《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》手違い
今日は待ちに待った異世界人召喚の日だ。正直一週間前からワクワクとドキドキが止まらなさすぎて吐いたんだけど部下曰く、
「インフルエンザですね、休んでて下さい。召喚は私が代わりに引き継ぎますので」
とか言われた。
バカじゃねぇの!? 僕が一何年待ったと思ってんだ! このご時世、むやみやたらな召喚を他の神がやり過ぎたせいで神聖法が改善されて予約制になったんだぞ! それをインフルごときで休む僕では無いわ!
「待って、これだけ! ホントにこれだけはやらせて! お願いだからさぁ!」
上司の僕が部下にすがり付く。
けないことこの上無いよ。でもな、背に腹は変えられんのだ! 意地でも僕が召喚をする!
「はぁ……分かりましたよ。分かりましたから、その鼻水だらけの顔で近づかないで下さいよ。汚ねぇな」
「急にタメ口!? 僕上司なんですけど!」
「だから何だって言うんですか。仕事サボってないで働いてからそんな臺詞吐いてくださいよ」
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「なんも言えねぇ!」
良いじゃないか、神だって忙しいんだぞ。し位息抜きしたってバチは當たんないよ! そもそも僕が當てる方だからね!
「取り敢えず早く済ませましょう。仕事が殘ってます」
「分かったよ、全く、君は面白味がないよねぇ」
部下に愚癡りながら僕は部屋の中央にある裝置の前に移する。
この裝置はどこの世界から召喚するかを決め、召喚地域、範囲などを決定し転送を開始する裝置だ。
「ふっふーん、実は何年も前から目をつけてた子がいるんだ、彼ならきっと上手くやってくれるよ」
「そんなこと言ってましたね。確か『地球』と呼ばれる星のどこでしたっけ……アメリカ? のプログラマーとか言う職業の人間ですよね」
「そう! 彼ってばかなり頭が良いからあそこの管理向いてると思うんだよね! 僕ってば天才!」
えーと、アメリカアメリカ……有った、あと居た。
この子は確かかなり小さいときに天才ハッカーとして名乗りを上げてそこから何故か普通の會社に行った変わった子だけど問題なし! 重要なのはそれが活かせることだからね!
さて、ドキドキワクワクの召喚タイムだ! 行くぜ!
「ぶえぇっくしょおおおい!」
「あ」
「え?」
あれ、今僕が指してるとこ違くね? これ、日本じゃね? ま、まさかくしゃみのせいで間違えた?
「あ、あはははは……」
「召喚功ですね。おめでとうございます」
手をパチパチとたたく部下。
落ち著いて天井を見る。そして目を閉じて考えてみよう。僕が押したのはアメリカの彼じゃなく日本の良く分かんない奴。つまり、間違えた訳だね、うん……。
「クソッタレェェェェェェ!!!」
僕の聲は遠くまで響いていった。
◇
「あー、母さんってば、これ本當に夕飯の材料なのか? おかしくね?」
俺は近所のスーパーから出てきて、買い中ずっと疑問に思っていたが結局買った買いの中を見ていた。
長ネギ、くさや、煮豆、レーズン、大豆、イチゴミルクetc……いや豆類多いな! いや、イチゴミルクは流石に料理になんて使わないよね母さん? え? 噓、怖くなってきた。
よし、今日の夕飯は食べないことにしよう。これは何かの間違いだと信じたいが萬が一この食材が全部使われている様なら俺死んじゃうからな。
今日は帰ったらすぐに寢よう。死因が母の手料理とか笑えない。いや死なないにしても腹は壊すことは間違いない。
ならば一食位抜く方がマシだろう、そうしよう。
「おい、なんだあれ?」
「え? なんか落ちてきてない?」
「こっちにむかってくるぞ!」
なんだか周りが騒がしいな。他の客に迷でしょうが!
騒がしい方向を見たと同時に俺の頭に衝撃がる。
「あだっ!?」
あまりの衝撃に倒れそうになる。
あ、これ気絶する奴だわ。つーか、何が當たったんだ……?
ガランと音をたてて俺と共に地面に落ちたはなんと。
──金だらいだった。
「な、んでそんな、漫畫みたいな……」
そっから先は全く覚えてない。
◇
「ん? あー、ここはどこだ」
目が覚めた俺は辺りを見回す。こう見えても寢起きは良いんだよな。唯一の弱點は二度寢が出來ない質である。
かなりの健康だ。
今、俺の視界に寫っているのは先程居たスーパーの駐車場等ではない。なんかこう、若干薄暗いかなり広い広場の様な場所にいる。
あ、荷はある。良かった、中も無事だ。
「しかしここはどこだよ、あと、あれ何だ?」
し離れたところには……クリスタル? バスケットボール位の塊が浮いている。綺麗だな、これずっと見てられるわ。
っと、いかんいかん、そんな事より現狀把握をだ。確かタライが落ちてきて、そっからはさっぱりだな。
拐でもされたか? いや、俺を拐しても意味ないな、金はないし、何より意味がないよな、こんな普通の男。
「取り敢えず、見晴らしは良いから歩くことはしなくて良いか、クリスタルの方に行ってみよ」
うん、どんな原理で浮いてるのやら。
れてみる。冷たいのかと思ったら逆で、仄かに暖かいなこれ、いいじに眠くなるな。
『あー、あー! 聞こえるかい?』
「は?」
どこからか聲が聞こえるぞ、愉快犯っぽいな。
『よし、聞こえるようだね。じゃあ、早速本題にるよ。自己紹介からだね、僕は神。ごめんね、手違いで君を召喚しちゃった……テヘッ』
……ちょっと良くわからなかった。
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