《強奪の勇者~奪って奪って最強です~》ラブコメから強奪?
「すまなかったな、いきなりあんなことをして」
エミリアは満足そうな笑みを浮かべながらそう言った。
俺も同じような笑みを浮かべながら告げる。
「構わないさ。それよりものは相談なんだが……」
「なんだ?私にできることならなんでも言ってくれ、なんせ君は私との戦いに勝ったのだからな」
「だったら遠慮なく言わせてもらうぞ?この街では犯罪者ってどうしてるんだ?」
「犯罪者か?そりゃあ牢獄にぶち込んでいるが……それがどうしたんだ?」
エミリアは心の底から分からないといったような表をしている。
「ああ、話してなかったな。俺だけステータスを見たってのもちょっと悪いし、エミリアに俺のステータスを見せてやるよ」
「いいのか?君これから冒険者になるのだろう?」
「ああ、俺がお前にステータスを見せるのはさっきの戦いで信頼できると思ったからだ。だから裏切ってくれるなよ?」
「ああ、心得た」
エミリアがそういったのを聞くと、俺はステータスを表示して、エミリアに見せた。
「おお!!すごいなアルティオム君のステータスは」
「まぁな」
「能力値だけで言えばそこらの龍にも匹敵する強さだぞ」
「そりゃ當たり前だよ、そのそこらにいる龍からステータスを強奪したもらったんだから」
「は?」
エミリアはポカーンとその口を開けた。
「おいおい、はしたないぞ。エミリア」
「ああ、すまない。君が何を言っているのか全く理解できなかったから」
「そんなに驚かなくて良いだろ」
俺はスキルの使い道をエミリアに話す。(本當はスキルではなく祝福ギフトなのだが)
「ああ、そう言うことか。要するに君は犯罪者どもからスキルを奪いたいということか」
「そういうことだな」
「であれば話は早い。近いうちに牢獄に立ちる許可を出そう」
「ありがとう、エミリア」
「構わんよ。それでは私はお暇させてもらおう」
「じゃあな」
俺は食堂から出るまでエミリアに手を振っていた。
そして俺は宿の部屋に戻るのだった。
部屋に戻るとエイミーはまだスウスウと気持ちのよさそうな寢息を立てていた。
「全くこいつは……」
俺はため息を一つつき、エイミーのしい銀髪をでる。
するとエイミーは擽ったそうにをよじらせ、その翡翠の目を開いた。
「悪い、起こしちまったか?」
「いえ、問題ないです。ご主人様」
エイミーは恥ずかしそうにその頬を染める。
「どうした?顔が赤いぞ?熱でもあるんじゃないか?」
「い、いえそんなことは」
エイミーの頬はさらに赤くなる。
俺は自分の額とエイミーの額を合わせた。
突如、ぼしゅぅと言う音とともに、エイミーがさらに赤くなる。
「きゅぅぅぅぅぅ」
エイミーが変な聲を上げて倒れてしまう。
「おい!エイミーしっかりしろ!!」
俺はとっさにエイミーを抱き止める。
この後、俺が一晩中エイミーを看病することになったのは容易に想像が出來るだろう。
チュンチュン
窓の外から小鳥のさえずりが聞こえる。
これが俗にいう朝チュンと言うやつかと思うが何かが違う。
これは朝にチュンチュン聞こえているだけだ。
「おはようございます、ご主人様」
「ああ、おはよう」
ベッドの方から天使のような聲が聞こえる。
「調はもういいのか?」
「はい。昨晩はご迷をおかけしてしまい申し訳ありません、ご主人様」
「いいって、いいって。そんな改まらなくっても。俺たちは奴隷と主人と言う関係の前に仲間なんだから」
俺はそういってエイミーの頭をでた。
同じ髪とは思えないようなり心地に思わず長い間で続けてしまった。
「あの、ご主人様」
「ああ、悪い」
俺がパッと頭から手を放すと一瞬エイミーが殘念そうな顔をしたような気がした。
「嫌だったか?」
「いえ、そんなことは」
ぐぅぅぅぅぅぅ
突如、可らしいおなかの蟲の聲が響いた。
ボッとエイミーの頭が赤く染まった。
「それより朝飯を食いに行くか」
「は、はい……申し訳ございません」
「いいからいいから」
俺はエイミーの手を取って食堂に向かった。
「モーニングセットを二つ」
「まいどー」
食堂にいたナイスガイが快く引きけてくれる。
「いいのですか?ご主人様と同じお食事など」
「ああ、寧ろ食事はみんなでとる、それがうちのルールだ」
俺がそういうのとほぼ同時に朝食がはこばれてくる。
「早いな」
「ああ、うちは安い早いうまいがモットーだからな」
モーニングセットは黒パンにミルク。何の卵かはわからないが目玉焼きがついていた。
俺は目玉焼きを口に運ぶ。
「うまいな」
「本當においしいですね。それはそうと今日は何かご予定がお有りですか?ご主人様」
「ああ、今日は冒険者ギルドに行くのとお前の裝備をそろえる。後は余裕があれば初依頼ってとこだな」
「そんないけません、ご主人様!!奴隷の私に裝備なんて」
「いいから、俺は裝備が要らないからその分をお前に回すだけだよ」
エイミーは納得がいかないとい表を浮かべてはいるが引き下がってくれる。
そうしているうちに二人とも朝食を食べ終わる。
「それじゃ、行くか!!」
俺たちは爽やかな朝の風を切りながら冒険者ギルドに向かうのだった。
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