《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》ラビィの長?
オークへと話を著けた俺、コスケと族長はなんとか真っ暗になるまでには戻ってくることが出來た。
外が暗くなれば當然、街燈なんてある筈もなく闇に包まれる。
そうなると夜に目の利かない俺は當然迷子になって帰れない自信しかない。
そういえばコスケや族長は暗くても見えるんだろうか、今度聞いてみるか。
ダンジョンへと戻った俺は、族長とコスケと別れ、マスタールームへと戻ることにする。
「主君ー、外に出るときはちゃんと呼ぶんだよー!」
「マスター、俺ぁ他の奴等にこの事を知らせて來るからここで失禮するぜ」
族長と跳ね回るコスケを見送って俺もマスタールームへと改めて戻る。
コスケは護衛もするけどどちらかと言うと外を歩き回るのを楽しみにしているじがする。
族長は、まぁ大丈夫だろ。仮にも族長だ、話をつけることくらいわけないと思う。
「さて、1人寂しくご飯だな」
食料は長の早い子供ゴブリンに食べ盡くされているだろうし、殘ってるわけないしな。
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◇◇◇
「あ、クロト。おかえりー」
マスタールームに戻ると、ラビィがゴロゴロとしていた。
こいつの脳みそは「食う」「寢る」「遊ぶ」でできていると確信できる。
「あれ、宴會は終わったのか?」
「うんー、クロトが出てってからすぐだったよー。クロトがいないとつまんないしさ。ご飯も子ゴブリン達がすぐ食べちゃうんだもん」
ゴロゴロ転がりながらラビィは俺の足元までやって來る。
結構大量に用意した気がするんだが、食旺盛だな、子ゴブリン達。これが長期という奴か。
気がついたらホブゴブリンになってたりしてなハハッ。
「ラビィ、食べた後に寢たら太るぞ」
「れでぃに向かって失禮だよ!?」
「レディなぞこのダンジョンには存在しない」
基本魔の集団、巣窟なのだから。
レディ……形の魔なら有名どころはサキュバスとかだろうか?
ふむふむ、3萬DP!? 卻下卻下! 見てみたい気持ちは勿論ある! だが、今の経済狀況じゃ無理!
サキュバスと言えばあれだよ、一般的なイメージとしてはボインな魔だろ? 男なら誰でも見たいとは思わんかね。
俺の場合はどちらかと言うと変な目ではなく純粋な興味から來るんだけど……。
ちらりとラビィを見る。
「ん? どうしたのクロト?」
「はぁ」
「何そのため息!?」
斷崖絶壁なコイツは本當に殘念な奴だ。
これで大人しい格ならともかく、元気はつらつだからな、そういう目で見ることはない。
「スライムでもくっ付けてろって話だよな」
「だから何の話!?」
さてそんなラビィは放置していだ俺は、飯を出そうとメニューを開いていく。
「あ、クロトご飯? 何にも食べてなかったもんね」
「あぁ、そうなんだよな。仕方ないっちゃ仕方ないんだけどな」
食べてたら族長を逃がしていた所だったし、こればかりはしょうがない。
「ご飯ならとってあるよー」
「へ?」
ラビィの言葉にし驚いた俺は振り向くと、ラビィは寢転がったまま、自分の後ろを指差す。
すると後方にある、俺とラビィが食事をするときに使うテーブルに、料理が置かれていた。
たしか、俺が宴會用に出した料理だった筈だ。
「すぐ居なくなっちゃったから食べてないかなと思ってさ、取っておいたの」
「ラビィ……」
俺は、すごく驚いた顔をしているだろう。
あの、自分勝手のの塊のようなラビィがこんな行を!
俺は思わず顔を手で覆い、しゃがみこむ。
それに驚いたのか、ラビィが慌てた様子で近寄ってくるのが分かった。
「えぇ! く、クロトどうしたの!?」
「ラビィが……ラビィにそんな気遣いが出來るなんて……!」
「大袈裟だよ! 私にだってこのくらい出來るから!」
「噓つけ、イチゴミルクまみれが」
「急に罵倒!?」
何はともあれはだ、俺は今している!
ここはラビィの優しさに甘え、食事をするとしよう。
「いただきます……ん?」
この料理、何かがおかしい。
野菜炒めとを焼いたって言う単純だが量は賄える料理だが、が殆どない、むしろ野菜しか殘っていないのだ。
ちらり、再びラビィを見る。
「ふすーふすー」
なんか下手くそな口笛を吹き、どうしても俺と目を合わせ無いようにしている気がする。
「……正直に言えば許すぞ」
「途中でお腹空いちゃって……」
呆れてものも言えないとはこの事か。
うむ、だがラビィが俺のために食べを取っておいたことは素直に嬉しいし謝している訳だ、今日のところは許してやろう。
それにしても野菜だけではこう、足りないと言うのは誰でも分かると思うんだ。
ラビィめ、野菜を食え野菜を。
俺は食べとか生活必需品にはDPを惜しまないと言うよりも料理自にさほどDPがかからないので、出すことにしよう。
うーむ、白米としょうが焼きで良いだろう、野菜炒めと合うし。
ほかほかのご飯と、これまた甘辛いタレのかかったしょうが焼きを取りだし、食べ進めていく。
うん、箸が進むよね。
「じーっ」
背後から視線、その正はラビィしかいない。
このいやしんぼめ……。
「食べるか?」
「うん!」
ラビィの分も料理を出して、俺たちは他もない話でその後、盛り上がった。
オークとの勝負まで、あと3日。
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