《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》面倒な決闘
ギルドには訓練所と言うものが存在する。
どんな冒険者にでも使用は自由で、特に面倒な申請とかもない。
技を磨きたい冒険者や、パーティー間での連攜の練習、冒険者同士で手合わせをしたりすることで冒険者の質を高めているそうだ。
中には手合わせを通して関係にまでもつれ込んだ猛者もいるらしく、ちょっとした出會いの場にもなっているそうだ。仕事しろ。
し面白いと思ったのは、パーティー同士での団戦や勝ち抜きバトルなどもあるそうで、しだけ観てみたいなと思った。
冒険者が一どんなレベルでの戦闘をするのか、実力を測る良い機會だと思う。
本音はちょっとした興味だ、だって魔法使って戦うところとか観たいじゃないか。
訓練所の説明は未だに俺を引きずっている『竜狩り』とか大層立派で関わりたくない奴ぶっちぎり一位のに聞いた。名前はまだ知らない。
『竜狩り』、つまり異名持ちとか言う奴だろう。とても恥ずかしい異名だが、剣と魔法の世界であろうこの場においては何だかカッコ良くじる。
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……俺の異名はどうだろうか『ダンジョンマスター』とか、『スライム親分』とか、『異世界ムツ○ロー』とかだろうか。
非常にダサいので、異名はやっぱり要りません、辭退します。
話を戻そう。
つまり異名持ちはきっと強い。
それはもう、異名と言うくらいなのだからアホのように強いだろう。
そう言えば冒険者ランクを聞いてなかったな……多分B以上なのでは無いだろうか。
あ、? バカだな、どうみてもB以下だわ絶壁、まな板、床畳、頑張ってあげられる冒険者のランクとは違い、これはもう運命的なものだと俺は思うわけだよ。
いや、彼はきっと絶壁の代わりに強さを手にれたのだろう……なんとも悲しい過去だ。妄想だがな。
しかし心なしか、俺の襟首を摑んでいる手に力がっている気がするが、気のせいだと思いたい。
つまりだ、このは間違いなく強い。
ならば、偵察の余地はあると言うこと、じっくり観察したいところだが、こう言うのはサノーに押し付けたかった。
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そもそもそのつもりで連れてきたのにあの野郎、付嬢全員を虜にするだと!? 許せん!
俺の実力でこのの力量を見定める事なんて出來るわけないじゃん! バカなのかな!?
よし、ここはアッサリと負けてサノーにバトンタッチだ、それしかない。
決して嫌がらせではないぞ? 適材適所、臨機応変、商売繁盛だ。最後は良くわからないが適當に並べただけである。
「陛下のご活躍、このロクロウ確と目に焼き付けましょう!」
無駄なプレッシャー與えんじゃねぇよこのスライム野郎、ぶっ飛ばすぞ。
「相手は『竜狩り』と呼ばれる大層な異名持ち、しかし陛下からすれば路傍の石ころ。いや、塵に等しい! ここは格の違いを見せつけましょう!」
すっげぇ熱いわ、外堀見事に埋めていきやがってこん畜生が、お前らどんなビジョンで見てやがんだ、あれか、ハイレゾって奴か? 高畫質TVか!?
まぁ良い、俺はこの狀況を打破する作戦がある、全然問題ない。
「著いた。勝負する」
ぼちぼち考えていたら、到著したようだ。
おで服の土汚れが凄い、もっと丁寧に運んでしかったわ。
「服の事いちいち気にしてたら外で死ぬ」
「はいはい、ごもっともで」
お前も泥まみれにしてやろうか!?
というか本當にやるのか、勝負……。
俺達の會話をギルドで知らない顔をして眺めてた奴らも何だかんだギャラリーとしてし離れたところから見ている。
こん畜生! 助けてくれても良いだろ、バチなんて當たらないぞ! 神は適當な奴だから!
あ、目を反らしやがった。
顔覚えたからな! 覚えてろよ!
そして何故か知らんがサノーが複數の付嬢を侍らせて見學に來ていた。
そして本當に何故か知らんが、さっきまでやりあっていた筈のおっさん連中も一緒だ。
お前ら全員仕事しろよ、特に付嬢、怒られるぞ。
「? どこ見てる。相手はここ」
ずいぶんとやる気に満ちているご様子で、これは戦闘の回避は無理と見た。
仕方ない……俺の実力、見せてやろうじゃないか!
その場で構える。
「武はないの?」
「全部売った」
金がありません。
「そう、手加減はしない」
できればしてしいです。
「この銅貨が落ちたら始める。心して」
その落ちた銅貨貰っても良いでしょうか? あ、駄目? すみません。
そしては親指で銅貨を弾く。
キィィィンと音をならし、真上に打ち上げられた銅貨はものの數秒で地面へと落ちる。
「ふっ!」
落ちていく銅貨を勿無いなぁ、と思い眺めていると掛け聲と共に視界の隅から影がる。
そこに視線を注ぐと、間違いなくが振るっている大剣だと分かるが、俺は素人だ。
とっさにが反応するなんて事はない。
大人しく吹き飛ばされるべきだろうか。
俺の橫っ面を狙われた一振りにあたる寸前、が反応ししゃがむことで回避をする。
しかみに當たり、何本かハラリと落ちたときに背筋がゾワッとした。
マジで怖い。
……が勝手に反応したぞ? これはもしや未だ見ぬ力が開放された的なあれか?
俺フィーバーが始まるのだろうか!?
「陛下を傷つけるものは私が許さん! 陛下、差し出がましい真似をして申し訳ありません! ですが、おに何かあっては困ると……」
覚醒的な奴は勘違いで、ロクロウが服を強引に引っ張った結果だった。
いやぁ、助かったわ。危うく死ぬところだったから。
「流石、良い目を持ってる」
何やら評価されたご様子。
やろうと思えば追撃できたと思うんだが、距離を取った辺り、まだ様子見の段階なんだろうか。
「私を欺く、凄い。銅貨を見ているだけだと思ったら捕捉されてた」
勘違いである。
俺の視線は間違う事なく銅貨に一直線だった。
完全に視線導されていたのは俺の方か……いや、勝手に銅貨見てたのは俺か。
「油斷は良くないよなぁ。うんうん」
「っ! 新人離れしてる。もう油斷しない!」
地面を強く蹴りつけ、大剣というか重量のある武を持ちながらも素早いきで接近してくる。
俺は何か焚き付ける事でも言ったのだろうか……やる気に満ちている様な気がする。
てか、はやっ! 無理だろこれ!
慌てて後ろに退こうとするが、突然空の景に切り替わる。
いきなりの事で何があったかは分からないが、理解しようとしたら頭を打ったのか目眩がする。も痛い。
同時にまた橫薙ぎにされた剣が通過、またロクロウの仕業だろうか。
あと何か足に當たった気がするけど気のせいだろう。
「さすがは陛下! この程度の攻撃に難なく対処とは……」
どうやら違うらしい、現狀を確認してみると、俺は石に躓いただけのようで、そのせいで餅と頭を打った。
だから空が見えたと、なるほど偶然とは恐ろしい。
ここは自分の幸運に謝しておくとするか。
あのはまた追撃してこなかったが、油斷しないんじゃ無かったのかね?
チラリと見てみると、腹を抑えて踞り後退している。
なにごと?
「くっ、見たこともない回避と反撃……強い」
うん、さっきの足のは蹴っちゃったのだろう。
なんか、の子を蹴るのは申し訳ない気がする、後でちゃんと謝ろう。
ひとまず立ち上がり、様子見。
ここで大事なのはバレないように落ちている銅貨を拾うことだ、手持ちゲット!
「私は貴方を舐めすぎ。全力で行く」
何でだろう、怒らせたみたいだ。
やっぱりあれかな、お腹蹴られるのは嫌だったかな。
わざとじゃないんです! 許して下さい!
それとも銅貨を取ったのがバレたか? だって拾わないんだもん、お金無いんだもん、これくらい許してしい。
「陛下、あのものかなりやります……! 如何致しましょうか?」
「そうだなぁ、ここは負けとくか」
「何と!」
もうここまで行けば善戦したと言うことでギャラリーも納得してくれるんじゃ無いだろうか。
そもそも戦うつもりは無かったわけだし、ロクロウが期待してくるからし頑張ったけど服が土まみれになっただけだし、目立つつもりないからね。
「ロクロウ、俺はあくまで街の人間の強さを計りに來たわけだ。つまり偵察、目立つつもりは無いぞ」
「な、なるほど、仰る通りです。陛下の力があれば、この程度の相手いつでも潰すなど容易いですからね! 流石は陛下、先を見通しておられます!」
何そのヨイショ。
恥ずかしいから止めてくれる?
「はあっ!」
先程と同じように踏み込み、剣を振るうだが、その速度は比ではない。
數段早く、數段威力も違うんだろうな、俺からすればどちらも見えないので違いが分からない。
「ロクロウ、あの剣止められる?」
「私の実力ではギリギリと言うものですが威力位なら消せます」
あの速さに対抗は出來る辺り、ここのスライム達はバグっていると思う。
「一瞬目眩ましするから威力だけ消してくれ。あとは演技するから」
「はっ、このロクロウ。陛下のおみとあらば!」
と言うわけで食らえ、【暗転】!
手をつきだし、イカやタコなどがやる墨吐き程度の目眩まし、最下級闇魔法の【暗転】を使うが、一瞬で払われた。
だが、本當の狙いは、ギャラリーにも、このにもロクロウの姿を見せないようにカモフラージュさせるために使った。
しかし失敗したのがこれ、俺にも見えないのでロクロウがどうやって止めるのかが分からない。
けど、何やら金屬音がなったので、武でも持ってたのだろうか? 渡した覚えはない。
そしてある程度減衰した剣速と軌道に會わせて飛びながら倒れ込み、敗北を演出、ついでに土まみれになってやろう。
「ぐっはぁぁ! やられたぁ!」
ちょっと失敗して割りとマジで大剣當たったけどこの際気にしない。
飛んでいる間にロクロウがするりと服にり、完全犯罪の完だ。
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