《強奪の勇者~奪って奪って最強です~》テンプレから強奪!!

「よし!!行くか!!」

「はい!!」

俺は宿から一歩踏み出すと、そのままの流れでエイミーの方をふりかえる。

思いのほかエイミーとの距離が近くてどきっとしたのは緒である。

それはさておき、俺は重大な事実を口にする。

「なあエイミー」

「なんですか?ご主人様」

「冒険者ギルドの場所ってどこだかわかるか?」

「は?」

エイミーはポカーンと口を開けている。

まさに開いた口がふさがらないのだろう。

「冒険者ギルドは町の中心、ここから大通りに出てまっすぐ行けばありますよ」

「そうか、悪いな。俺、ここに來たばっかりでさ、常識とか知らないからさ、いろいろ教えてくれよな」

俺がそういうと、エイミーは最高の笑顔を浮かべて言うのだ。

「お任せください、ご主人様」

「頼んだぞ」

「それでは參りましょう」

エイミーが俺の手を引いて歩きだす。

「チッリア充死ねばいいのに」

「ああ、全くだ」

そんな聲が俺の耳に屆いた気がしたが、頭の片隅に追いやりエイミーの隣に並ぶのだった。

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十分ほど歩くとひと際目を引く建が俺たちの目に映った。

「ご主人様、これが冒険者ギルドです」

「うぉ、でかいな」

「はい、ここナロンの冒険者ギルドは迷宮ダンジョンがあることやギルドマスターがかの高名な吸姫エミリア様であることから王國でも五本の指にはいる大きさなのです」

「エミリアってそんなに有名なのか?」

「勿論です!!エミリア様と言えば一人で龍を討伐した、一人で三千の敵兵を皆殺しにしたなど逸話の數は料の手の指では足らないような凄腕Sランク冒険者です!!」

「へぇ~」

「子供のころはの子はエミリア様に、男の子はヒデオ様に自を投影して遊ぶものです」

「ふぅ〜ん、そのヒデオ様ってのは初代勇者の?」

「はい」

エミリアにそんな連中と同列に語られていたとは……

「まだまだお教えしたいことはありますが一旦はここまでです。さあ、行きますよ」

「ああ」

俺とエイミーは冒険者ギルドの扉を開けた。

中は思っていたよりも閑散としていて、付嬢が3人と掲示板の前に2人、隣接している居酒屋に4人の計9名しかない。

「思っていたよりもないな」

「ええ、冒険者はもっと早くに起きて依頼に行きますし、帰ってくるのも日暮れギリギリですからね」

「そうなのか。まあいいや、さっさと登録してしまおう」

俺たちは1番手前の付嬢の前にいく。

ゆるふわなじの付嬢だ。

「こんにちは、冒険者登録をしに來たんですけど……」

「はい、わかりました。ここに必要事項を書き込んでください」

付嬢に2人分の用紙を渡された。

文字が書けるのだろうか?と思っていたがそこは都合主義で書くことができた。

名前、年齢まではサラサラとかけたが、得意武、職業は何にするかと悩んでしまった。

エイミーの方に目をやると、もう書き終わっているようだ。

「どうしたのですか?ご主人様」

「いや、得意武とか職業とかどうしようかな〜と思ってさ」

「そうですね……私であれば狙撃手、弓なのですが……ご主人様の戦闘スタイルを見ない限りなんとも」

なるほど……そんなじでいいのか。

俺は龍闘士、拳と書き込む。

「できました」

「はい、アルティオムさんとエイミーさんですね。々お待ちください、ギルドカードを作ってまいりますので」

しばらくして、付嬢と一緒にエミリアがやってくる。

「久しぶりだな、アルティオム!!」

「ああ、エミリア。とはいえ1日ぶりだけどな」

「エ、エミリア様!!?」

エイミーが大きく目を見開く。

「初めましてだな、エイミー」

「は、はぃ」

エイミーは憧れのエミリアに會えたからか完全に萎してしまう。

「そんな改まらなくてもいいぞ、エイミー」

「し、しかし!」

「ああ、そんなに改まってくれなくて大丈夫だよ、エイミー」

「わ、わかりました」

「それにしてもアルティオム、龍闘士とはまた面白い職だな!!」

「でも俺にぴったりだろ?」

「あはははは、違いない」

「それで?わざわざ出てきたってことはなんか用事があるんだろ?」

「ああそうだったな、君は飛び級でCランクからスタートだろ?」

「ああ、そうだけど」

「だからついでにエイミーもCランクからスタートさせてあげようかと思ってね」

「そうだったのか、どうする?エイミー」

「えっと、Cランクからスタートさせていただけるならお願いしたいですけど……」

「わかった、これで今日から君達はCランクだ」

そう言ってエミリアは黃のギルドカードを俺に手渡した。

「ありがとう」

「なんてことないさ、それじゃ頑張ってね」

俺たちはエミリアと付嬢に手を振られながら冒険者ギルドを後にした。

「それじゃ、お前の防を買いに行こうか」

「本當にいいのですか?ご主人様」

「ああ、構わないさ」

ドンッ

俺たちが話しながら歩いていると、不意に後ろから強い衝撃をけた。

「さっさと歩けよ小僧!!」

「すまなかったな」

「なんだ小僧、それが人に謝る態度か?コラァ」

後ろからぶつかってきたくせに何を抜かしているのだろうか?

「お!でもいい連れてるじゃねぇか」

「ああ、俺の自慢の仲間だな」

「そいつを俺に寄越しな、可がってやるからよぉ」

男はなめまわすような視線をエイミーに送り、下卑た笑みを浮かべる。

男はそのままエイミーの腕をつかもうとする。

「おい、その汚い手でエイミーにれてんじゃねぇよ、下種が!!」

自分でもびっくりするような底冷えする聲が響く。

男も放たれた殺気に怖気付く。

「お、おまえいいのか?このDランクの俺に喧嘩なんか売って」

「ふっ、お前Dランクだったのか?俺より低いじゃねぇか」

恥ずかしくなったのか頭にきたの変わらないが、顔を真っ赤に染めて俺に毆りかかってくる。

「調子乗ってんじゃねぇぞ小僧!!!」

その拳はハエが止まりそうなほど遅い拳だった。

俺は見せしめも兼ねて、首から下を龍化させる。

「そんなたらくとは……よく喧嘩売れたな、その神力だけは褒めてやるよ」

男の鼻の頭に拳を振り抜く。

ベキッと何かが折れたがする。

男が気絶したのを確認すると、男を鑑定する。

名前 フラグ・テンプレート  年齢 23

HP 500

MP 500

ATC 500

DEF 500

AGL  500

《スキル 》

 火魔法 回復魔法 

名前!!名前が可哀想すぎる……

しかし、同の余地はない!!スキルを強奪しこの場を後にする。

「ご、ご主人様だいじょうぶなのですか?」

「いいか?エイミーよ、バレなきゃそれは犯罪じゃない。最低、キュテリアに助けてもらう」

「ご主人様、そんな方とも知り合いなのですか?」

「ああ、まあいい、行くぞ!」

俺とエイミーはダッシュで逃げ去って行くのだった。

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