《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》し経ちました
ミスト率いるゾンビ軍団がダンジョンに住み始めて早いもので1ヶ月経っている。
家のダンジョンは相変わらず暇である。
だがしかし、ダンジョンの配下にってはいないミスト達ゾンビ軍団と子供以外は鬼畜トレーニング(ユキムラ、ミスト監修)を頑張らされたゴブリン達はまだい子供以外はホブゴブリンと化した奴らから、DPはある程度補っているので特別貧乏と言うことはない。
おまけに畑が完するまではホブゴブリン達は死しないように、外から果とか、たまに此方から仕送りのようにDPで出してはいるけど。
早く出來ないかなぁ……。
まだ耕している段階だからまだかぁ。
畑とか作ってる時點でもうダンジョンする気あんのかってじだよな。
やる気なんてあるわけ無いだろ、こちとら手違いでこの世界來てんだぞ。
それなのに死ぬ危険なんて犯すわけ無いじゃないかハッハッハ。
「まぁミスト連れてくるのに、マジで危険犯したけどな」
「クロト何獨り言言ってるの?」
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そう俺に喋りかけてるのは、ダンジョンなのに1番仕事してないダンジョン。
──通稱、穀潰しのラビィだ。
ご機嫌にイチゴミルク飲んでやがる。
マジで穀潰しまっしぐらだ。
「なんだ、穀潰しか」
「仕事くれないのクロトじゃん!」
「違う、あげないんじゃない。マジでやることが無いんだ」
「私を長させるって事はしないの?」
あん? お前どうやったら長するんだよ。
いつから育ゲームのヒロインになったんだ。
いや違うわ、普通にダンジョンの話だコレ。
「実際問題、私達普通にここらの冒険者の実力あまり分かんないんだよ? もしミスト達がやられたら対処できないと困るのは私達なんだよ?」
おっと割りと必死な説得だ。
しかも正論過ぎて何も言えない。
だれだ! こんな知恵教えたやつ!
「まぁ、ラビィの言うこともごもっともだ。大人しくダンジョン作るわ」
「私にもやらせてよね」
「……これが狙いか?」
ジロッと睨むと慌てたように目を背けて下手くそな口笛を吹くラビィ。
分かりやすい奴だ。
ちゃんと言えばある程度は要は聞くと言うのに。
「よし分かった、早速取りかかるとするか。手伝ってくれ」
「そうこなくっちゃね! 早く行こーよ! 新しい階層作ろう!」
大分嬉しいらしい。
俺の背中を押してくるんだが、ダンジョンなんだから転移すれば良いだけだと思うのは俺だけだろうか。
「先行ってる」
「あ! 消えた……転移か! 待ってよ~!」
◇
ラビィを無視して第2層、迷宮エリアへとやって來た。
やっぱり迷宮と言えば、寶でしょうよ。
全然役割を果たす時は來るか分からないけど萬が一だ。
「何が良いだろうか……」
「イチゴミルクなんてどう?」
何言ってんだコイツ……腐るだろ。
哀れみの目で見てやると何故か照れてやがる。
頭大丈夫だろうか。
「へへ、そんなに私の提案がよかった?」
アホだったわ。
どこからそんな勘違いが生まれるんだろうか。
「やっぱり冒険者と言えば武とか道だな。ここは、まだ第2層だし、普通の剣で良いかな」
「あれ? 私無視されてない? ねぇ、クロト、私のこと見えてる見えてるよね?」
なんと設置した寶箱DP30で、上質の剣がDP50でお買い得だ。
一層の広さが四方500メートル程なので、サービスとして5つ位は置いておくとしよう。
現在ここに生息するのはスライムだけなんだが、このスライムが十勇士の部下だし、毎日のように鍛えている。
生半可な強さじゃ1匹にすら勝てない。
無理ゲー過ぎて灑落にならん。
魔のレベルがぶっ壊れているのが問題だけど、ここにいるスライム達は階層を増やして奧の方にぶちこんでおこう。
ここには弱小の鍛えてないスライムを放置するとしようか。
ただ、DPがそれほど無いので階層を増やすのは3つまでだな。
もちろんその3つも迷宮エリアにしておく。
1層につきダンジョンの環境が変わってしまうと裝備変えなきゃ行かなくなるだろうし、そうなると2度とやってこないかもしれないからな。
おや? 俺は冒険者に來てほしいのだろうか?
うーん、よくわからなくなってきたな。
一個人としては生き殘るために來ないでしい訳だけど、ダンジョンマスターとしてなら自分の作った罠を試したいと言うのもあるからな。
當面の目標は10層までは作っておきたいな。
今使ったDPは400、今回設定した予算DPは1萬なので、階層は1つ、あとは罠とか寶箱なんかに使うとするかな。
「あの、クロト。私は放置? 泣くよ、そろそろ泣いちゃうよ?」
うん、隨分と無視したせいかマジで泣きそうだ。
……仕方ない、し位は手伝わせるとしよう。
「……アイテムとか設置する権限渡すから待ってなさい。使っていいのは1000DP迄ですからね!」
「はい、はーい! 魔は予算にりますか!」
「魔召喚する気だったのかお前!」
「いーじゃんいーじゃん! クロトはユキムラ達がいて私にはペットの1つもくれないの!?」
「ユキムラはペットじゃねーよ!」
冗談です。
當初はペット覚で喚びました。
今では手綱が握れません、どうしたら良いでしょうか。
「……1000DPで何の魔出すつもりなんだ?」
「……リビングアーマー」
……980DPか。
「卻下だ」
「なんで!?」
「何でも何もどこに置いとくんだよ」
「えー、迷宮エリアに徘徊させよーよ、怖いよ?」
ふむ、迷宮にさ迷ってる鎧がいて、見つけたら追いかけてくる……どこかの伝説みたいな話だな。
それはそれで面白そうだけど。
「お前自分を強化したいんじゃ無かったのか」
「そうだった!」
「アホか!」
「あ、でもリビングアーマーの中にったらアーマーラビィちゃんになるんじゃない?」
「それただ、お前がっただけのリビングアーマーだろ! リビングアーマーが可哀想だから止めなさい!」
「ぶぅー、ケチ」
「シャラップ! 文句を言う子はご飯抜きです」
「済みませんでした!」
うん、素直に謝ったな。
飯で釣られてるけど。
「んー、じゃあ、このDPはお小遣いで貰ってても良いかな?」
「それってどんどんDP貯めていずれヤバイやつ召喚する気じゃ無いだろうな?」
「ギックゥゥゥゥ! な、何のことかな?」
ヤバイ、この子凄い分かりやすいわ。
「……まぁ、そのくらいは良いか、ただし貯めたDPで変なやつ呼び出してトラブルになったら魔は追い出すか始末、序でにラビィにも罰を與えるからな」
「う、マジか……ええぃ仕方ない。その條件乗ったぁ!」
なんかノリノリだなコイツ。
後々の事を考えればリビングアーマーで済ました方がいい気がする。
「やっぱりリビングアーマーでも良いぞ?」
「嫌です~! DP貯めてドラゴン出すんだい!」
ドラゴン出すつもりなのかコイツ!
出すんだい! じゃねぇわ!
ブーブー喚きだしたので、諦めることにした。
これは話はもう聞かねぇ奴だからな。
あーあ、知ーらない。
この件については責任者に任せるわ、俺だな。
◇
そのあとは順調にダンジョンの強化を行えた。
と言ってもすぐに終わったから作業事態は3時間位だろうか。
「な? 暇だろ?」
「うん、本當に暇になった」
俺達はマスタールームにてのんびり寛いでいた。
あーあ、何か侵者でも來ないもんかねぇ?」
──ブーゥワ!
──ブーゥワ!
「なんだ!?」
「この趣味の悪いブザーは!」
「「侵者か」」
フラグを建てたか!
一何奴!
「……あれ? 畫面に何もいないぞ」
「えー? ……本當だ。何で?」
普通ならマスタールームに設置されているモニターに侵者が映る。
それなのに何も映ってないわけだ、故障だろうか。
「あれか、ラビィがポンコツだからダンジョンの機能もショボくなった的な」
「それ酷くない!?」
その後、ユキムラとかサスケが偵察したけど見つからなかったので、不思議な話だが不合と言う形で話は終わった。
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