《強奪の勇者~奪って奪って最強です~》ドワーフから強奪!!⑨

俺はあの後キュテリアに同行の許可を得たことを報告。軽く雑談をした後、領主邸を4人で後にした。

そして今は鍛冶屋を営むドワーフ、ギムル・アーヴァヘイムの元へと向かっていた。

「ねぇ、アルくん」

「なんだ?」

キュレリアが俺の袖を軽く引っ張ってきたので振り返る。

「アルくんの言ってるドワーフの鍛冶屋ってもしかしてギムルって人がやってるとこ?」

「ああ、そうだけど。よくわかったな」

「當たり前だよ!この辺り、というよりこの街でドワーフの鍛冶屋と言ったらそこしかないもの」

「そうなのか」

俺とエイミーが話していると、ムスッとした表でシュリンが俺の腕に抱きついてきた。

「キュテリアと話しすぎ〜。ちょっとは私やエイミーにも構ってよ!」

さん人を侍らせている上にこんなことをされていると周囲からの視線が痛い。主に男の。

「わかった、わかったから離れてくれ!」

「ぶぅ〜」

俺が無理やりシュリンを引き離すと、若干機嫌が悪くなったものの引き下がってくれた。

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「ふふ、ご主人様が私を買った時とは比べにならないくらい賑やかになりましたね」

「だな」

俺はそう言いながらこの世界にきたときのことを思い出していた。

シュリンからなんか祝福ギフトをもらってドラゴン倒してキュテリアを助けて。ナロンまで送ってオーク倒して、領主様に々もらって。エイミーを買って、エミリアと戦って、冒険者になって、フラグボコって、迷宮ダンジョンに潛って、ドラゴン倒して。

あれ?なんか戦ってばっかな気がするけど……まあいいや、ここまで楽しかったし、仲間もできたし。

なんかっぽい雰囲気になっていた俺だが、聞き覚えのある怒聲でその雰囲気が全て吹っ飛んでしまった。

「さっさと出て行きやがれこの三下がぁ!!」

「なんだと言わせておけばこのジジイ!!調子乗ってんじゃねぇぞ!!」

ギムルである。おそらくギムルの出すお題に応えることができなくて追い出されそうになっているのだろう。

しかし、もう1人の聲にも聞き覚えがある。

その聲の主を見て」、俺とエイミーは苦笑を浮かべることしかできなかった。

なんせその聲の主はフラグだったのだから。

俺が知らない人のふりを結構しようとしていると

「ちょ、ちょ、ちょっと2人とも落ち著いて。あっ、アルティオムさん!!助けて!!」

苦労人のオヤジさんが俺の存在に気がつき、俺に助けを求める。

「「なに!!」」

俺の名前に反応してか2人が走った目で俺の方を見る。

うん、昔の俺だったららしてても仕方がないな。

「おお、大変じゃったようだな!!」

「ああ、ほんと大変だったよ」

ギムルはフラグを投げ飛ばすと、俺の方に駆け寄ってきた。

「まあいいわ!!立ち話もなんだし、中にれ!!嬢ちゃんたちも」

そういうとギムルは俺たちを店の中に案した。

俺はその後ギムルに質問攻めをされ、迷宮ダンジョンで起きたことを洗いざらい話した。

「ははは、そりゃあ災難だったなぁ!!」

「まあ、そうですね。それにギムルさんに出されたオーガ・ロードの素材は手にらなかったですし」

「気にするこたぁねぇよ、嬢ちゃんたちの裝備は責任もって作ってやるからよ」

「ほんとですか!!」

「ああ、ほんともほんとさ。ドラゴンから助けるために命投げ出すとか漢じゃなきゃできねぇことだ」

「はぁ」

「その漢っぷりに免じて裝備を作ってやろうってわけよ」

「なんか、ありがとうございます」

「いいってことよ、それよりさっさと作り始めてぇし、嬢ちゃん達採寸するからこっちきくれ」

ギムルが自稱俺ハーレムのメンバーを連れて作業室に消えていく。

「にしてもほんと大変でしたね」

「ええ、まあ死ぬかと思いましたよ」

俺とオヤジさんがそんな會話をしていると、バターンと店の扉が開けられた。

俺とオヤジさんが扉を開けた主に視線を注ぐ。

そこに立っていたのは、切れ長の目、眩いほどの金髪を所謂縦ロールと呼ばれる髪型にまとめたである。のことにあえてれなかったのは、それを考えることを許さない雰囲気、というか鬼の視線が俺に注がれていたからである。

「ギムルのおじさまはここにいらっしゃって?」

「ええ、いますよ。ただいまは採寸のために作業室に行ってっますけど」

「そう。珍しいですわね、ここにお客がいるなんて」

「ははは」

オヤジさんは苦笑いを浮かべている。

にしてもこの金髪縦ロールの令嬢系は誰だろう?

俺がそんなことを思っていると、ギムルが作業室から出てきた。

「おじさま!!」

「おお、レジーナか!!」

金髪縦ロールの令嬢系、レジーナはギムルに駆け寄る。

「お元気そうで何よりですわ!」

「そりゃ元気に決まっとるわ!!それでお主がここにきたってことはアレの調整か?」

「そうですわ、アレの調整でここにきましたの」

「そうか、それじゃちょっと見せてみぃ」

「わかりましたわ。おいでになって、不滅の聖剣・デュランダル!!」

レジーナおそらく神の名前を唱えると、あたりに眩い閃と、風が吹き荒れた。

その輝きは俺の神の比ではなく、とてつもない実力者であることがうかがえる。

俺は、レジーナのステーテスを覗いた。

名前:レジーナ・プラカント                    年齢:25

HP 50000/50000

MP 2000/2000

ATC 5000

DEF 2000

AGL 7000

《スキル》

剣聖 聖魔法 火魔法 風魔法 

強化・極

《稱號》

大剣聖 行き遅れ縦ロール 人族最強の

やはりこの人が大剣聖、レジーナ・プラカントか……

ステータスだけどいえば勝っているが、経験を加味すれば勝機はほぼないと思っていいだろう。

それにしても新しい項目が出てきたな……なんだこの行き遅れ縦ロールって。

俺がそんなことを思っていると、恐ろしい殺気をじる。

殺気を辿るとそこには、大剣聖がしい微笑みを浮かべていた。しかしその瞳はかけらも笑っていない。

は皆、笑顔のままで人を威圧するスキルでも持っているのだろうか?

「あららぁ?今何か失禮なことを考えられた気がいたしたのだけれど」

「何を言っとるんじゃお主」

ギムルはないをばかなことを言っているのかと言った表でレジーナを見ているが、俺は行きた心地がしなかった。

「それよりさっさと始めるぞ」

「わかりましたわ」

レジーナは神、デュランダルを収めると、ギムルに背中を向けた。

ギムルはそのまま瞳を閉じて、なにかを探るようにしている。

そして、目を開くと、マッサージを始めた。

「あっ……、んっ、んん!!あぁ、いい、いいですわぁ」

「変な聲を出すでないわ。集中しとんじゃから」

「だってぇ」

そしてまた、レジーナの口から聲がれる。

オヤジさんが、なぜか前かがみになっているが俺はなにも見なかったこととする。

「はぁ、はぁ、はぁ、ありがとうですわ、おじさま」

「なんてことないわ。また、調子が悪くなったら來るんじゃぞ」

「わかっていますわ。あと一ヶ月くらいは此処に胃いる予定ですから時々顔を出しますわ」

そういうと、レジーナは俺のそばをスッと通り抜ける。

その時俺にしか聞こえない小さな聲で

「深夜、冒険者ギルドの前で待ってますわ。お話があります」

そう言って、店を後にした。

これが、將來の強奪の勇者と大剣聖の出會いであった。

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