《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》これが現実
何とか無事に街へとることが出來た。
これで第一関門は突破と言うことだな、お祝いしたいが金はない。
街の雰囲気は、石造りの家に屋は赤レンガで作られていて、まさに昔のヨーロッパってじだ。
ただ、道端に糞尿が落ちていて臭う、とかは無く、清潔そのものだったので良かった良かった。
生活魔法とかが有るわけだし、お掃除もお手のものだろう。
魔導書は一応高価なもので、魔法は魔力はあっても魔導書による魔法知識がないと使えないとされているっぽい。
それでもこの街が綺麗なのは掃除業者には積極的に出回っているんじゃ無いかなと思う。
……ダンジョンマスターの副業で魔導書の販売でもしてやろうか。
とまあ、そんな下らん考えは保留しておいて、資金を稼ごう。
こんなこともあろうかとサノーの抱えているデカイ鞄の中には々と売れそうなを突っ込んでいるからな。
実を言うと剣は俺とサノーが見せびらかしていた飾り剣の他にもう2、3本持ってきている。
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普通は何本も持ち歩くやつなんていないだろうが、こっちには力持ちがいるのだ。
一家に一人、縁の下の力持ち、今なら五月蝿いミスト付きだ。
きっと誰もしくないだろう。
そんなわけで、武屋へと行くことにしよう。
それとなくダンジョンの噂を流すか? いや、それはまだ早いか。
◇◇◇
「銀貨2枚だな」
適當にふらっとった武屋で品定めをしてもらっている。
目の前にいる太っちょおっさんはバーガー片手に持っていそうな人だ。
一言で言うと偏見だ。
「高いのか安いのかさっぱりだ」
そう、実を言うとこの世界の常識知らねーのよ。
だから相場とか、銀貨が日本円で幾らなのかはさっぱりだぜ。
「そうだな、切れ味も悪くないし綻びもねぇ。上質な鉄が使われてるっぽいし……妥當な値段だな。あと、高いか安いかでいうと割高だと俺は思う」
「なるほど、まぁ今回はそれで良いや。……相場を勉強して詐欺だったらどうしてくれようか」
「おい坊主、最後に恐ろしいこと言わなかったか?」
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「世の中綺麗事だけじゃ生きていけねぇんスわ」
「はは、違いねぇ。安心しろ、こう見えても騙しなんかしねぇよ」
ポンッと腹を叩くことにより服にも、二の腕にもその振が伝わる。
一瞬、スライムの亜種なのではと思った程だ。
「なるほど分かった。おっさんを信じるよ、と言うわけで後2本買い取って」
「まだあるのかよ!?」
◇◇◇
こうして銀貨を計6枚ゲットしたわけだが、まずはギルドへ行って冒険者登録が先だな。
分証明が発行さえすれば、金払わずとも門を行き來できる様になるわけだし。
そして思ったのだが、警備がザル過ぎはしないだろうか。
文無しの怪しい2人組が來たらもうし警戒すると思うんだが……まぁ、れたし良いかな。
冒険者かぁ、やっぱり転移して街に訪れたら誰もが憧れる奴だろうな。
俺は英雄だの勇者だの面倒なのはゴメン被る、死にに行くくらいなら世界が滅びるのを待ちます。他力本願萬歳。
「となるとやっぱり注意すべきは……テンプレか」
「陛下、テンプレとは?」
急に喋るんじゃねぇよ、ビックリすんだろ。
ここ街中だから、ちょっと気を付けてもらっても良いかなロクロウ君?
まぁ、喋ったものは仕方ない。
「そうだな、お約束って奴かな。こう言うとき、新人は大概変なやつに絡まれる訳だよ」
「なるほど、陛下へと無禮を働くものが居るわけですね。このロクロウ、先にギルドを制圧して參ります!」
服から飛び出そうとするロクロウを自分を抱き締めるようにして拘束。
その奇行ゆえ、周りの人が俺を見ている気がするが、気のせいであってしい。
サノーは當然スルーだ、絶対に許さん。
「落ち著け、お前が行ったら余計ややこしくなるわ」
「しかし、陛下の威厳が……!」
「……良いかロクロウ。これは視察だ」
「視察?」
「そう、上の立場の人間が來るとなると皆が普段の行が取れない訳だよ。お偉いさんが見たいのは普段の態度だ、だからお忍びをするわけだ、つまり、これはお忍び。まずはギルドの本來の姿を観察するべきだ土思うんだ」
やっべ、何言ってるのか分かんなくなってきた。
て言うかお偉いさんってなんだよ、俺ただのダンジョンマスターだし、そもそも所在不明の怪しい奴ですけど?
「な、なるほど! 申し訳ありません陛下! 陛下の考えを察しできぬ私など処罰してください!」
ドMなのかな?
進んで痛い思いする意味って無くない?
まぁドM(確定)なロクロウは放っておいて、ギルドへと向かおう。
◇◇◇
冒険者ギルドへとやって來た。
なんか一際デカイ建があると思ったらギルドだった訳で、辿り著けた事だし結果オーライ。
「おぉ……!」
「ここがギルドですか。立派な建ですね」
淡々とした聲をしているサノーの言う通り、デカイだけあり、木造建築だ。
中にってみるとこれまたいい雰囲気を出している。
骨董品やとかにった時と同じじだ、木の匂いがする。
それとし奧に酒場が併設されているおか、酒の臭いも木に付著していて、それはそれでまた落ち著く気がする。
気がするのであって現在あまり落ち著いてはいない。
何故って? その酒場にいる奴等がこっち見てるんだもんよ。
酒場にいる奴等だけじゃない、依頼書でもられているであろう場所や、カウンターにいる冒険者っぽい人達もじろじろと視線を飛ばしている訳だよ。
正直居心地最悪だ、なんでギルドってのはどこもかしこも酒場が併設されてるんだよ、意味わかんねぇ。
あとほら、気になるのは酒場の方だ。
何か中央に小さな円形の舞臺が有るわけだよ、何かショーでもやるんですかね?
ギルドの職員が、の出が激しい服を著て踴るのかな? それは是非とも見たい。
と思えば何か太ったスライムの亜種が出てきた……あ、あれ人間なんだ、へぇー。
そのスライムの亜種はバニーガールの服を著たおばちゃんだ。
おい、止めろ! 誰得なんだそれ、頬を赤らめるんじゃない! 需要はどこにあるんだ!
と思えば気に踴り出すではないか、正直気分悪いです。
酒場にいる冒険者達は見慣れたものなのだろう、酔っていると言うのもあるだろうが、ノリノリで見たり、無視して話し込んだりしている。
慣れとは恐ろしいものだな……これがブラックな企業で溢れかえる社會に生きる日本人が哀れに思えてくる。
さて、おばちゃんに目が行ってしまうが、ここは冷靜に付するとしよう。
「ようこそー、冒険者ギルドへ! ご依頼ですか?」
「すみません、冒険者の登録をお願いしたいんですけど」
「失禮しました、登録ですね! そちらの背の高い男の方も……イケメンっ!?」
付嬢は結構な人だった、この人がバニーガールで踴れば良いのにと思ってたらびだすじゃありませんか。
その視線の先は高長、調が悪そうな顔だが憎いことにイケメンのサノーである。
非常に腹立たしいことこの上ないので足を踏んでやったら、こっちを見て首を傾げやがった。
力のない俺が憎い。
「ではでは、そちらの男からお願いします! お名前の方は!?」
「……サノー」
「サノー様ですね、やった、お名前聞いちゃった! ではでは、登録までお話しませんか?」
「あの、俺は……「あ、この紙に書いて提出してください」……はい」
扱いが酷すぎる……。
これがイケメンとフツメンの差なのだろうか……仕事しろよ付嬢。
俺は今、盛大に傷ついてますよ?
チラチラと付嬢を見るが、サノーと話をしておりサノーに笑顔を見せながらもこっちには手を振って「しっしっ」と聞こえてくる。
幻聴だと良いなぁー!
そもそも俺が文字書けなかったらどうしてくれるんだ、職務怠慢で訴えるぞこの野郎。
そしてサノー、てめぇは絶対に許さん、ミストに泣きついてやる。
幸い、文字は書けるのですらすらと書いていける。
問題は俺の服の中で、俺のにピタッとくっついているロクロウだ。
「お、おのれ人間……! 陛下をサノーごときと比べて下に見ると言うのか……! 許さん、殺してやろうか!」
凄いロクロウを解放してしまいたい今日この頃、もう良いかな? ロクロウ出しても……破壊衝にを任せても良いかな?
俺、魔王になっちゃおうかな、卑劣な手段なら幾らでも思い付くんですけどこれ如何に?
「仕事を先に終わらせて貰えますか?」
「勿論ですよ、サノー様!」
様つけになってんぞこの野郎。
サノーは空気読んだっぽいけど、原因お前。
付嬢はサノーに見えない角度で俺を睨んでいる。
舌打ちのバッドコンボだ、俺からの評価がみるみる下がっていく。
……サスケとサイゾウがいたら死んでると思うよ、この付嬢。
ぶっちゃけマジで、止めようとも思わなくなってきた。
「こちら、ギルドカードです! 無くしちゃうと再発行にお金がかかるので注意してくださいね?」
「はい」
可らしく笑顔でサノーにギルドカードを手渡す付嬢。
そして偶然を裝い、サノーの手先をった。絶対に計算盡くしである。
「こちら、ギルドカードです。無くしたらもう発行しないので」
サノーがまじまじとギルドカードを見ている間に、俺へはギルドカードを放り投げると言う対応の差、言葉にトゲと悪意が散りばめられており、俺の心はひび割れ寸前。
ちょっと上司呼んでこい。
「それで何が依頼はけますか? サノー様! ……てめぇは登録終わったろ、とっとと消えろ」
ドスの聞いた低い聲で俺へと伝わるの言葉、け止めたら泣きそうだ。
「おいおい、こんな線の細い優男が冒険者!? バカ言うんじゃねぇよ」
お、テンプレが來た。
- 連載中131 章
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