《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》外に出ようよ

サイゾウに冒険者の監視を頼んで2日経った。まぁ、死なない様に、無理はしないように頼んだので無茶はしないだろう。

まぁ、特訓で鍛えてるだろうし、そう簡単に捕まるとは思えないけどね。

「にしても、ダメだったか……魔力とかの問題じゃなかった訳だ」

「殘念だったねー」

そう、俺達はダンジョンの森の魔化を行おうとした。砂漠の緑化みたいなニュアンスだな。それはさておき、実はこれが出來なかったんだよな。再現したものはダンジョンの1部扱いでラビィと言うダンジョンの魔がいるのでもう既に実行済みみたいなじになっている。

つまりこれ以上の魔化は不可能と言うことだ。まぁ、魔を魔化するとか良くわからないしそう言うことだろう。

「どうしよう、階層を増やすか? いや、でも設置とかにDPを使うとなると今の狀態じゃ心許ない気がする」

迷いどころだな。今は2萬ちょっとのDPが有るが贅沢に使えるわけでもない。これはもしも冒険者等が來たときの為の保険金的なだ。易々と扱える代じゃない。

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それにそもそも冒険者を呼び込むつもりもない。俺は死にたくないからね、必要最低限のDPで隠居するのだ。期待もされてはいないんだ、気楽に生きるさ。外? バカ言え、死ぬだろうが、俺は臆病なんだよ。

でも、もし偶々偶然アホみたいに強い冒険者とか來たら3層しかないこのダンジョンは直ぐに終わりそうだな……おまけに3層目って何も無いんだよね、まだ考えが纏まってない。ほら、冒険者來ちゃったじゃん、考える時間とか無かった訳だよ。

「ねぇ、クロト。外に出ないの?」

「バカだな、俺は強くないんだぜ? 死んじゃうって。ムリムリ、やだ」

「でもさ、ダンジョン外の森なら【魔化】使えるんじゃない?」

やだ、何この子、頭良くない? いや、俺も考えてはいたよ、でもさ、考えてみな、もし魔化した森の木が俺に友好的とは限らない訳ですよ。俺が心配してるのはそこ、木の枝で毆られた日にはその日が命日。ゲームオーバーですから。

「初の【魔化】を試してラビィが友好的だったから良かったけど全部がそうは行かないんだよ。多分だけどね」

「そう言う事ね、ごめんね。勝手なこと言って……」

シュン……とガッカリしてチビチビと本日3パック目のイチゴミルクを飲むラビィ。おい、どれだけ飲めば気が済むんだ、DP使ってるからねそれ、ガンガン減ってるからね!?

「待て待て、そう言う言い方はなんか俺が悪いじになっちゃうじゃないか悪いことしてないのに罪悪にいっぱいだよ。止めてあげて!」

とまあ、外に出ない理由は有るわけですよ。ただ面倒だし、怖いしとか、そんな子供みたいな理由じゃ無いぞ。

ユキムラ達は現在進行形で訓練中らしいし、ホントに俺って存在してる意味有るのかなぁ……なんて考えていると。

「主ぃ! 外に參りましょう!」

「卻下でーす」

「なんと! 即答ですか!」

ガーンと音のなりそうな雰囲気でユキムラが話かけてくる。さっきと同じ説明しなきゃ駄目かね?

取り敢えずユキムラにラビィに説明したことを話し、面倒、怖いは伏せておいた。あと、俺が弱いからとか言ったら見限られるか若しくは訓練に付き合わされるかになりそうなのではぐらかす。

「なるほど、確かに危険ではありますな。しかし! 見聞を広めることも大事ですぞ、某が護衛を勤めますが故にご安心なされ! では、參りましょうぞ」

「やっべ、コイツ話聞いてねぇわ」

ユキムラは俺のを包み込みダンジョンのり口へと引きずる。ちくしょう! きがとれねぇ!

「落ち著けユキムラ! ダンジョンマスターは外に出られない可能が有るだろ?」

「ははは、主は特別ですぞ! そんな程度へっちゃらへっちゃら」

この野郎! 俺を過大評価するんじゃない! ……駄目だな、コイツ止まる気ねぇわ。大人しくしよう。

「わかった! わかったから、自分で歩くから! でもあんまり遠くには行かないぞ! 日も暮れるからね!」

「承知ですぞ!」

ユキムラにつついでにを綺麗にしてもらい。ダンジョンの外へと一歩を踏み出す!……踏み、出す。

「主? 行かないのですかな?」

「急に気分が……」

「それは大変ですな! サスケからの報ですとこの森には薬草が有るようですぞ! 採りに參りましょう! ささ、早く!」

くそったれ! 逃げ道がねぇな! ユキムラはポヨンポヨンなを俺に押し付けながら進むように促してくる。ここは観念して行くしかないよね。

「あ、クロト。私も行くよ!」

「あ、バカ! 急に押すぬぁっ!」

ラビィが元気良く俺に當たりをしてくる。それによって得られる結果としては……勿論、転ぶ事だな。

「ブヘッ!」

「主ぃ!」

「クロト!」

いや、心配そうに見てるけど君らのせいだから! でもマジな顔で心配してるので責めることは出來ない。ユキムラ顔ないけどな。

「いや、大丈夫。顔撃っただけだし、それよりもたもたしないで行こうぜ」

「もたもたしてたのはクロトじゃん」

図星だ。何も言えない。

俺はため息を吐いて、さっさとダンジョンの外に出た。そこに広がる景はまさにダンジョンの中の森そので面白味もへったくれもない。

「普通だね」

「ダンジョンにも有るからな。このまんまの森が」

「違うところと言えば魔がいるところでしょうな! それ、向こう側に変な奴がおりますぞ」

変な奴? と言うか早速見つけたんかお前さん。

ユキムラがでアピールしているところを見ると、茂みの方から1匹の魔が出てくる。

「……ゴブリンだな。定番っちゃあ定番」

「流石は主。この程度では揺もしませんな。それに博識とは、某の主への尊敬度は天井知らずですぞ!」

止めて、そう言うの止めて。天井は知っておいてくれ、そもそも尊敬度と言うシステムは捨ててくれ。

なんて思っていると向こうも此方に気付いた様で。

「グジャアラッビャガァ!」

等と言って涎を撒き散らしながら手にしている剣らしきものを振り回している。簡単に言うと、防衛手段のない俺はピンチです。

去らば、俺のダンジョンマスター生活!

「ほっ!」

「グジョッ!?」

俺に迫るその前にゴブリンはユキムラの當たりにより吹き飛び木にぶつかった後、かなくなった。

「今の、ユキムラがだよね?」

「そうですぞ? 余計でしたか! 申し訳ありません!」

「いやいや、ありがとう」

え、ユキムラ強くね?

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