《強奪の勇者~奪って奪って最強です~》ドワーフから強奪!!⑤
エイミーが今まで重く閉ざされていた口を開く。
「ご主人様、今すぐここを出て助けを呼んできてください」
「は?」
俺は一瞬エイミーが何をいっているのか理解ができなかった。
しかし、それをなんとか理解すると、大きな聲で反論した。
「だめだ!!」
「駄目なわけないでしょう!!ご主人様はこの中で一番足が早い。しかも、その怪我ではもう戦えない」
「それはそうだが……」
エイミーの言うことは全てが正論で、俺は何も反論できない。
「それに、心配ならすぐに助けを呼んで帰ってきてくれればいいじゃないですか」
エイミーは母親が我が子を見るような優しげな瞳で俺をたしなめるようにそういった。
「わかった。すぐに戻る!!それまで絶対に死ぬなよ!!」
俺はそう言い殘すと音速を超えて走り出す。
「さて、いってしまいましたね……」
エイミーのそのつぶやきは側にいたキュテリアに屆くこともなくドラゴンの方向の中に消えていった。
《エイミーside》
弦を限界まで引き絞ってドラゴンの瞳めがけて放つ。
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しかしそれはドラゴンの素早いのこなしと野生的な勘によって躱されてしまう。
私の持つ弓、星弓・サジタリアスは魔力を不可視の矢として放つことができる。
「全く、これじゃジリ貧ですね」
「そうだね!!」
キュテリアが苦しそうな顔でこちらを向く。
どうやら魔力をギリギリまで消費しているらしい。
それを見てドラゴンは強靭な尾を橫薙ぎに振るう。
私はキュテリアを抱きかかえ、すんでのところでそれを躱す。
直後ドラゴンはその口を大きく開き、魔力を収束させる。
これはまずい!!
私はそう思い、大きく後ろに飛びのく。
しかし、そこには運悪く大きな石が転がっていた。
「しまっ」
「エイミー!!」
私は勢を崩し餅をついてしまう。
そんな私を嘲笑うようにブレスを放つ。
キュテリアが風の防壁を作り出す。しかしこれもあのブレスの前には無意味だろう。
私はここで死ぬんだ。
そう思うと同時にキュテリアを巻き込んでしまったことを後悔した。
そんな後悔の中私はあの日のことを思い出していた。
あれは確かスライムが溶けてしまいそうなほど暑い暑い夏の日のことだった。
私と弟のギミー、そして馴染のライデンはエルフの里で有名な悪戯トリオ。
今日はどんな悪戯をしてやろうかとみんなで知恵を出しあっていたような気がする。
そんな時私は言ったのだ。言ってしまった。
「今日は龍の森に行って見ない?」
「龍ってあの赤竜がいるっていうあの龍か?」
「そうよ。それでそこにきた大人を驚かすの。どう?面白そうじゃない?」
「「いいね(じゃねえか)」」
そうと決まると私たちは大急ぎで龍の森に向かった。
そしてあの悲劇が起きたのだ。
私たちはおんなじところに3人いても効率が悪いからと行って別れて待機していた。
やつは現れた。赤いの悪魔は。
「うわぁぁぁ、赤龍だぁ!!」
どこかでそんな聲が聞こえた。
きっとこの聲はギミーだ。
私は、考えるよりも早く走り出した。サジタリアスを持って。
「ギミー!!」
ライデンの聲が聞こえる。
そして、木が折れる音。
どうやら戦しているらしい。
私は早く早くとその足を限界まで回した。
見えた!!
「ギミーを離しなさい!!」
サジタリアスから不可視の矢が放たれる。
それは赤龍の瞼をかすめ、一瞬の隙を作り出す。
そこに
「雷よ、俺に力を貸してくれ!!電雷雨ボルテクス・レイ!!」
「不可視の矢嵐インビジブル・レイ」
私とライデンの最大火力の大技が発する。
GYAOOOOO
赤龍は苦しそうなき聲をあげて、ギミーから離れる。
即座にライデンがギミーを抱える。
「大丈夫!?ギミー」
「うん、大丈夫だよ。姉ちゃん。それより姉ちゃんとライデンも準備をして」
「「なんの?」」
「さっきの大技のだよ」
そういうとギミーは両手を突き出した。
私たちも慌てて準備をする。
「風よ、火よ、僕に力を貸して!!煉獄風嵐ボルケーノタイフーン!!」
「雷よ、俺に力を貸してくれ!!電雷雨ボルテクス・レイ!!」
「不可視の矢嵐インビジブル・レイ!」
火の嵐が、雷の雨が、不可視の矢の嵐が赤龍を襲った。
自分たちの最大化力の攻撃が當たって私たちは油斷していた。
「やったか?」
「やめなさいよライデン、そういう時は大やってないんだから」
「姉ちゃん危ない!!」
ドンっと強い衝撃が私を襲った。
そしてそこを赤龍の放ったブレスが通り過ぎて行った。ギミーを巻き添えに。
「ギミー!!」
私はギミーの元に駆け寄る。
「あっぶねぇ!!」
今度はライデンにブレスが降り注ぐ。私の代わりに。
「ライデン!!」
「い、いか…らにっげろ」
「でもっ!!」
「で、もも…へった、くれも……あるか…」
私は駆け出した。ライデンに言われたのもあるが単純に嫌だったのだ。仲間の死を認めるが。
そんな私を赤龍は追いかける。おそらく、相當頭にきているのだろう。
「あっ」
私の聲が頭に虛ろに響く。
赤龍に右腕を食いちぎられたのだ。
しかし不思議と痛くはなかった。ジンジンと熱くはなるが痛みはじない。
はぁ、私死ぬんだ
そのをすんなりけれることができた。
そう思ってから先のことは覚えていない。気がついたら奴隷になっていた。
「エイミー!!」
キュテリアに肩を激しく揺すられて我に帰る。
ブレスはドラゴンの口から放たれ、目前に迫っていた。
ああ、ごめんなさいご主人様。私は約束を守れそうにありません。
ブレスを前に最のご主人様に謝罪をする。
ポロポロと私の瞳から涙が流れる。
「エイミー!!」
巨大な魔力の壁がブレスを阻む。
そして姿を現したのだ、私の心を強奪うばった人が。
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