《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》ミストの話

「クロト……やっぱり面白い人間だね」

思わず呟いてしまった。

ある日突然現れた人間。

村にいた僕はこっそりと此方を見ていたのに気がつき、逃げられる前に排除しようと思って回り込んだのさ。

でもし驚いたのは、この人間、その凄い軽裝だった。

ちょっと散歩してくるわ位の気軽さでこんなところまで來たのかと唖然としたね。

僕が回り込んだ後、一瞬気が付かなかったけど2匹のスライムが當たりをしてきたので吹き飛ばし、特に期待も無かったので人間……クロトもすぐに殺そうとしたら、げーむにわれた。

良く分からなかったけど無抵抗な人間を殺しても詰まらないと言っていたのは納得した。

いざ、げーむを始めると、普通に負けた。

しかも僕が倒しました。

悔しかったです。

しかもクロトはイカサマしやがったからね。

非常に腹が立つ。

そして何だかんだとクロトと友達になって、ダンジョンに來た。

ダンジョンマスターとか初めて聞いたんですけど、村で閉鎖的に暮らしていた僕からしてみれば當たり前なのさ。

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でもクロトがクロトなのに変わりは無いのさ。

村ではふんぞり卻っていたけどここに來てからは村を作ったんだから働けと言われた。

容は訓練だけど。

クロトはやり方は問わないとか言ってたので地獄よりも恐ろしい訓練にしている。

でも部下を容赦なく地獄にれたクロトが1番恐ろしいのさ。

初めてだよ、あんな風に僕に接してくる奴は、彼はきっと誰に対してもああなのかも知れないのさ。

そうそう、僕の中では大きな変化、それは名前を貰った事なのさ。

僕も生前は名前あった筈なんだけどアンデッドになってからは忘れちゃったね。

因みに貰った名前はミストだ、気にっている。

そして名前を貰ってから日に日に力が増している気がする。

多分テンションって奴が上がっているのかもね。

あ、そうそう、僕の付き人のグールにもウノーとサノーって名前つけて貰ったんだ~。

そしたらアイツら訓練開始して1週間位で進化しやがった。

種族は僕と同じワイトだけど、まぁ実力は僕に及ばない。

1回戦ってみたけど2対1だと手強かった。

クロトに報告した方が良いかな?

でも、クロトも忙しそうだから今度來たときにでも良いかな?

そうそう、クロトを面白いと思ったのは魔と手を取り合おうとしている所だね。

普通、人間は魔がいれば討伐をしようとする。

話そうとするなんてもっての他だし、中には仲良くなるふりをして奇襲したり、利用しようとする輩がいる。

でもクロトは従えるとかじゃないんだよね、協力してくれ何て言ってくる。

に頼みごとなんて笑える話しだけど、だからこそ面白い。

彼は魔をちゃんと意思のある1つの個として見ているじがする。

それは僕らを認めて、れてくれているって言う優しさがじられる。

彼は……そうだね、守ってあげたくはなるね、一人の友人としてね。

「ミスト殿、次は如何致す?」

「ん? そうだね、ウノーとサノーとの模擬戦なんてどうかな?」

「承知した。ウノー殿、サノー殿、勝負ですぞ!」

ユキムラ君はそう言うとウノー達の元へと走っていく。

ちらりと橫を見ると結構な數のスライムが訓練をしている。

目の前で訓練をしているスライム達を見ながら考えてみた。

このスライム達おかしくない?

だってスライムと言えば魔の中でも最弱……戦闘力5以下のゴミ扱いされる程に弱い。

それこそ10歳位の子供でも石を投げてれば勝てるくらいには。

でもこのダンジョンのスライムにはそれが當てはまらない。

全員がアホみたいに強いのさ。

クロトが言うには十勇士とか言う幹部クラスの奴は更に強い。

そして最も際立つのがユキムラ君と言うスライム、あれはヤバい。

スライムの常識を覆す化けだよ、え? 僕が言うなって? スライムの話なんだから良いの良いの。

十勇士もだけどユキムラ君は確実にびるね、何れは僕にも屆く。

まぁ、負けるつもりは無いから僕も訓練をしようかな、だってスライムが訓練で強くなるなら僕にも可能はあるでしょ。

というか何であんな化けの卵達が進化してないのかが疑問なんだけど。

あ、因みに最初にクロトに紹介してもらうときに。

「キャラが濃すぎて気分が悪くなる可能がある」

なんて言われたけど本當に濃かった。

まずは大將のユキムラ君、クロト至上主義で一応ダンジョンで1番立場が高い。は紅

そして緑のロクロウってスライム。

彼はなんか騎士ってじがする。

1度こんな奴が僕の國に來たけどちょっと手強かった。

クロト至上主義だ。

あとキラキラした金のスライム、モチ。

クロトのしさがどうのこうのって言ってたけど、面倒だから聞き流したのさ。

クロト至上主義。

この3匹はクロトに凄い心酔してた。

ちょっと引いたのさ。

次にセイカイと呼ばれる青のスライム。

彼はクロトが言うには僧とか言うものに似ているそうな。

僕には分からない、でも彼は丁寧だし好を覚えるね。

そして弟らしい藍のイサと言うスライム。

一言でいえば大膽不敵なじ、僕に怖じしなかったし。

兄であるセイカイとは真逆なガッハッハ系スライムだね。

他には橙のコスケ。

のらりくらりと軽い格をしていて見てて面白いのさ。

度々ロクロウに怒られているけど日常茶飯事ってユキムラ君が言ってたのさ。

次に黒のサスケ。

コスケと名前が被るじがするけど隠に関しては僕も結構気づかない。

サスケが言うにはクロトにはバレるらしい。

次にに反して格は暗い銀のジンパチ。

なんかアンデッドなんじゃないかと思うほど暗いけど、めている潛在能力は高いと思うんだよね。

何だかんだと強いし。

次にカケイって娘。

は紫。

何だろう、僕の方が年上なのにお姉さんを醸し出し、割りと接し辛い……。

クロトも何を考えているか分からないって言ってた。

とりあえず注意しておこう。

後は1番流があるね。

のスライムのサイゾウ。

明るい娘だよ。

ウノーとサノーに対抗心を燃やしている。

まだまだびそうなのさ。

そして黃のスライム、ユリ。

おどおどしてるけどクロトの事となるとハッキリ言ってくる。

ちょっとビビった。

隠れクロト至上主義。

うん……洗い直したけど濃すぎるのさ。

一変に會うのは確かにキツイから訓練は僕、ウノー、サノーで分けながらやっている。

ちょいちょい愚癡はあるけど、気にってない訳じゃない。

むしろ逆なのさ。

僕は今心底楽しい。

クロトはまだまだこれからだって言ってたけど、楽しみにしていたいな。

まさかアンデッドになって人生を謳歌するなんて思ってもいなかったのさ。

この生活を守るためならどんな不條理も覆そう、そしてクロトを守ろう。

友人としてね。

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