《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》報収集と作戦変更

俺は現在、マルタの街を宛もなくさ迷っていた。

「まさか図書館が無いとは……」

當初は、やっぱり時代を調べるには書でしょ! と意気込んで外に飛び出したのだが、行けども行けども店、店、謎のバーらしきと言う一切見つからない始末。

近くの人にキョドりながらも聞くと、

「図書館? そんなもん王都位じゃ無いかねぇ。紙は貴重だからね」

予想外だった。

そりゃ、魔導書が高額で取引されている訳だ。

新たに力を與える的な魔法やスキルが込められている魔導書、それを作るには高度な魔法技、さらにその魔力に耐えられるだけの質の良い紙が必要らしい。

それはあくまでも最近開発した技らしく、本來はダンジョンから取れるんだそうだ。

作れた人は偉いね! こっちはDPさえあれば幾らでも出せるんだなこれが! あっはは、勝ち組!

さて、そんなどうでも良いことはさておき。

「お? クロトじゃねぇか、こんなところでどうしたんだ? 依頼は?」

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愉快そうなおっさん……キンがいた、當然その側にはギン、それとドウもいた。

「あぁ、これはどうも。今日は依頼は休むつもりなので、し買いしようと思ってたんですよ、そちらは?」

「あー、その前にそんなに畏まって喋る必要はねぇよ。ドウはともかく、俺は気にしねぇからよ」

「は、はぁ」

「おいキン、俺はが小さいと言いたいのか?」

ドウは眉間をピクピクさせながらキンを睨み付けていた。

それを見ていたギンは宥めようと必死で、當のキンは話を聞いてもいなかった。

キンもそうだが、冒険者は畏まって喋られるのに慣れてないのだろうか。

こっちはそう言う社會で育ってきたから敬語や丁寧語は當たり前だったし、別に苦でもないんだけどな。

でも向こうが良いって言うなら仕方ないよなTPOだよTPO。

「見たところ依頼帰りなのか?」

「おうよ、ちっとばかし金が無くなってなぁ……昨日のコボルト討伐でも心許なかったからな」

先日けた(けさせられた)コボルト討伐の依頼で得た料金は銀貨30枚だ。

今泊まっている宿屋なら1ヶ月が30日だとするとそのくらいは泊まれる。

俺の懐は潤っているんだが、キン達はそうじゃないようで。

「やっぱ武や防なんかは高いんだよなぁ……冒険者は稼げるがその分裝備に金がかかるのが痛ぇ」

「でも兄さん、何度も言いますけど命には変えられませんって」

「分かってるっつーの」

んー、そう言えば武屋に行ったときも割りと値段は高かったな。

俺のおサイフじゃ買えないわけだからお飾り短剣を買った訳なんだが。

「その様子じゃある程度は揃えられたみたいだな」

「それでもギリギリだったけどな……」

「はぁ、暫くは酒は無しだぞ、キン」

「何でだよ!」

「お前の酒代が1番削りやすいからだよ!」

「理不盡すぎるだろ!」

至極まともな意見だとクロトは思いますよ。

さて、なにか面白い報が無いか揺さぶってみますか。

「お金かぁ、一攫千金を狙うならダンジョン・・・・・が良いって聞いたことあるんだけど、どこにあるんだ?」

その瞬間、目の前の3人の雰囲気がし鋭くなった。

一瞬の間だけ目を合わせた3人は、怪訝な表をしている。

おい、もぞもぞくなロクロウ。

ただ、その雰囲気もすぐに霧散し元通りになる。

「あーそうだな。ここらだと近くにはねぇな」

「あぁ、あるとしても王都の方だろう」

「そ、そうですね、この辺には全然! 欠片すらもありませんよ!」

ギンよ、それはあからさまにあることを伝えてるようでダメだろうに。

まぁ、ただいま絶賛脅し中なので、そう簡単に出すわけはないか。

「そうかー、でも俺じゃ難しそうだし……まぁ聞かなかった事にしてくれ」

「俺達でもダンジョンはあまり潛ったことはない。一先ずはこの街でランクを上げることを進める」

この様子ではまだまだばらす危険ないだろう。

ところでコイツらを見張っているスライム達はどこにいるんだろうか、うーむ、俺には分からない。

今回、「ダンジョンばらしちゃおうぜ作戦」から、「やっぱ怖いから暫くはにします作戦」へと切り替えたわけだし、キン達の監視はこのままと言うことで良いだろう。

「そろそろ他の買いがあるんだ、失禮するよ」

「ああ、そうだ! 今度何か依頼でもけようぜ、サノーって奴も一緒にな!」

「都合が合えば、ぜひ」

そう言うと俺は商業區の奧へと報収集のために歩きだす。

◇◇◇

この國の戦力ってどうなってるの? と聞くのは良いのだが、そうなるとお前どこから來たんだよとなるわけで……。

さすがに隣の國からですなんて答えれば隠のヘタクソなスパイにしか見えないし、そもそも隣の國から來た人間がこんなわりと辺鄙な村に來るのはおかしいと言うことで、遠回りしつつ報収集だ。

んで、ざっとおばちゃんやおじちゃんに心恐々としながらビクビクと聞いていくと、報は集まった。

1つ、この街自の戦力は大したことはないらしい。冒険者に頼りっきりな部分がある。まぁ、そのおで街の住民との中が良かったりするらしい。

2つ、王都までは馬車で10日程、結構遠いので、騎士団が來ることは滅多にないらしい。

3つ、料理はかなりのレベルで上手い。

國土ギリギリと言うわけでもないが中心でもないらしいこのマルタの街では、このくらいの報しか集まらなかった。

やっぱりんな場所に出かける商人や冒険者に話を聞くべきだったか……。

ただ依頼をけずに報だけ集めるとなると怪しまれる気もするが、冒険者なら大丈夫か?

冒険者の報収集はサノーに任せてるし、俺がわざわざ出張る必要はじないな、あわよくば腹黒男のサーバーか付嬢をも使って重要な報をゲットしてくれる事を祈る。

斷じて筋痛で歩きたくないと言うわけではない。

そうだ、アスカやコボルトの戦闘で大いに役立ってくれたロクロウに何かご褒を上げよう。

スライムはなぁ、飯も食わなければ睡眠もしないし、何かと言うものはあるんだろうか。

「ロクロウ、何かしいものとかある?」

「いえ、私ごときがそんな恐れ多い……お褒めの言葉さえ戴ければこの上ない幸せ!」

服に隠れて見えないけど熱意がじられる。

そのひんやりボディの中はマグマなのだろうか。

褒めるかぁ……それも良いけどやっぱりその上で何か渡したいと言うのは俺のだろうか。

ここに來る前には友達の山田にはわざわざお禮と稱して何かあげてたし……誕生日プレゼントなんて必ず親にも渡すからなぁ。

「護衛ありがとうな、これからも期待してる。お前は俺の"盾"だ一緒に頑張っていくぞ」

「……っ! 陛下、このロクロウ陛下へと一生の忠誠を!」

相変わらず固い奴だなぁ、ダイヤモンドかって話よね。

さて、ロクロウには何をプレゼントするかなぁ……。

小聲でロクロウと喋りつつ、商業區をひた歩く。

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