《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》ゲーム

「……何も答えないなら死んでくれるかな? バイバーイ」

「へい、ちょっと待った。落ち著くんだジョン、俺なんか倒してもミートパイの材くらいにしかならないぜハッハッハ」

「君、何言ってんのさ?」

本當にな、切羽詰まってアメリカンな戯言を吐いたけど狀況は変わらん。依然、ピンチだ。

狀況を整理しよう。俺の目の前に立っているのは左記ほど臺座で演説をしようとしていた子供。

そして、いつの間にか接近しサイゾウとユリを吹き飛ばして今度は俺の番と言うわけだ。

「面倒な話はごめんだからね。ボクの國に何か用かな?」

「いや、さっきも言ったけど休みたくてってみたらヤバい所だったから帰るつもりだったんだよ」

「ふーん、そうなんだ。でも知らないや、君も死んでボクの仲間になると良いよ」

どうやら弁解の余地は無さそうです。さらば、俺の18年。

だがしかーし、諦めが悪いことで有名な俺はこの程度では屈しないぞ。

「まぁ、落ち著きなって。無抵抗の奴を殺したってつまらないだろ? 俺とゲームをしよう」

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「げーむ?」

乗ってきたかな? この子供……まぁ見た目は人間なんだけどそれは見た目だけで、が真っ青なんだよね。それだけでも普通の人間じゃないのは分かるしあの強さだ。戦闘なんかしたら余裕であの世行きだわ。

んで、まぁ見た目が子供、そしてゾンビを従えて自分の國だとか、強さをちらつかせるような事をしだけしていた訳だ。もしかすると神的にもいのでは無いかと考えている。

「そう、これに勝った方が負けた方を好きにして良いと言うわけだ。やってみないか?」

「……それ、ボクがやるメリットなんて無いよ? 君ごときなら力てで解決すれば良いんだし」

當然だな。だがしかーし、俺にはコイツを勝負に乗せる策だってあるのだ。

「へぇ、ビビってる? ビビってんのか、まぁな、力だけしか取り柄の無さそうなさ君なら強引に事を済まそうとするもんね。所詮はその程度だよね、これが王とかこの國衰退の危機だね」

普通に挑発である。しかもかなり安っぽい、こんなのに乗るのはアホか子供くらいなもんだぜ。

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「はぁ? ビビってないし、寧ろ余裕だし。良いじゃん、やってあげるよ。何すんのさ」

案の定ちゃっかりと挑発に乗る子供ゾンビ、お前、それで良いのか。

だがやっぱり神的には子供だったか。良かった良かった、これで見た目詐欺だったら死んでるわ。こいつ脳筋かもしれないぞ、だとしたらやるゲームは、ここで用意できるもの……。

「お、あれが良いかな?」

丁度、砂が1ヶ所に山のようになっている場所があるのでそこまで歩き、手頃な木の枝をてっぺんにぶっ刺す。

すると首をかしげて此方を見ている子供ゾンビは質問は興味津々だ。

「何をするのさ」

「ん? ご存じ棒倒しゲームだよ」

「ボクはそんなの知らないよ」

「人生損してるねぇ」

「死んでるからねボク」

おいおい、そんな笑えない冗談は止めてくれよ。

説明しよう、棒倒しとは、てっぺんに刺さっている枝を倒さずに砂を除いていく、そして最後に棒を倒した方が負けと言うシンプルなルールだ。

それを説明すると子供ゾンビは納得した様子で頷いている。

「よし、じゃあ早速始めるのさ」

「ちょっと待った。まだルールはある」

「まだあるの?」

「そう。と言っても簡単だ、これに參加するのは1チーム3人だ。いや、この場合は3か……いや、俺人だから何なんだ?」

「どうでも良くない? 3人って事にしてよ」

などと言うどうでもよい會話を続け、メンバーを用意する。

こっちは勿論俺、サイゾウにユリだ。向こうは子供ゾンビと付き人のユキムラと同じ位の実力ゾンビを2連れてきた。

「あ、そうそう。もう1つ言うのを忘れていたけどどんな負け方をしても文句は言うなよ? それと、自分の持てる力全てを出すんだ。後悔の無いようにな、頭の良いお前ならちゃんと我慢できる筈だ」

「當然さ、ボクのはこの國より広いのさ。君がどうやっても文句は言わないのさ」

そして始まる棒倒しゲームだが、その會場にはなんと観客までいるオプションだ。ただし全員ゾンビであり、非常にカオスである。

この砂山が墓場に見えてきた、何か召喚できそうな気もする。

「じゃあ、始めるか。先行は譲ってやろう」

「當然さ、それじゃ、僕から行くのさ」

子供ゾンビは橫幅5メートル程の砂山をいきなり3分の1ほどを削り飛ばす。

流石に1発目の開始早々倒す真似はしなかったか。あのバ怪力で最初に倒してくれれば楽だったんだけどな。

そんな甘い話はないか、真剣に勝つ方法を考えるとしよう。

「さぁ、次はそっちさ」

「分かってるよ。サイゾウ、棒を倒さないように頼む」

「君がやるわけじゃ無いのか」

「順番は自由だぞ、こっちは作戦があるからな」

「ふーん、まぁボクに敵うわけ無いけどさ」

子供の言うことは聞き流しつつ、サイゾウに注目しておく事にする。

サイゾウは指示通りに砂を削っていくが、力は余り無いので削れるのも子供ゾンビの半分もない。

とりあえずサイゾウの頭をでておく。

「ハッハッハ! その程度? じゃあこっちはガンガン削っていくのさ!」

子供ゾンビは高笑いしながらも後ろに立っているゾンビに指示を出す。

命令されたゾンビも子供ゾンビほどとは行かないものの、サイゾウよりは遙かに削っていく。

まぁこのゲーム、どちらが多く削ったかなんてどうでも良いんだけどね。生き殘れば勝ち、棒を倒さなきゃ良いのでガンガン削ってくれるならありがたい。

「ほい、じゃあユリ。頼んだ」

「が、頑張りますっ!」

ユリもサイゾウと同じくらいの砂を削り戻ってくる。よしよし、順調だ。

と言ってもこの2匹の行にそれほど意味は無いんだけどね、倒さないことが重要だし。

サイゾウと同じくユリもでてやろう、ついでに砂もジャリジャリと。

「……ここからは慎重にいくのさ、砂がなくなってきているからね」

子供ゾンビはもう1人のゾンビに命令をする。命令されたゾンビは指示通りに慎重に砂を削る。

削った量はそれでも結構多めだ、そして砂山はいま、俺のいる側と向こうのいる側では量の違いがはっきり分かるほどだ。

うーん、そろそろ決め時だな。

「次は君さ」

「……分かってるよ」

俺は棒が倒れないように注意しながらも、出來る限り大きめに削り、サイゾウ達のいる場所へと戻っていく。

「へぇ、結構いったね。バランスを崩そうとしているのかな? まぁ、ボクらには関係ないね」

子供ゾンビもしだけ削る。まぁ、砂山が結構デカイのでしと言っても30センチくらいは削ってるけど。

こうしてみんなで削り続けて暫く経ち、50センチ程の小山が殘っているくらいで、俺の番が來る。

……ここらで仕掛けるか。

「ほいっと」

削るの10センチ程、だが、削った場所はゾンビチームの場所辺りだ。この棒倒しに相手側のを削ったらダメと言うルールはないからな。そしてバレない程度にちょいとおまじないを……ウフフ。

「まさかこちら側のを削るとは驚いたのさ、まぁ問題ない」

子供ゾンビは悠々と歩いていき、慎重に山を削ろうと手をばし、砂にれる。瞬間、棒は見事に不自然に倒れる。

「そんなバカな!?」

「あー、こりゃ俺達の勝ちだな。お疲れ様」

俺が近付くと子供ゾンビは一瞬で俺に近寄り、ぐらを摑む。

うわ、速っ! だがここは引き下がったらいかんぜよ。

「明らかに不自然だったのさ! 一何をした!」

「おい年、何を勘違いしている。そんな証拠あるのか」

「くっ……」

「それに、どんな負け方をしても文句は言わない約束の筈だ。偉いお前になら出來るだろう?」

「……分かったのさ、だけど何をしたか位は聞いても良いだろ?」

隨分とあっさり聞いてくれたな。癇癪起こされてメチャクチャになって戦闘になるとかも予想してたんだが、これは嬉しい誤算だな。

「分かったよ、実は最後の俺の番、砂に魔法を使った」

「魔法だって!? 一なんの!」

「【魔化】って魔、スキルかな? まぁどっちでも良い。それを使って砂を魔にして、命令してお前がるときに棒を倒してもらった訳だ」

「そんな卑怯な手に……」

「これも言った筈だけど、持てる力を全て使えって言っただろ? その時から俺は既に考えてた訳だ」

まぁ普通にやってたらどっちが勝つか分からないからな。確実に此方が勝てるように仕向けるに決まってるだろ。

まぁ砂の魔化が一どれくらいの範囲で魔になるか分からなかったんだけどな最初は。

一粒だけとかいう面倒な制約なのか、はたまたれた部分のみなのか、任意の部分かなど報が不確定だった。

だから思い付いたのは良いが、直ぐに実行出來なかったので順番を後回しにしたし、サイゾウとユリには砂は此方に飛ばしてもらって頭でるついでに砂の魔化に挑戦していた。

「とまぁ、既に俺の掌で踴ってた訳だ」

「……はぁ、言葉も出ないのさ。分かったよ大人しくここからは出ていくのさ」

がっくりと肩を落とし、トボトボと村の外へと出ていこうとする子供ゾンビ。

それを俺は立ち塞がり止める。コイツ、なにを勝手なことを言ってるんだ。

「別に出ていけなんて言ってないだろ? 俺がお前に言うのは別の話だ」

「別?」

「うん、そもそもお前野放しにしてたら危ないだろうが」

「でも、ご主人様、彼らをどうするんですか?」

俺の肩にサイゾウが乗り、話にってくる。そりゃお前、ユキムラ以上の戦力だぞ? ほしいに決まってるだろ。

「そうだな、お前。俺と友達になれ」

「……は?」

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