《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》村を調べます
「ぬおぉぉぉぉっ!?」
「ア゛ァァァァァァァ!」
「うぉぉぉぉぉぉ! 危ねぇ!」
俺がぶと同時にゆっくりだが全力で腕を振るってきた村人ゾンビ。やはりゾンビってのは遅いのが定番なのか……いやでも最近のゾンビは雑魚なのにすげぇ速いって聞くからな、あれは映像だけか。
普通に避けて俺は退散した。勝てるわけ無いだろバカ野郎が。
逃げ出した俺は無の外まで走る。ゾンビはやっぱり遅かった。
「なんでゾンビがいるんだよ」
「ご主人様、どうなりました?」
「い、居なくなりましたか……?」
服のなかからツルンと飛び出し地面に降りるサイゾウとユリはプルプル震えている、俺だってビビるわ。
今は安全であろう村を囲むように存在する柵にを潛めている。柵は俺一人でもちゃんと隠れられる程に太いので安心だ。
原材料は恐らく俺達が來た森からかな、あの森の木太いし。
でも柵がこんなに太くて良いのか? 敵とか來たら面倒だろう。いや、これはこの村が普通の村ならの話しか……ゾンビ居るんですもの。
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「さて、俺は強烈に帰りたいんだけどどうする? と言うか殺っちゃって下さいよサイゾウさん」
「無茶言わないで下さいよ! りたく無いです!」
「わた、私もちょっと……」
「えー……」
護衛とは何なんだいったい。しかしどうしたものだろうかとふと顔を上げで村を覗く。ゾンビは著いてきてはいない様だ。
ここから森に戻るにしても時間がかかるし絶賛迷子中なので森にっても戻れる自信がない。森の中にっても視界が悪く、魔法を使って燈りをつけてしまえばそれに気づいた魔に襲われる危険もある。
かと言って村にればゾンビとのお見合いは避けられない。そもそもなんで村にゾンビが居るんだよって話だが。
それにあの1匹だけなんて希は無さそうだし、まだいるんじゃないかな。そもそも生存者が居るのかって話。
「でもここ森に近いし、ゾンビが森にってくる可能もあるしそうなると嫌だろ? 兎に角原因くらいは調べなきゃだ」
「うーん、ご主人様がそう言うなら」
「……頑張ります」
俺だって帰りたいわ。でもしょうがないじゃん、今から帰るのもくたくたな俺には無理です!
重たい腰を上げ、サイゾウとユリは服の中にってもらう。側に居てもらう事も考えたが森での前科があるので離れないで貰おうと言う算段なのだ。
「流石に離れないですよ! こんな所で!」
「私も、無理です……」
どうやらゾンビの姿がショッキングだったようで寧ろ嬉々として服に潛り込んで行った。
これなら奇襲を仕掛けることもできるだろうし利害の一致だ、そうと決まればいざ行かん。
……ふむ、どうやらさっきのゾンビは何処かへ行ってくれた様だな。
俺は今、先程ゾンビに話しかけてしまった場所まで戻ってきている。
今居るところのおおよその位置は村にってすぐの所だ、村はまだ奧に続いている。
「まだまだゾンビがいるかもな……」
「そう言うのやめてくださいよ」
サイゾウが服の中でプルプル震えている。正直に言うと真正面から目もあった俺の方が出會い頭のインパクトが強いんだけどね。
でもそこは最近の技で作られたリアルな映像やゲーム等でグロ耐はそこそこだ。3Dだって見たことあるし。……ただし、腐敗臭つきの4Dだとは思わなかった。
「ゾンビやだ……お化けやだ……」
ユリの方はブツブツ何か言っている。所々聞こえているので此方の方が怖いわ、スライムにお化け怖いとかあんのか。
家と家の間をこそこそと移しながら奧を目指す。だってこう言うのって奧に何かあるもんだよね、ボス的な。
でも家と家の間が畑等で覚が広いので隠れて移しているのって無意味ではと思っている俺が居たりする。
「うーん、他にゾンビは見當たらないな」
どうやら杞憂だったかな? だとしたらゾンビ1匹に村人が全員いなくなるなんてあり得ないよな? やっぱりこの村には何かあるのかね、解決とか実力的に無理なので知りたいこと知ったらトンズラしますけどね。
あれ、そう言えば家の中とかって覗いてないな。人の家覗くとかこの現代社會じゃ考えることもないので忘れてたな。
普通に村人がいるなら人影何て見えるだろうし、それで確認すればあのゾンビが異常だったという結論になるし。
「はいはい、お邪魔しますよーっと」
中は……やっぱり田舎っぽいな、日本の古民家見たいな作りだ、もしくはそれよりショボい。米とか食べる風習も無さそうだし……米があるかは知らんが。
臺所の様な場所はちょっとした調理の様なものが置いてあったりするがこれと言って珍しいもないかな。
「ご、ご主人さん……橫……」
「ん?」
橫? いったい何が……。
「ア゛ァァァァァァァ!」
「うそん」
またしてもゾンビだ。両腕を振って襲いかかってくる。転がる様にして何とか避けることが出來たがしくじった。
家の中に転がり込んでしまい、外に通じる道が塞がれた。
後、何でここにもゾンビがいるんだよ! しかも民家の中って!
橫に居たと言うことは俺がをし民家のドアから出した狀態の時には既に居たと言うことだ、全然気づかなかったわ。
ゾンビはびながらも緩慢なきで俺に接近してくる。これなら橫を通り抜けて外に出られそうだな。
「おっと」
またしても両腕を振っての攻撃を後退することで避ける。どうやら同じ攻撃しか出來ないのだろうか。
挫けずに接近してくるゾンビ、ここは俺の魔法が火を吹くぜ。
「【暗転】!」
一瞬だけだが視界を奪う最下級闇魔法の【暗転】を使い、目で見てるのか分からないが目眩ましをして橫を通り抜けて外へと出る。
因みにこの【暗転】、デフォルトがタコが墨を吐く様なじですちょっとギャグ要素が強い。
民家から飛び出した俺はし安全そうな場所を探しつつ隠れもせずに走り回る。
「いやー、まさかあんな所にもゾンビが居たとは……マジで帰りたい」
冷靜になって考えてみればスッゲェびっくりする容だよな、いつの間にか隣にいるとか。
あれ? なんでサイゾウは気づかなかったんだ? もしや気配を察知する能力は無いのだろうか。
「サイゾウ、察知はできなかったのか?」
聞いてみるが返事が帰ってこない。服の中に居ることはで分かるんだけどな。
そういや、警告したのはユリだったな、なぜに?
「ご主人さん、サイちゃん……気絶してます」
「へ?」
「多分気がついては居たのですが……ゾンビを見たときにショックをけたようで……」
「マジでか」
まさか此方が苦労しているのに一人だけ夢の世界に逃げるとは、サイゾウ……お主中々やりよるわい。
【第二部完結】隠れ星は心を繋いで~婚約を解消した後の、美味しいご飯と戀のお話~【書籍化・コミカライズ】
Kラノベブックスf様より書籍化します*° コミカライズが『どこでもヤングチャンピオン11月號』で連載開始しました*° 7/20 コミックス1巻が発売します! (作畫もりのもみじ先生) 王家御用達の商品も取り扱い、近隣諸國とも取引を行う『ブルーム商會』、その末娘であるアリシアは、子爵家令息と婚約を結んでいた。 婚姻まであと半年と迫ったところで、婚約者はとある男爵家令嬢との間に真実の愛を見つけたとして、アリシアに対して婚約破棄を突きつける。 身分差はあれどこの婚約は様々な條件の元に、対等に結ばれた契約だった。それを反故にされ、平民であると蔑まれたアリシア。しかしそれを予感していたアリシアは怒りを隠した笑顔で婚約解消を受け入れる。 傷心(?)のアリシアが向かったのは行きつけの食事処。 ここで美味しいものを沢山食べて、お酒を飲んで、飲み友達に愚癡ったらすっきりする……はずなのに。 婚約解消をしてからというもの、飲み友達や騎士様との距離は近くなるし、更には元婚約者まで復縁を要請してくる事態に。 そんな中でもアリシアを癒してくれるのは、美味しい食事に甘いお菓子、たっぷりのお酒。 この美味しい時間を靜かに過ごせたら幸せなアリシアだったが、ひとつの戀心を自覚して── 異世界戀愛ランキング日間1位、総合ランキング日間1位になる事が出來ました。皆様のお陰です! 本當にありがとうございます*° *カクヨムにも掲載しています。 *2022/7/3 第二部完結しました!
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