《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》レッツ、収穫祭! その2
「ぬおおおお! なんじゃこりゃぁぁぁ!」
そんな聲が聞こえて、気になった俺は聲の方へと走り出す。
えーと、確か向こうは大エリアだったか?
「兄者! そこに行ったぞ!」
「わ、分かってます! む、すばしっこい……」
そこにはおかしな景が広がっていた。
藍のスライムであるイサと青のスライムのセイカイが、野菜を追いかけて走り回っていた。
野菜を追いかけて……。
「いや、何でだよっ!」
思わずんでしまった俺に気がついた2匹は野菜を追いかけるのを中斷し、こっちに向かってくる。
「これは主様、ようこそおいでくださいました」
「よう、主殿。様子見か? 今ちょっと手が離せないんだが……」
「イサ、敬なる主様への言葉遣いが不敬ですよ。なんども注意した筈ですが?」
「今はそんなこと言ってる場合じゃねぇだろ兄者よ」
「……それもそうですよね」
そう言ってため息を吐き出すセイカイ、うん、気持ちは分からんでもない。
「……これは、どういう事になってるんだ?」
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俺は足元にヒョコヒョコとすり寄ってきた大を鷲摑みにし持ち上げる。
ジタバタと手足を振って逃げようとする大……。
そう、手足があるのだ、この大。
見た目は普通の白い大だ、だが、違うのは真っ直ぐ綺麗に育ったではなく、足などが生えたように見える、いわゆるセクシー大そのものだ。
それが畑でうじゃうじゃとき回っている。
阿鼻喚だ。
「私達にも分からないのです。収穫をしようと引っこ抜いた瞬間にき出しまして、それがきっかけになったのか次々と出てきたんです」
「うーむ、白菜やじゃがいも畑じゃそうはならなかったんだけどな……まぁ、今は捕まえることが先だな。手伝うよ」
「本來なら私達がやるべきこと、お手を煩わせて申し訳ありません」
「主殿、本當に助かる」
謎過ぎる進化を遂げたセクシー大を収穫、もとい捕獲するために畑中を東奔西走する。
鷲摑みにしようとする。
アクロバティックなきで避けられる。
後ろからこっそり捕まえようとする。
急に後ろを振り返り、一目散に逃げ出す。
いっそのこと飛び込んで捕らえる!
跳び箱の如く俺を飛び越えていく。
「ちっくしょう!」
思わず地面を毆り付ける。地面がらかいおか痛くなかった。
いや、そんなことよりも、無駄に良いきしやがって、こんな野菜は見たことも無い!
まぁ、く野菜なんぞ存在しないんだから見たこともないのは頷けるんだが……。
「旦那、何一人で頷いてるんだ……?」
一人でうんうん頷いていたら目の前にちょこんとサスケが立っていた。
ジタバタともがいている大の山の上で……。
「お、サスケじゃん。え、この量全部捕まえたのか?」
「セイカイから要請があったからな、手伝いに來たよ」
「それは助かる。どうもすばしっこいからな……サスケなら適任だな」
うんうん、素早いサスケならばセクシー大よりも早くけるだろうし、グッジョブだなセイカイよ。
「あ、ちょっと捕まえたやつ見ててくれ」
「ん? おう」
手で抑えてても空いたところから逃げ出しそうだし……足と手むしっとくか。
お、かなくなった。と言うかけなくなったが正しいのか?
「旦那、結構殘酷なんだな……」
「え? 野菜だぞ」
「ま、まぁ良いや。他のも捕まえてくる」
そう言ったサスケは風を切ってそこら中にいるセクシー大達をあっさりと捕まえていく。
なんだろ、爽快があって大変清々しい気持ちになる。
ゲームで大量にいる雑魚を一掃している気分だ。
ものの數十分でセクシー大どもを捕まえたサスケが戻ってきた。
「サスケ、お疲れ様」
「あぁ、この程度は大したこと無いって……セイカイ、イサお前ら何してるんだ?」
たぶんジトッとした目でセイカイ達を見ているサスケ。
セイカイとイサは現在、まさしく俺のお膝元にちょこんと待機している。
「ご苦労様ですサスケ」
「いやーサスケ殿には頭が上がらねぇな! ガッハッハ!」
「どういたしまして……いや質問に答えろよ」
え、何が? と言うような態度をとり続けたセイカイとイサに諦めたのか、サスケは言及はしなくなった。
「まぁまぁ、その辺にしておいてくれサスケ。それにしても流石の速度だな、あんなにすばしっこい大を捕まえるとは」
「いやいや、あんなのは大したこと無い。お安いご用だ」
「おい兄者、おいどん達良いところ無しでサスケどんだけ譽められてるぞ」
「ぬぬぬっ! しかし、私達が役に立たなかったのは事実っ……け止めるしか」
「おいおい、旦那の膝に乗ってるくせに悔しがるんじゃねぇよ」
ガヤガヤと言い合いが始まってしまった。
ここは長くなりそうだな、ここの収穫は終わってしまったし、俺は次に行くとしようかな。
「悪い、次に行くとするよ。ここは任せて大丈夫か?」
「む、著いていきたい所ですが。頼みとあらば仕方ありませんね」
「ここはおいどん達に任せてくれ」
そういうわけで、次の場所へと向かうことにしようかな。
「じゃあ俺は旦那に著いていくかな……」
「「それは卻下だ」」
「ぬぉっ!? 離せ!」
ん? 何をわちゃわちゃしてるんだ? 仲が本當に良いんだな。
みくちゃにされているサスケを見て思わず笑みが溢れる。
もう一度挨拶をして俺はこの場を去ることにした。
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