《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》し変
怪異! まさかゴブリンも喋る! を見てしまった俺は一応は驚いている。それはもう驚き通り越して無表になるくらいには驚いている。
いや、まぁ正確にはホブゴブリンなんだけどさ。
「えぇー、お前も喋るの? なんで言葉が通じるんだよ殺せないじゃないか」
「主、某なら通じても殺せますぞ! 実行しましょう!」
「うん、やめて上げて。めっちゃビビってるから」
ホブゴブリンは口元に手を當てて「ひいぃ」とか言ってる。
筋骨隆々な奴がやると気持ち悪いな、シュールだぞそれ、現実で見ることになるとは思わなかったな。
「んで、喋るのは分かった。でもこれも生存競爭だし、世の中弱強食だと思うわけだよ。君を行かしておいて何か都合が良いことでも起こるんですかね?」
ぶっちゃけ、怖いし。絶対膝笑ってるぜ、その分顔は笑ってない。するとホブゴブリン、膝をついたと思えばんでくる。
「何でもするんで! マジ命だけは勘弁してくれ!」
命乞いかぁ、ここで恩を売っておけば後々いい特典とか著いてくるんだろうか。今ならDP100をプレゼント、カミングスーンみたいな。
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「困ったな、ラビィ。どうしたら良いかな」
「クロトが決めてあげなよ。ほら、早く決めなきゃユキムラがさっきから準備運してるし」
わー、本當だびみしてるー、スライムの準備運ってあんななんだねー。
「ユキムラストップ! 攻撃は無しだ、話し合いが出來るならそれに越したことはないし、爭いは憎しみしか生まない面倒なものだ止めておこう」
「むぅ、主がそこまで言うのなら」
実際は誰に恨まれるか知らんが適當なこと言って正解だな。
噓も方便って奴だ、あと暴力とか無理。あれは最終手段だぜボーイ。
「まぁ、萬が一攻撃してくるようなら容赦は要らんぞ」
「貴様! さっさと攻撃をしろ、殺せぬではないか!」
なんだこのデストロイモンスターは! 俺って主、主だよね!? 何、攻撃をしろって、え? ユキムラ君!?
殺す理由に主使っちゃ駄目だからね、そんな子に育てた覚えは有りません!
「ユキムラは帰ったら説教とお勉強の時間が待っています。訓練はお預けです」
「ぬぁっ!? 主、某から訓練を取り上げては何も殘りませぬぞ!」
脳ミソ無いくせに脳筋ってなんだよお前、総大將だろうが、勉強しろ勉強。俺もするから。
「んで、ゴブリン君、何でもするって言うのは的にはどうすんの?」
「このスライムはアンタの配下か?」
「ん、ユキムラ? そうだな、そんなじ」
「なら俺も配下にれてくれ! これでもこの森には詳しいしどんな魔がいるのかも分かる、役には立つから頼む!」
うん、今は確かにこの森の報は分からないし力任せに進んでる狀況だからな、この森の事を知ってる奴がいれば助かるか。
「よし、分かった。そう言うことなら助けてもらおうかな」
「マジでか! やった! 謝するぜ!」
幸いダンジョンは無駄に広いからね。1層位に済ませれば良いんじゃないかな、後はちょくちょく様子を見に來たりすれば良いでしょう。
「そんじゃ帰りますかね」
「待ってくれ、街から來たなら俺はどうすりゃ良いんだ? 魔はれないだろ?」
「付いてこれば分かるよ」
俺は堂々とダンジョンに向かって歩き出す。いや、結構後ろに視線を移してるよ、背後から來られたら終わるし。
「クロト、道間違ってるよ」
「あ」
そんなこんなでダンジョンに戻ってきたのだが、ホブゴブリンは驚いていた。
「なんじゃこりゃあ!」
「ダンジョン」
「これが、ダンジョン。噂には聞いたことは有るがこんなところに有るなんてな」
「噂って何?」
「この森には変な噂が最近流れてるんだが、そのうちの1つがダンジョンがあるって事なんだ」
「へぇ、他にも噂があるのか?」
「そこのスライムもそうだが、矢鱈と強いスライムが彷徨いていてちょっとした驚異になってるんだ。どこからともなく現れたと思えば報を寄越せとか言って脅しに來るんだ」
……それってうちのスライムじゃね? というか犯人サスケじゃね? アイツ外ほっつき歩いてんのか。
「主、その正はサスケでは」
ユキムラが俺の肩に乗り、そのプルプルを俺の頬に當てて緒話をしてくる。
「俺も思った。あの子意外と過激で俺ちょっと怖い」
「ははは、主は相変わらず冗談が上手いですな!」
冗談じゃねぇよ! などと思いながらもホブゴブリンをダンジョンの中に案する。
まぁ、中にっても森なので代わり映えはしないけどな。
「ここは、さっきの森か?」
「當たり、良く分かったね」
「何となく見覚えが有るからな……って、逆になんでアンタが分かるんだ?」
「そりゃ、ここは俺のダンジョンだからね。外の森を參考にして作った。所謂ダンジョンマスターって奴だね」
「ダンジョンマスターだったのか!? 驚いたな、アンタに従っていて正解だな」
「あ、住む場所はここ使って良いから。森の構造知ってるなら住みやすいでしょ?」
「お、おう。なんか、隨分と良い待遇だな」
「無駄に広いからね、有るもんは使わないゃ勿無いし」
するとホブゴブリンは辺りを見回した後に俺に向き直る。
なんだ、文句かこの野郎、殺ってやんぜ。ユキムラがな。
「あの、1つお願いが……」
お願い? できる範囲なら良いけどさ。
「俺の仲間も連れてきても良いかな?」
「仲間? あぁ、確かに1人で行するゴブリンってあんまり居なさそうだしね、それに1人で住むのも寂しいだろうし、全然構わないよ。ただ、ダンジョンとしての機能を阻害しない範囲で頼むよ」
「大丈夫だ! ゴブリンの派閥はないし弱い! なんの問題もないぜ! んじゃ、行ってくるわ」
そう言うとホブゴブリンは走ってダンジョンの外へと出ていった。
「……それが最後の言葉となることを知らずに」
「クロト? 何言ってるの?」
「いや、ちょっと言ってみたかった」
數時間後に戻ってきたホブゴブリン、どうやら自分が進化したことの説明で遅れていたらしいな。因みにあの木の実、普通は毒に近いらしくギリギリの実力を持ったに恩恵を授ける的なあれがあるそうで。
サスケにこそぎとってきてもらった。ユキムラ達スライムはもうそんな実力を突破しているので無理だが、ゴブリン達には可能なのではと思い、匿いつつもダンジョンの戦力として投する気満々だ。
「持ちつ持たれつだ」
「俺たちは全然構わねぇぜ!」
DPの節約にもなったわけだしね。手にったゴブリン戦力は総勢30ほど、男、、子供が10ずついる。見事に全員既婚者だった。
「まさかお前も結婚しているとは」
「ははは、嫁は驚いてたぜ。こんな姿になったもんで卒倒仕掛けてたから」
まぁこんななら派閥とかでも弱いんだろうね。よーく分かった、のろけてんじゃねぇよ! ぶっとばすぞコノヤロウ!
若干腹が立つがまぁ良いだろう。チッ、ゴブリンにリア充で負けるとは。
因みに森を探索していたのはやっぱりサスケだった。というか部隊でいて報を集めていた。
まだまだ外に出すのは早いかと思ったんだけどな、まさか勝手に出るとは……後で忠告しておこう。
ダンジョンの配下化と言うものも有るんだが、それは止めておいた。これを行うと悪いことは起こらないし、寧ろ仲間を殺せない事になるんだが飼い慣らしている様でなんか違うなと思った。
ゴブリン達はそっちが良さそうでは? と相談してきたのだが、お斷りした。何故ならそうすれば魔達に命の危険はしあるのだが、ダンジョンとしてはなんと、DPが手にるのだ。
配下にした場合、そのDP収が無くなってしまうので、ただの穀潰しになられるのも困るからな。
あと、庇護にってしまえば命の危険は下がる。そう言うのは良くない、そうすれば子供を放置しても死なないからな。危険を理解し、學んでちゃんと子育てはしろと言うことだ。
自分の危険が分かり、自衛の手段を持っていれば萬が一侵者が來ても何とかなるだろうし、罠のある場所まで導してくれるかもしれないし。
そんな理由で配下にするのは止めた。皆で共生しようぜ、支配とかつまんないし。
まぁ、こんなことしてダンジョンの運営に失敗して俺自が殺されたら終わりなんだが、魔達を信じるしかないね。
人間よりは信用できると思うんだけどなぁ。
あ、ゴブリンは基本防衛に當たってもらうし、何ならその辺で畑でも耕してくれとお願いした。
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