《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》サノーの話
【サノー】
私は人と言う生きが嫌いだ。
己のにを任せ、利己的な判斷をせず他者を平気で競り落とし自らは甘いをすする。
そんな存在ばかりだ。
そう言う私も元は人間だった。
ある1つの村に雙子として生まれ、多貧しいながらも村の皆と平和に暮らしていました。
し遠いですが街もあり、易もそこそこ盛んでしたし、不自由はありませんでしたね。
私は名前は忘れましたが、今現在の名でいうとウノーと共に村の自警団の様なことをしていました。
村の前で警備をしているといつもやって來るのが、私の使えているミスト様でした。
ミスト様は村長の息子で、私達を兄のように慕って下さいましたし、それは楽しい生活でした。
そんな生活が続けば良いと思っていたのですが、村は滅びました。
當時有名だった盜賊団に村を襲われ、村人はれなく殺、腕に自のあった私とウノーですが、ミスト様を守り切れず、捕らえられました。
同い年の友人もないながらもいたのです、當然人も……盜賊によって目の前で恥辱を見せられ、その果てで私はけなくなりました。
Advertisement
憎かった、殺したかった!
かないで、朦朧とした意識ではその事しか考えられませんでした。
暫くは息はあったのですが、殆どが手遅れだと言うことは悟っていました。
そして冒険者が村にて盜賊を追い払うのを見て、希が見えました。
これで助かる、何人が生き殘っている? ウノーは? ミスト様は!?
だが冒険者がとった行は苛烈なでした。
ただえさえ盜賊か荒らしていった村を漁り、何もないと分かると火を放ち、殘りの微かに息のある村人に止めをさしたのだ。
頭が真っ白になりましたね。
助かると思っていた村人達の悲鳴が聞こえ、どんどん殺されていく、そしてその目標は私になり、そこで私は命が盡きた。
そしてどれくらい時が経ったのでしょうね。
いつの間にかゾンビとして復活した私には復讐心しか無かった。
だがきは緩慢、生きていたころに比べては數段劣っており私は生き殘ることを優先した。
その生き殘りの過程でボロボロになった村にときおりやってくる人間を見つけては不意打ちで殺すなどを何年も繰り返していると、進化をし遂げた。
Advertisement
グールだ。
思考もある程度はクリアになり、きは生前よりは遅いものの他は格段に人間離れしていたのだ。人間では無くなっているのですから當然ですね。
私はある一定の區畫からはかずに過ごしていたので他にゾンビやグールがいるのかは確認していませんでした。そこで探索をしてみると、ウノーがいたのです。
ぐちゃぐちゃな顔で分かりづらかったですが勘ですかね、すぐに確信しました。
なら彼もいるのではと思い探しましたが、運命は殘酷です。完全に焼かれていたのか姿は見えませんでした。
ですが、幸運なことに、ミスト様がいたのです! ……私達とは姿がかけ離れていましたが。
なんでもワイトに進化したのだとか、なんだか弟に抜かされた気分ですが、元々は配下のようなものなので當然かと。
それから時が過ぎました。
ミスト様は人間に対しては友好的に行きたいと言っておりましたが、私は反対でしたね。
殺を躊躇いなくやる盜賊はともかく、救ってくれると思っていた冒険者ですらもう信用が出來ないのです。
裏切られたのになぜまだ信じようとするのかが疑問ですね。
それからと言うもの、幾度となく人間と渉をしようとしたミスト様は悉く失敗しました。相手は出會い頭で剣を振ってくる野蠻な者共です、失敗も當然です。
結局は強いとは言えどもミスト様も子供、自信は喪失し、來たものは撃退するようになりました。
この村を守ることだけを考えるようになりました。
そして、再び現れた平和が崩れる時が來ました。
たった1人の、力も無さそうな男がやって來たのです。スライムを2匹連れて。
またいつものように撃退をミスト様がしようとすれば、初めての會話をしようとしたのだ。
今までは言葉をわしても罵倒されるしか無かったのに、初めての経験だった。
そして結果、私達は負けた。
戦いですらないのに、卑怯なやり方で負けたのだ! 許せるか! 所詮は人間、己の事しか考えぬクズだったのだ!
私は殺してしまおうと1歩踏み出しましたが、止められました。他でもないウノーによって。
なぜ? と視線を送っているうちに話が進んでしまい、友好は諦めた筈のミスト様は人間、クロトとやらと友好関係になってしまった。
そこから生活が変わりました。
村を離れダンジョンなるものに住み、さらには名前まで與えられた。
私は信用が出來ない、あの人間もいずれ裏切る。そのときは殺す。
さらには街に護衛として連れていかれました。人間が嫌いな私に何をさせようと言うのだこの男は!
だがこれはチャンスです、ロクロウと言うスライムもいるが、まだ私の方が強い。
機會があれば殺るつもりです。
そこには人間が沢山いた、それだけで殺意が沸いてくる。なぜ、お前らの様なものが平気で笑っている、なぜ、そんなに幸せに暮らしている!
なぜ、貴様らが幸せに暮らせていて、私達の村が不幸にあわねばならなかった!
今すぐにでもこの景をぶち壊したいと思いましたが、ミスト様からの命令で人間、クロト様には従うように言われている。
そんな彼からは暴れないように言われているので無暗に行には移せない。
冒険者ギルドへと足を運ぶ。
冒険者に殺された私が冒険者になるとは皮な気もする。絡んできた人間は八つ當たりに付き合ってもらいます。ぼこぼこにすれば迂闊には近寄ってこないと思ったからです。
するとどうだ、結果は逆だ。
付のがよってくる、他の冒険者もだ、非常に不愉快に思う。
クロト様が空気になっているのは思わず笑ってしまった。
クロト様は『竜狩り』とやらに喧嘩を売られ、私まで後で巻き込まれた。
『竜狩り』は恐ろしく強く、私でもまだ勝てないと思い、その時點で街の破壊は頓挫する。
私ではまだ屆かない領域だったからだ。
それからコボルトの討伐など、私は極力人間には関わらないように依頼をこなす。
そのおかランクが上がってしまい余計に目立ったのは愚作でした。
仮にもクロト様よりも上となった訳ですからね、あの人本當に私に嫌がらせをしてくるのですから困ったものだ。
あの悪戯っ子のようなときおり見せるものはミスト様や今は亡き人も思い出す。
まぁ嫌いですけど。
オカガゼルに無様に負けたのは今後もネタとなるでしょう。
彼は変わっている。
十勇士と言う全力を出せば街の1つや2つ潰せる勢力を従えているのにも関わらず協力してもらっていると言うのだ。
そして不本意ながらも配下の私にも命令らしいことはしない。あくまでも頼むのだから。
魔を魔として見てないと言いましょうか、人と接するときと同じ様です。
意味がわかりませんね、支配する方が容易いと言うのに。
私には理解が出來ませんね。
淡い希を持つと無慘に足蹴にされると言うのに。
その後、ミスト様とダンジョンの分であるラビィ様が喧嘩したとのことでダンジョンに戻ることとなりました。
ミスト様のお世話はウノーに任せていた筈ですが、どうして?
ダンジョンに戻り、クロト様と別れた私はすぐにミスト様が住む家へと戻ります。
ゴミ屋敷でした。
おかしい、確かに出てくる時には隅々まで掃除をしたはず、數日は空けてしまいましたがそれでも、そこまで掃除が得意ではないウノーでも多汚れる程度に終わる様に計算した筈……なぜ!?
どれほど呆然としていたのか、クロト様も駆けつけた様です。
私もミスト様を叱りたい気持ちはありますが、ここは任せるとします。まずはウノーの奴です。
なんとあの男、面倒だと言う理由で掃除をしなかった様です。
あいつは! 昔からそうだ! すぐに楽をしようとする、私が生前追い詰めた獲を橫取りしたり、月に1度のおやつを盜み食いしたり!
あぁ! もうイライラしてきた!
ウノーは、そこでお話しです。
その後はミスト様を叱って、掃除して……やることが多すぎます。
「はぁ、取り敢えず罰としてお前らからは権限を剝奪んで、2週間ホブゴブリン達の畑を手伝え。以上、解散、俺は疲れた」
「え、ちょ!? 畑!?」
「く、クロト~、お願い許してぇ~」
と、こんな聲が聞こえました。
「あ、おやつも無しな」
この時のお二方の絶しきった顔は忘れられないでしょう。
不本意ながらクロト様、グッジョブです。
ミスト様はここに來てからは楽しそうに過ごされている。
これは不快ながらも、クロト様がダンジョンに移住させてくれたおでしょうね。
私達を利用いや、協力でしたか? そういう魂膽はあるものの、こちらのことを考えてはくれてるようですね。
ですが、ミスト様を裏切るような事があれば私は絶対に貴方を躊躇いなく手にかけましょう。……そうはならないように願いたいものですね。
あ、ウノー! 逃げないでください!
- 連載中38 章
6/15発売【書籍化】番外編2本完結「わたしと隣の和菓子さま」(舊「和菓子さま 剣士さま」)
「わたしと隣の和菓子さま」は、アルファポリスさま主催、第三回青春小説大賞の読者賞受賞作品「和菓子さま 剣士さま」を改題した作品です。 2022年6月15日(偶然にも6/16の「和菓子の日」の前日)に、KADOKAWA富士見L文庫さまより刊行されました。書籍版は、戀愛風味を足して大幅に加筆修正を行いました。 書籍発行記念で番外編を2本掲載します。 1本目「青い柿、青い心」(3話完結) 2本目「嵐を呼ぶ水無月」(全7話完結) ♢♢♢ 高三でようやく青春することができた慶子さんと和菓子屋の若旦那(?)との未知との遭遇な物語。 物語は三月から始まり、ひと月ごとの読み切りで進んで行きます。 和菓子に魅せられた女の子の目を通して、季節の和菓子(上生菓子)も出てきます。 また、剣道部での様子や、そこでの仲間とのあれこれも展開していきます。 番外編の主人公は、慶子とその周りの人たちです。 ※2021年4月 「前に進む、鈴木學君の三月」(鈴木學) ※2021年5月 「ハザクラ、ハザクラ、桜餅」(柏木伸二郎 慶子父) ※2021年5月 「餡子嫌いの若鮎」(田中那美 學の実母) ※2021年6月 「青い柿 青い心」(呉田充 學と因縁のある剣道部の先輩) ※2021年6月「嵐を呼ぶ水無月」(慶子の大學生編& 學のミニミニ京都レポート)
8 193 - 連載中308 章
【書籍版発売中!】ヒャッハーな幼馴染達と始めるVRMMO
【書籍化いたしました!】 TOブックス様より 1、2巻が発売中! 3巻が2022年6月10日に発売いたします 予約は2022年3月25日より開始しております 【あらすじ】 鷹嶺 護は幼馴染達に誕生日プレゼントとして、《Endless Battle Online》通稱《EBO》と呼ばれる最近話題のVRMMOを貰い、一緒にやろうと誘われる 幼馴染達に押し切られ、本能で生きるヒャッハーな幼馴染達のブレーキ役として、護/トーカの《EBO》をライフが今幕を開ける! ……のだが、彼の手に入れる稱號は《外道》や《撲殺神官》などのぶっ飛んだものばかり 周りは口を揃えて言うだろう「アイツの方がヤバイ」と これは、本能で生きるヒャッハーな幼馴染達のおもり役という名のヒャッハーがMMORPGを始める物語 作者にすら縛られないヒャッハー達の明日はどっちだ!? ※當作品のヒャッハーは自由人だとかその場のノリで生きているという意味です。 決して世紀末のヒャッハー共の事では無いのでご注意ください ※當作品では読者様からいただいたアイディアを使用する場合があります
8 72 - 連載中60 章
わがまま娘はやんごとない!~年下の天才少女と謎を解いてたら、いつの間にか囲われてたんですけど~
―――― この作品は、ヒロインの女の子のかわいさをお楽しみいただくための作品です。 冴えないけど誠実な主人公が、最強スペックだけど性格が殘念なヒロインに口説きまわされつつ、一緒に正體不明の妖怪「ヌエビト」の正體を明らかにしていきます。 そのため、マイルドな會話と少しのミステリー成分を含んでおります。 謎解き、のじゃ口調、積極的な女の子が苦手な方は、食中毒にご注意の上でお読みください。 大丈夫、死ぬことはありませんから。 ―――― 2017.4/3~4/5 日間ジャンル別推理ランキング1位になりました。 2017.4/5~4/9 週間ジャンル別推理ランキング1位になりました。 2017.12/31 本編完結しました。 第二回モーニングスター大賞「社長賞」頂きました。 本當にありがとうございます! ―――― 表紙のイラストは「ぶわる」様に描いていただきました! 作中の地図はINKERNATE WORLDs(https://inkarnate.com/)様で作成しました。
8 172 - 連載中557 章
戦力より戦略。
ただの引きこもりニートゲーマーがゲームの世界に入ってしまった! ただしそのレベルは予想外の??レベル! そっちかよ!!と思いつつ、とりあえず周りの世界を見物していると衝撃の事実が?!
8 74 - 連載中81 章
ランダムビジョンオンライン
初期設定が必ず一つ以上がランダムで決まるVRMMORPG「ランダムビジョンオンライン」の開発テストに參加した二ノ宮由斗は、最強キャラをつくるために転生を繰り返す。 まわりに馬鹿にされながらもやり続けた彼は、全種族百回の死亡を乗り越え、ついに種族「半神」を手に入れる。 あまりにあまったボーナスポイント6000ポイントを使い、最強キャラをキャラメイクする由斗。 彼の冒険は、テスト開始から現実世界で1ヶ月、ゲーム內部時間では一年たっている春に始まった。 注意!!この作品は、第七話まで設定をほぼあかしていません。 第七話までが長いプロローグのようなものなので、一気に読むことをおススメします。
8 70 - 連載中111 章
幻想魔動人形記
新・幻想入りシリーズ とある事であっさり死んだ未練たらたらの青年、気持ちを新たに取り敢えず閻魔の所に行こうとするも、謎の光(魔法)の穴(円)に吸い込まれてしまう。新たな人生の幕開けとして・・・ 穴に吸い込まれた護速(ごそく)霊夜(リョウヤ)は、魔動人形に取り込まれ、新たな體を得る。 この話はそんな青年の幻想録だ
8 133