《強奪の勇者~奪って奪って最強です~》ドワーフから強奪!!
「はぁ、はぁ、ご主人様、待ってくださいよー」
「悪い、飛ばしすぎたな」
俺は立ち止まって息を切らせているエイミーの背中をさすってやる。
「すいません、お手を煩わせてしまって」
「いいって、今回は全面的に俺が悪いからな」
俺はふと顔を上げ、辺りを見渡す。
そして、一つの大きな疑問を口にした。
「なぁ、エイミー?ここってどこだ?」
「は?」
「まさかとは思いますがご主人様、ここがどこかわからないまま走って逃げていたのですか?」
「ああ、そういうことになるな」
「ああ、そういうことになるなではありません!!」
「ごめんなさい」
俺はさっと頭を下げる。
昔誰かに夫婦円満の訣は悪いことをしたらすぐに謝ることと聞いたことがある気がする。
「わかっていただければいいのですが、今度からはこんなことしないでくださいね?」
エイミーが俺の目をまっすぐに見ながら上目遣い・・・・で俺に告げる。
その破壊力はこの世界にあるどんな魔法や武よりも高い気がした。
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「わかったよ、今度からはちゃんとエイミーに確認してからにする」
「確かにお聞きしました。その言葉忘れたら承知いたしませんよ」
エイミーはそう言っていたずらっ子のような笑顔を作った。
俺もつられて破顔する。
ひとしきり笑いあった後に2人で歩き出したのだった。
「ご主人様、ここは冒険者ギルドから見て左側の通りににある武屋街通の裏路地ですね」
「ありがとうエイミー。にしてもエイミーはすごいな、今どこにいるか一瞬でわかるなんて」
俺がその言葉を言い終えると、エイミーは頬を赤くして、俯いてしまった。
調が悪いのだろか?
「ま、ま、まぁ當然です。そ、それよりも早く通りでて武を買いに行きましょう!!」
「あ、ああわかった、行こうか」
エイミーの勢いに気押されるようにして俺たちは裏路地を後にした。
しり組んだ道を抜けると、すぐに賑わった大通りに出た。
「おお!すごい人だかりだな」
「はい、ここの通りにはナロンにある全ての武屋防屋が集まっていますからね。ほぼ一日中冒険者で溢れかえっているのです」
「へー」
俺はエイミーの話を聞きながら辺りを見回してみる。
確かに鍛えられた冒険者のような風貌の人がそこかしこに見けられた。
「お!にいちゃん新りかい?だったらうちの防を買って行きな!!」
俺が辺りを見回していると店頭に立っていたオヤジさんから聲をかけられた。
「それじゃちょっと見させてもらっていいですか?」
「ああ、もちろんさ」
オヤジさんは人の良さそうな笑みを浮かべると俺たちを店の中に案した。
「師匠ー、お客さんだよー」
「うっせぇな!!店ん中でそんな大聲出すんじゃねぇよ!!」
オヤジさんよりもさらに大きな聲で怒鳴りながら店の奧から師匠と呼ばれた人が出てくる。
「あぁ?あんたが客か?俺は自分が認めたやつにしか防は売らんし店にもれんぞ?」
奧から姿を現したのは立派なヒゲを蓄えたナイスガイなおじいちゃんであった。言を見るに相當プライドの高い格をしているらしい。しかし、ここまでいうということは相當いい防をつくってくれるのだろう。
「そうですか、でも認められたら問題はないんでしょう?」
「ああ、確かにそうだ。しかし面白い奴だな、ここにきてそんなことを言ったのはレジーナな以來初めてだな」
俺はナイスガイおじいちゃんに鑑定を使用した。
レジーナという人名に引っかかったからだ。
名前 ギムル・アーヴァヘイム                      年齢  65  
 
HP 5000
MP 100
ATC 4000
DEF 4000
AGL 500
《スキル》
鍛治 槌 斧
見たじのステータスはなかなか強い。
dランクとか粋っていたフラグよりも全てが高い。強いていうならMPとAGLが低いのが難點だろうか。
「すいません、今おっしゃったレジーナとは大剣聖レジーナ・プラカント様ですか?」
「ああ、その通り!!大剣聖レジーナさ!!まさかあの小娘がそんなに偉くなるとは思わなんだけどな」
どうやら大剣聖の武を作ったらしい。
「師匠?でいいですか?」
「俺のことはギムルと呼んでくれ、別に俺はお前の師匠じゃない」
「それもそうですね、じゃぁギムルさん。どうしたら俺を認めてくれますか?」
「そうだな……」
ギムルはヒゲをりながら考えるような仕草をしている。
そしてふっと思いついたように俺の方を向いた。
「俺が決めた素材を持ってきてもらおうか。お前は見たじ武闘派で実力もある。後ろの嬢ちゃんも狙撃手としてなかなかの腕前だ。どうやら魔法も使えそうだしな」
俺とエイミーは大きく目を見開き、疑問を全面に押し出したような表をする。
「はっはっは、なんでわかったかって顔してるな。こういう仕事してるとなつきとか見るだけで戦い方とか武とか魔法が使えるかとかわかるよになんだよ」
「「すごいな(ですね)」」
俺たちが素直にそう口にすると、ギムルはガシガシと照れたように頭を書いた。
「それで?何を持ってくればいいんですか?」
「ああ、そうだったな。迷宮ダンジョン第6階層ボス、オーガ・ロードの素材だ」
「オーガ・ロード?」
俺は頭の上に盛大にハテナマークを浮かべる。
「ご主人様、オーガ・ロードとはオーガの上位種で10から30ほどのオーガを引き連れて指揮をとりながら戦うのが特徴です。個の能力はオーガの倍ほどにもなると言われています」
「へぇ〜」
「城ちゃん詳しいな。そこまで知ってるならなんとかなるだろ。期限は今日から7日、それを過ぎたら防は作らないし、店も一切認めない、いいか?」
「「はい」」
「よし、それじゃ言ってこい!!」
「頑張ってねー」
俺とエイミーはギムルの聲とオヤジさんの応援を背中に浴びながら店を後にした。
「そんじゃいっちょやりますか!!」
俺は大きな聲で気合をれた。
「お母さん、変なお兄ちゃんがいるよ〜」
「こら!!見ちゃいけません」
小さな子供が俺を指差している。
他にもカップルの冒険者やスキンヘッドなど様々な人間が俺に視線を向けている。
橫を見るとエイミーが他人のふりをしていた。
もちろん俺は恥から赤面した。
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