《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》アスカの話

私は今、コボルトの群れを掃討しギルドに戻ってきていた。

もうしでコボルトの主と戦うと言うところで群れが全員逃げ出してしまい、消化不良だった。

依頼としては追い出せたのだからギリギリではあるけれど達と言う形になって報酬をもらうことが出來たけれど、今後も現れないとは限らない。

「む、何でいなくなった」

コボルトの事は終わったこと……だけどこの話は別。

私は今、コボルト討伐依頼の最中にいなくなっていたクロトをテーブルを挾んで睨んでいる。

「い、いや森で迷子になっちゃって……あは、あはは」

視線を合わせないでヘラヘラと笑っているクロトは、反省していないみたい。

「噓」

「噓じゃないって、迷子に、迷子になって、うろうろしてたら……依頼が終わってました」

本當なら視線を合わしてしい……。

會ってまだししか経っていない……けどクロトは不思議な人だった。

私の家は代々【魔眼】を持っている家系。

そんな私も魔力を見ることが出來る魔眼を持っているし、更には々スキルも持っていて結構強いと思っている。

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クロトは一見弱そうに見える。

でも魔力を見たとき、異質な魔力を持っていて私は驚いた。まるで魔かと思うほどだった。

私にしか分からないけれど、魔と人間の魔力はし違う様に見える。

で例えると人間は暖、魔は寒で見える。

でもクロトはその両方を持っている事が見て分かる。量はそこまでだけど……。

でも明らかに異質、まるで服の中に魔れるでもしないとこうはならない。若干魔の魔力の方が高い?

そして隣にたっている男、サノーだったかな。

彼はただの人間だ、暖だし……私の目を誤魔化せるのは私より強くないと駄目だから。

戦ってみたけどそこまで強いじはしなかった。クロトもそうだ、最初は弱いと思っていたけど最後の最後に私の剣をけ止めたから。

強さが分からないのは怖い、クロトは私が初めて恐れる存在かもと思っていた。

でも、話してみれば割りと抜けているし、何か企んでいる様には見えなかった。

それに……私に付き合ってくれる。

お父さんにも言われた事がある。

私は手加減とか相手に合わせる事が出來ないと。

最初はあまり気にしてなかった、冒険者になればついてこれる人はいっぱいいるって思ってた。

皆最初は付き合ってくれるけど、後々斷られるようになって……目も最近じゃ會わせてくれない。

これは流石に傷付いた。

クロトには魔力の興味だけで突っ掛かったし、多分私から逃げると思った。

案の定、本當に逃げられたから落ち込んだ。

おまけにサノーって言う人を囮に使った事で私は深く傷付いた。

だからキンって以前一緒に依頼をけてた冒険者からクロトの報を聞いたとき、嫌われるならとことん嫌われようと私は思ってた捕まえに言った。

捕まえたとき、抵抗はするけど、恐らく本気じゃなかったと思う……非力だったから手加減されたのかも知れない。

何だかんだと依頼をけてくれたし、採取だったけど。

採取は初めてで、クロトもそうだと言っていたけれど私は負けたのだ。

魔眼があると言うのに……ちくせう。

多分対抗心があったと思う。

同年代の友達なんて居なかったし、多分クロトを勝手に友達と思ってしまった。

クロトは採取では良いところを見せてくれた、だから私も討伐では良いところを見せようと思った。

そんな矢先にコボルトの依頼が來て、チャンスだと思った。

無理矢理クロトを連れていって、いざ、始まる。そして気がついたらクロトは居なくなっていた。

先行しすぎた私が悪いかも知れないと思った、クロトは初心者なのを失念していた。

後ろにはいるだろうと思って探したけどいないし、おまけに出てくるのもコボルトだけで長や主が出てこない。

暫くコボルト達を薙ぎ倒して、いよいよ最後と言うときにまさか逃げられたのだ。

で私は長も主も見ることなくギルドにトンボ返りだった。

最後に、クロトらしき影を見たけど、クロトは本當に迷子だった?

じっと睨むけれど、口を割らなさそう……諦める。

「む、迷子って事にする」

「ふぅ、流石俺、言い訳の天才」

「何か言った?」

「いや、ナニモ」

クロトは本當に良く分からない。

でも、見ていて飽きないと私は思っている。

「じゃあ次の依頼に……」

「アスカさん、お手紙が屆いていますよ」

クロトを依頼におうと思っていたら付嬢が手紙を持ってきた。

……嫌な予がする。クロトが一瞬依頼って言葉を聞いて顰めっ面になってたけど気のせいだ。気のせい。

手紙は……お父さんだ。

私のお父さんは実は、王國の騎士団長で強い。私に甘いところはあるけれど、厳しく指導もする。

今回の手紙は……どうやら私に依頼があるようだった。

父ではなく、騎士団長として……また竜だろうか。

むぅ、乙心の分からないアホ親父……クロトとまだ遊びたかったけれど仕方ない。

「クロト、私は行かなければならない」

「へ? どこに」

「依頼、暫くは戻ってこれない」

「そ、そうか。頑張れよ!」

し人の前だと言葉足らずになるけど、クロトは割りと理解してくれている。

変なだと思われてなければ良いけど……。

あと何か嬉しそうな顔してない?

「また、依頼しよう」

「お、おう。任せとけ」

そうして私は馬車に乗り込んで王都へと向かった。

「……なんだか、寂しい? 何で?」

馬車に1人揺られている私はなんだか、そんな気持ちになる。

見送ってくれたクロトは手を振っているが、どうにも寂しいとじる。

そこまで一緒に居たわけでもないし、依頼もずっと一緒だったのは採取の時だけ……。

でも、あんなに気軽に話したのはクロトが初めてかもしれない。

し前にも思っていたけど、他の冒険者は最初だけは接してくれたけど後々距離があるようにじた。特に注意とか止められる事もなかった。

でもクロトは誰にも得手不手があるって言ってくれた、それに私の無茶かもしれないドラゴン退治を全力で止めていたのだ。

『竜狩り』ではなく『アスカ』として接していたのは彼だけかもしれない。

うん、お父さんの依頼はさっさと終わらせて、私はもう一度クロトと依頼をけよう。

そうすればこの気持ちも何か分かるかも知れない。

今は目の前に集中することにした。

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