《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》砂の正
「と言うわけだがどう思う?」
「何がと言うわけなのか分からないのさ!?」
現在、すぐにダンジョンに戻って第3層、村エリアにまで転移で戻ってきた。
そして直ぐ様ミストの住んでいる村長ハウスへと毆り込んで今に至る。
「お前話聞いてなかったのか?」
「當たり前なのさ、ここ玄関なんだけど……」
「分かりの悪いミストの為にもう一度説明するからお茶下さい」
「もう一度も何もクロト喋ってすらいないからね!?」
そんなこんなで案してもらい、お茶を啜る。
因みに淹れたのはサノーらしい。
當然と言えば當然だろうか。
「それで? 話って何なのさ?」
「あぁ、ダンジョンに異常が起きたのは知ってるな?」
「えーと、確かラビィのポンコツのせいって片付けたと思うんだけど?」
「俺も割りとそうだと思ってたんだが、違った。と言うのもだな……」
そこからゴブリン達との罠を張る作業から、迷子捜索に至り、砂の化けから逃げ出して何とか撒いた事を告げる。
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「おい、クロト」
「ん、どうした?」
勢い良く立ち上がったミストに襟首を摑まれる。
割りと苦しいので直ちに離していただきたい所存です。
「なんでダンジョンマスターの君がを張っているのかな? そう言うのはここにいる魔達の仕事だと思うのさ。どう思う?」
「ふ、不測の事態で有りましたが故、某にしか解決できないかと、それに他の者に連絡を取っても間に合わなさそうだったので対処しました」
あまりの怖さにユキムラみたいな口調になってしまう。ミスト怖ぇ~。
逆にコイツに殺されるんじゃないかな? だって元々殺す殺される関係だったわけじゃん、転移しようかな……。
「……はぁ、言い分は分かったのさ」
「お、許してくれるじ?」
「いーや許さないね。十勇士のいる檻にぶちこむ」
「よし落ち著くんだ、話せば分かる。今はこんなことをしている場合じゃない」
「……そうだね、ぶちこむのはこの問題が解決した後だ」
そこは決定なのか……。
ちくしょう、刑期が延びただけだと!?
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ここは何とか誤魔化すとして、話を進めるとしよう。
「それで、どう思うよ?」
「……クロト、本當に分からない?」
何だ、その自分のに手を當てて聞いてみろ的な視線は。
やってやろうじゃないか……ふむ、わからん。
「自覚無しなのさ」
「おいおい、勿ぶらずに教えろよ」
「……本當にに覚えが無さそうだね。ヒントは僕との戦いなのさ」
む? お前との戦い?
……はて、棒倒しをしただけだが。
「なんなのさこの鈍い男は」
「失禮な、俺は引きこもりの割には俊敏にけるぞ?」
ほれ見ろ、この華麗な反復橫飛び。
「呆れた」
悲しいものを見る目で見られた。結構辛い。
「で、マジでなんなわけ?」
「僕に勝ったときの事を思い出してみなよ」
「お前に勝ったとき?」
確か、俺が砂を掬うタイミングで【魔化】を使って、ミストのターンの時に命令して棒を倒した訳だが……。
ふむ、棒倒し、砂……【魔化】、あれ?
「どうやら察しは著いたじかな?」
「うん、今回の件、俺のせいだな。いやぁ、あのときの砂かぁ……恩返しに來たのかね?」
「いや、僕らを迎えた割には砂だけ置いていったんだから著いてきたんじゃ無いかな。クロト忘れてたみたいだし」
べべべ、別に、忘れてねぇし!?
ちょっとダンジョンが忙しくて記憶の隅に追いやっただけだし!?
「それにしても襲ってこなくても良くないか?」
「忘れられてたんだから怒るのも無理は無いんじゃない?」
「忘れてねぇって言ってんだろうが」
「言ってないのさ」
確かに心のなかで呟きました。
しかしなぁ、あの意思疏通の取れない砂をどうやってダンジョンに引き連れれば良いのやら。
言葉が通じるかどうか試すしかないな、結局俺が出るはめになるのか……いや、俺が撒いた種だ収穫まで面倒を見なくてはな。
「よし、ミストのおで思いだし……ゲフンゲフンッ、確証か得られた、これから再アタックしてくるわ」
「忘れてたよね、絶対忘れてたよね?」
はて、この魔は何を言っているのだろう。
人間のボクには言葉がちょっと分からないな~。
「そんなことより、さっき言ったことをもう忘れたのさ? 君が出張るなってさ」
「勿論忘れちゃいないな。萬が一死んだらダンジョンも崩壊する可能があるのは大いに分かっている」
「なら僕が代わりに行くのさ」
「いーや、要らない。俺が撒いた種だ、自分で方をつける。それに、ミストみたいな強い奴が出てきて怯えたら大変だろ?」
「君も十分化けだと思うのさ」
ん? 俺が化け? そんな訳あるか、平均的な引きこもりだぞ。
何を評価そてそんなこと言ってるんだか。
「まぁ、話し合い? の方は俺が何とかするからな、お前は大人しく待機だ」
無様な姿を見られたら恥ずかしいからな。
飲みかけのお茶を全部飲み干してダンジョンの第1層、森林エリアへと転移した。
◇
クロトが出ていって、サノーが淹れてくれたお茶を飲みながら思わず溜め息が出た。
「こうもクロトにばかり任せちゃうと申し訳ないのさ……」
クロトから聞いたダンジョンマスターという謎が多い役職と、死ねばダンジョンが崩壊するという仕組みを聞いたときは、クロトは基本的に外に出ない、出ては行けないものだと考えていた。
だが実際はどうだろう。引きこもりだ何だと言うけれど、ダンジョンでは活発にき回っているじゃないか。
ゴブリン達との罠張りの大會だっけ? なんでそんな楽しそうな催しに僕を呼ばないのさ!? 許せん。
おっと考えが逸れた。
クロトにはどうにも素で常識外の事をするような節がある。
変なスキルも持ってはいるけど多用はしないし、強がってるみたいだけど力はない。
なんで分かるかって? 友人だからね、ふふ。
それでも化けと呼びたくなるのは、普通魔がいれば冒険者なんかは直ぐに武を構える。持っていなくても構える位はする。
だがクロトはどうだろう。構える所か、話し合いに持ち込もうとするんだ、魔相手にね。
その神的なものが化けだと僕は思うのさ、だからこそ危うい。
いつか痛い目を見る気がしてなら無い。
世の中話し合いだけじゃ解決しないことがあるのさ。
スライム達もそれを危懼してはいる。いや、考えてはいないとは思うけど直でそう思ってはいる。
だからこそ全員が必死に訓練をするんだろうね。
正直あのスライム達、特にユキムラ、ロクロウ、モチは恐怖だね。
恐らく全員だと思うけどクロトに手を出そうものなら世界すら滅ぼしかねない。
クロトは気づいているのかな? そしてクロトの底知れなさ、彼は何処を目指しているのか、何を目的にしているのかが一切分からない。これも化けと呼ぶ所以なのさ。
まぁ彼が何処に進もうとも僕らは付き従う迄だけどね。
◇
ミストと別れ、ダンジョンからも出ようとした訳だが、その必要はなかった。
「……」
「……マジかよ」
り口からってこようとしている砂の塊が居たからだ。
何れ戻るかなとは思ってたがこうも直ぐに戻ってくるとは思わなかった。熊の方は片付けたのか、それとも追い払ったのか。
とにかくこの砂、行が不明だな。
ジリジリと砂利を踏み均す様な音をたてゆっくりと接近してくる砂。
後退したいがそうすると襲いかかってくる可能もあるわけだ。立ち止まっていても結果は同じかもしれないけどな。
それに勝算もあるっちゃある。ミストの時には言うことを聞いてくれたんだ。それはつまり、言葉は一方通行だが通じるということだ。
この砂が敵意を持っていなければお願いは聞いてくれるんじゃ無かろうか。
『忘れてたんだから、怒るのも無理は無いんじゃない?』
ミストがあんなこと言うからちょっと功するか不安になってきたんだけど。変なフラグたてやがってあの野郎。
だが、俺のフラグは徹底的に叩きおる主義だ。平穏に生きるためには全てのフラグはへし折る!
そうこうしているに殘り1メートル程の距離まで近づいて來ている。
猶予はない、よし、やるか。話し合いをな!
手を突きだし、宣言。
「ちょっと待った! かかってくるのは良いが、先ずは俺の話を聞いてくれ!」
「……」
ピタッと止まってくれる砂。どうやら狀酌量の余地はあるっぽい。
それでも襲いかかってくるならやむを得ないが始末しよう。自分の命が大事だもの、おまけに俺が死んだらもれなく皆死ぬんだもの。
「まず、お前の事を忘れてたのは本當に悪かったごめんなさい。々と忙しかったんです、ほら、中途半端な出來の村に招待されても嬉しくないだろ? 俺としてはお前が喜んでくれる村にしたくてさ、そう、これはサプライズなんだ!」
おっと何やら言い訳がましい、々しい男のような臺詞が出てきてしまった。これはド三流の失敗テクニックだ。
「……」
砂は微だにしない。何を考えているのかさっぱりだ。
「はい、正直に謝ります。なので、命はとらないなら何をしても良いので許して下さい!」
素晴らしい程の土下座! プライドは無いのかって? 地球に置いてきたわ!
「……」
ジリジリと音をたてながら接近してくる砂。うーむ、どんな攻撃が炸裂するのだろうか……。痛くはしないでほしい。
すると砂は飛びかかり、俺の頭上から降り注ぐ。大きさはそこまで無いものの、それでもなかなかの質量だ。微妙に重い。
あー、服にった。気持ち悪いななんか。
俺の中を這うように砂が蠢く。うへぇ、変な気分。だがこれも罰、仕方あるまい!
「主ー! ミスト殿から聞きましたぞー! 某もお供に~! って何をなされているので?」
俺の気持ちも知らず、ユキムラがやって來たようだ。見れば分かるだろう、罰をけているのだ。
「これは……魔? ふむ、主と戯れているのですな。変わってほしい……」
「戯れてる?」
「む、違うのですかな? 喜んでいるようですぞ」
おいおい、砂の気持ちが分かるのかコイツは、変な噓ついてたら許さないぞ。
「ユキムラ、砂の言ってることが分かるのか?」
「まぁ、主ほどでは有りませぬが、遊べて嬉しそうですな。流石は主。どんなものにでも手を差しべる素晴らしいお方ですな!」
いや、俺にはこいつの気持ちは一方通行何ですけど……。そして勘違いが素晴らしい。
ユキムラの言ってることが本當なら怒っては無いってことか?
「これ、そこの砂。主は忙しいであるからな、その辺にしておくが良い。某の名はユキムラ! 主の最強の配下である、新りにはこのダンジョンの説明があるゆえ、著いてくるが良し!」
「……」
ユキムラの言葉で上下関係が分かったのか、スルリと俺から離れてユキムラと何処かへ行ってしまった。多分村エリアだと思うけど。
まぁ、一件落著だな。あれ? 俺なんもしてない……。
- 連載中205 章
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