《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》ギルドでのテンプレ(主観)

「……私と勝負して」

「さっきも聞いたんだけど」

何で2度言うんだよ。

「なら話が早い。さぁ、勝負……」

腰を落として背中の大剣を抜こうとする、やけに好戦的で凄い。

これはやってられないぞ。

「ちょ、ちょい待ち。やらないぞ? 何て構えるんだ」

「?」

本気で「戦わないの? 何で?」って顔してくるな、お前のがわかんねぇよ。

こっちが何で? ってじなんですけども?

「何で?」

「いや、何でもなにも戦う理由あるかな!?」

冗談じゃない、俺と戦うってことはお前、あれだぞ、弱いもの苛めだぞ!?

なんで見知らぬ子にボコボコにされなきゃならんのだ!

「……貴方、凄い魔力の量している。戦う理由、それで、充分」

「理由が何一つとして理解できない」

このは魔法使い全員に喧嘩を吹っ掛けてる事になるのだが……。

「勘違いしないで。誰にも彼にも喧嘩吹っ掛けてない」

「新人に喧嘩を吹っ掛けてる奴の言う臺詞だろうか」

決闘はけるか? 答えはNOだ。

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戦闘狂なら家に幾らでも居るので持ってって下さい、そして俺には構わないでほしいところだ。

「私は、魔力が見える。貴方はかなり強いと見た。勝負」

「ちくしょう! とんだクレイジーな奴に絡まれた!」

魔力見たら強さわかんのか?

なにそれ、超怖いんだけど……そもそも俺にそんな魔力量持ってないと思うんだ、だって出來ることって最下級の魔法位なんだもの。

「貴方の魔力量、化け並み。まるで魔そのもの」

は人間と比べると割りと高い魔力の保有量を有しているそうだ。

しかし、魔並みねぇ……【魔化】は一瞬自分に使ってやろうかと思ったが、俺はちゃんと人間だぞ? ……たぶん。

……魔

チラリと服を見ると微かにプルプルと震えた。

うん、これ、多分ロクロウの事だと思うんだわ、だって魔だしスライムってほぼ魔力の塊みたいなものだし。

となると、このはロクロウの魔力を俺のものだと思った訳だ。

はっはーん、なるほどね、そうかそうか理解したぞ。

理解したのは良いが、何の解決策にもならんのだがな、完全に自業自得をしてしまったじがする。

「理解した? なら、勝負」

「しねぇよ、剣しまえや短気か」

おっと素が出た、危ねぇ。

戦闘なんて殆どやったことないしな……あ、こんな時はサノエモン、ヘルプ!

素晴らしい速度でサノーを見ると一瞬視線が合った。

あ、あの野郎、逸らしやがった! 他人のふりしてやがる。後でぶっ飛ばす(ムリ)。

サノー達の方の騒ぎもまだまだ続いていた。

サノーが遊んでいる様で、脂汗まみれのおっさん達が余計に脂汗まみれである。

そんなおっさん良いから、こっちに強そうなのいるから代わってくんない? え、駄目?

何で? 暴れたいんだろ? 暴れさせてあげるからさ、ほら、早く來てよ。

そんなサノーはもう目線すら合わせてくれない。

そして集まった冒険者達はサノーの新人離れしたきに夢中である。

そりゃそうだろう、魔だもの、正真正銘の化けだもの。

俺みたいなただのダンジョンマスターとはレベルが違うのだよ、レベルが。

そして蚊帳の外な俺とこの変な、明らかにこっちの方がヤバいのに、誰も見てない辺り辛い。

誰か止めてくれる人はいないかとキョロキョロするけど皆不自然に目をそらし、サノーの戦いを見ているのだ。

この逸らし方、とんでもなく嫌な予がするのは俺だけだろうか。いや、違う。

「あの年、大変だな。まさか『竜狩り』に目をつけられるとは」

「え、あのの子が『竜狩り』なのか!?」

スッゴい不吉な単語が聞こえてくるのは気のせいだと思いたい。

他の冒険者達は遠い目をしている、この時點で嫌な予はぬぐえない。

うん、きっと俺以外にも絡まれている人がいるんだろうなぁ~。

「何処見てる? さっさと勝負」

「ほ、ほらあそこに強そうな人がいるよ? 俺なんかよりもあっちの方が良いんじゃない?!」

恐らく俺の笑顔は引き吊っている事だろう、だがこの戦いを回避しなければならない。

負けられない戦いが、ここにあるのだ! と、どさくさに紛れてサノーを代わりにしよう。

提案してみると首を振られた。

「あの人も強そう。だけど取り込み中、だから、まずは……貴方」

本當にどの口が言ってるんだこの野郎。野郎ではないが。

俺今依頼ボード見てたじゃん、現に依頼書手に持ってカウンター行こうとしてたじゃん、絶対俺の方が忙しいじゃん!?

「今から依頼けようかなー、あー、忙しいなー! これは決闘は無理かなー!」

「私も手伝う。早めに終わらせて勝負する」

なんでそうなる。

なら、向こう手伝ってこいや! そして戻ってくるな!

「な、なら向こう手伝ったら良いんじゃない? そしたら戦えるよ」

「人の戦いの邪魔はしたら駄目」

なら俺の依頼の邪魔を止めてほしい今日この頃。

腰に両手を當てて絶壁を反らす水髪の。需要はなさそうだ。

あれか、依頼は邪魔には含まれませんってか? 何その自分ルール、理不盡では無いでしょうか。

「依頼けない? なら始める」

直ぐに大剣を抜こうとするこの、待ての出來ない犬より質が悪い。

待てが出來ずに餌を食べるならまだしも、噛みついてくるのは違うだろ。

「ん、かかってこない? なら私から」

「え、うおっ!?」

背中に擔いでいた大剣を難なく抜き、俺の脳天目掛けて一刀両斷してくるだが、ギリギリ、本當にギリギリでかわせた。死ぬかと思いました。

「ちょい! 何すんだコラァ!」

「流石にこの程度は避ける。面白い」

「話し聞こうか!?」

因みにさっきの一刀両斷により、ギルドの床がバッキバキに砕けている。

おい、誰か見てないで助けてくれ。

「こんな室で暴れたら迷だ! 止めよう。今すぐ止めよう、そして願わくば帰れ」

必死の懇願が伝わったのか、大剣片手に空いた手を顎に持っていき考える素振りをしている。

よし、これで勝負は有耶無耶、俺の勝ちだな。

「室は確かに危険。訓練所に行く」

そっちをとるか。

呆れ半分で見ていると不意に襟首を捕まれ息がつまる。

良く良く見るといつの間にやら大剣子に引き摺られており、この方向は間違いなく外である。

「あのー、何処に行くおつもりで?」

「外で戦う」

「斷る、離せ、離してください!」

「嫌々言ってるけど抵抗してない。つまり嬉しい」

「意味がわからん!」

抵抗してるわ、ジタバタ必死にやってるわ!

このバ怪力め、びくともしない!

抵抗空しく、俺は外に連れ去られるがままで、微かに見えたギルドの中では他の冒険者達が苦笑いしていた。

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