の暴力の前では押し切られてしまう。

現在この野営地にいるのは、勇者が四十人、王宮騎士団が五十人、騎士団が百名の計百九十人だ。

単純計算で約1000倍の差。しかもこれからさらに増えるかもしれない。

その事実に生徒たちの顔には絶と恐怖が現れる。鋭部隊の王宮騎士団の団員の顔にも同じく絶が現れる。

そんななか、テントにロジャー騎士団長がやってくる。

「全員注目!これより我らは前線を下げて、ここから南に2キロほどのところにある古城にて魔の軍勢に立ち向かう!この古城は30年ほど前に放棄されたが、部のつくりはいまだ頑丈だ。ここでなら古城に籠城して魔を食い止めつつ、先ほど近くの街に依頼した冒険者や騎士団の増援部隊が來るのを待つことができる」

「ど、どうして迎え撃つんですか!?さっさと逃げて増援部隊と一緒に戦えばいいじゃないですか!?わざわざ迎え撃つ必要ないでしょう!?」

そう言ったのはクラスでは気弱なキャラの鹿野谷紫音かのやしおん。確かにわざわざ迎え撃つ必要はない。準備が萬全になってから殲滅すればいいのだから。

他のクラスメイト達も紫音のように言葉には発しないがうなずいたりするなどして「そうだそうだ」と言っている。

するとロジャーは「その通りだ」と前置きした後理由を話し出す。

「萬全の準備を整えてからなら殲滅も訳ないだろう。・・・だが、ここからすぐ近くには【都市メイカイ】がある。我々が準備をと整えている間、魔が標的を変え【都市メイカイ】に

向かうかもしれない。そんなことになれば【都市メイカイ】は確実に滅ぶだろう。そうならないためにも我々が準備を整えるまで引き付けておかなければならない」

ロジャーが理由を話し終わると、生徒は水を打ったように靜かになる。自分たちがやらなければ多くの人の命が奪われてしまうかもしれない、そのことに生徒は何も言えなくなったのだ。

明らかにわかる命の選択は、數か月前まで命のやり取りとは無縁な時を過ごしてきた生徒たちにとって、あまりにも重い選択だ。

「これは無理強いはしない。名も知らない多くの人間か、自らか、今この場で決めてくれ」

ロジャーがそういうと生徒は頭を抱ええて悩む。

自分の命か、赤の他人か、その選択は普通は自分の命と答えるだろう。

だが、生徒たちにはその多くの人たちを救う力がある、ここで逃げ出すのは簡単だが、その選択によって多くの命を失うと思うと足が竦む。

そして、多くの人の命を救おうとすれば、自分の命が危険にさらされてしまい、あれだけの數の魔の軍勢だ、最悪死んでしまう可能もある。

この二択、強い力を持ってはいるが未だ神が未な生徒にとってはあまりにもつらい選択だ。

生徒たちが悩む中、最初に決めたのは、凜緒だった。

「ロジャーさん、私は戦います」

凜緒が最初にその選択をしたことに多くの生徒は驚いた様子だ。まさか雄也よりも先に子の凜緒が選択するとは思わなかったのだろう

いや、大切な馴染が行方不明になり見つけるために人一倍努力してきた凜緒だからこそ、この選択を決めることができたのだ。

凜緒の影の努力を知る彩や健は、その凜緒の姿を見てお互いに頷くと「私も!」「俺もだ!」と決める。

それに続いて雄也も戦うことを決意する。すると周りの生徒たちもそれに発されて、戦うことを決める。

そしてその結果クラスメイト全員が戦うことを決意した。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

その後すぐさま前線を引き下げて、今は古城にやってきた。廃棄されて草が生い茂っていたが、城壁や門なども強度は問題なく、これなら何とか籠城戦に持ち込めるだろう。

城壁の上から北の方角を見ると、まだ魔のはっきりとした姿は見えないが、おびただしい魔の軍勢が迫っていることだけはわかる。

今回の作戦は、王宮騎士団から十名、勇者パーティー五つが前線で魔と対峙し、古城の城壁から魔法などによる支援を行い魔を食い止める戦法だ。

「先陣が來たぞ!!全員戦闘態勢!!」

の軍勢はまだ遠いが足の速い魔が先陣としてやってきた。飛び出してきたチーターの魔の集団が標的を健に絞り襲い掛かる。

「おらぁあ!!」

健は最初に飛び出してきたチーターにむかって【豪腕】による拳を叩き込み吹き飛ばす。吹き飛んだチーターはそのまま後ろにいた仲間を巻き込んで吹き飛ばされていく。

しかしチーターは仲間がやられたことなど気にもせず3が左右正面から駆ける。

「シッ!!」

左と正面から迫るチーターは無視して、健は右の魔に【俊腳】を繰り出す。

鋭い蹴りがチーターの首に奔ったかと思うと、チーターは一言も発することなくごとりっ、と首を落として絶命した。

チーターを倒して振り返ると、すぐ目の前に二のチーターが目前に迫っている。いまからの迎撃では間に合わない、なので健は【地】を使い後方に飛ぶ。

その瞬間、さっきまで健がいた場所に炎の発が発生した。

突如目の前に発生した発にチーターは止まれずその発に突っ込み、辺りに片をまき散らす。

健は後ろを向くとそこには左手をこちらに向けた彩がいた。さっきの発は彩の炎の魔法だ。健が右のチーターを倒すときに詠唱を始めて、後方に飛んだ瞬間に放ったのだ。

健は最初から自分が対処できないほうは彩が何とかしてくれると確信していた。なので迷うことなく一の魔を相手にできたのだ。

「ナイスだ彩!」

「気を付けて!まだこれからよ!」

彩はそういうとはるか上空を飛んでいる鳥の魔に向けて弓を構える。

【視力強化】で鳥に狙いを定めたあと詠唱をする。

「《纏え・風の息吹》!!」

詠唱を唱え終えあると同時に、限界まで引絞った矢を放つ。

風の魔法【風隻】。風を纏うこの魔法はビルファのように矢の軌道を曲げるようなことはできないが、を加速させて飛距離を延ばすことができる。

放たれた矢は通常ではありえない速度と飛距離を叩き出し、鳥の魔に見事命中し落下する。

それによって他の飛行型魔が彩を脅威とみなし、上空から急降下し強襲してくる。

「《纏え・風の息吹》!!」

彩は焦ることなく迫りくる魔を次々と撃ち落としていく。しかしそんな中一の魔が彩の背後からその鋭いくちばしで貫くべく、羽をたたんで一つの弾丸となって強襲する。

しかし彩を貫く寸前、突如土の壁が出現し鳥の魔がぐしゃっと自らの速度で潰れる。しかし二目の鳥は土の壁を越えて突貫し、彩の背中に狙いを定めーーー

「おらぁあ!!」

ーーーようとした瞬間、気合の一聲とともに鋭く重い蹴りが側頭部に炸裂し、鳥が水平にかっ飛ぶ。

土壁と蹴りの正は健。土の壁で鳥の攻撃を防ぎつつ自らの姿を隠して、鳥が土壁を越えて彩を強襲しようものなら容赦のない蹴りをお見舞いする。

彩は最初から背後の敵は健がどうにかしてくれると確信していたので、後ろを振り向くことなく頭上で飛びう飛行型を次々と撃ち落としていく。

お互いに自分の命を預けれるほどの信頼を寄せて居なければできないような完璧なコンビネーション。それをさも當然というようにやってのけた二人に周りは唖然としている。

騎士団の団員も完璧なコンビネーションに目を見張っており、それに発されて負けじと長年訓練された騎士の連攜を発揮し、襲い來る魔を次々と倒していく。

他のクラスメイト達も我に戻ると、自らの武を握りしめつたないながらも連攜で魔たちを屠っていく。

そして、いよいよ魔の軍勢との衝突だ。

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