ガヤガヤガヤガヤ

ショッピングモールと呼ばれるその場所で人がいるのは、普通の事だろう。

「早く買い、終わらせようぜ」

「えー、まだ來て五分もしてないよ」

そこに二人の男がいてもまた、不思議ではないだろう。

「早く帰って妹に會いたい」

「やっぱり私より、月ちゃんの方がいいの？」

「まあそうだけど」

「けど、何？」

「……いやなんでも」

「もう、素直じゃないなー」

「うるさい」

「えへへ〜」

「なに笑ってんだ？」

「いや、私は幸せだなあっと」

「はあ そうかい」

「うん、じゃあ買いをしよう」

「キャーーーーー」

平穏な日常の一コマに悲劇が訪れる。

「お前らぁぁ！コイツがどうなってもいいのか」

「助けて！ママぁー」

「やめて下さい」

一人のが走り出した。

「おい、どこ行くんだ？」

「私が助ける」

「おい！」

「なんだお前？」

「その子を離して下さい」

「ああん？」

が一瞬の隙を見て飛び出した。

「なっ」

驚いた男は、捕まえていた子供を離した。

「貴様ぁぁぁぁ」

「キャァッ」

「死ねぇぇぇ」

男がナイフを振り下ろす。

ズブリッ！

鈍い音と一緒にの腹から真っ赤なが流れてくる。

「テメェェェェェェ！人の彼に手ェ出してんじゃねぇ！」

呆然と立っていた年が男を蹴り飛ばした。

男は、気絶してしまった。それを確認した年は、に駆け寄る。

「おい」

「あはは、ごめん、ね、あ、月、君」

「しゃべるな！」

「え、るな、、ちゃんは、まもれ、るよね？」

「なあしやべらないでくれよ」

「わ、たし、ね、あなたに、會え、て、楽し、かった、んだよ。二人で、話したり、笑った、り、したのは、幸せな気持ちに、なった、ん、だ」

「俺も楽しかったんだ」

「えへへ〜、さ、いごに、聞くね」

「なんだ？」

「私の事、好きだった？いち、ども言ってくれなかったから、」

「ああ、大好きだ。だから死なないでくれよ」

「その答えで私は、幸せだよ。ありがとうね」

は、笑って目を瞑った。

「なあ、噓だよな、起きろよ！冗談きついぜ。なあおい！」

の目が開く事は、なかった。

「ひなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！！！」

ショッピングモールの中で流れる軽快な曲が年にとっては、騒音でしかなかった。