《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》両族の思い

【オーク】

ゴブリン共と縄張りの話をしていたら何故かワテら魔と言葉をわす人間がしゃしゃり出てきて、きちんとした勝負になることが決まり、ワテは仲間のオークに話をつける事になった。

「人間なんかに絆されたと言うのか! あんたも落ちる所まで落ちたな!」

「そんな條件飲んでやる必要は無いじゃろう! 何を考えとる!」

當然のごとく、避難の嵐でごわす。

ワテ、これでも族長やってるのでごわすが、ちょっと悲しい。

まぁ、皆の意見も分かるでごわすし、人間の提案を飲んで真っ當に勝負することにしたなんてれる訳はないでごわすな!

端から見れば唆されただけにしか見えないでごわす、致し方ない。

だがそれもちゃんと説明すれば賢明な判斷だとワテは思う、頭は良くないでごわすが、このままだと殺られること間違いなしでごわしたから。

「一先ず話を聞くでごわす。この話を聞いた後でなら幾らでも罵倒するが良いでごわす」

ワテは話した。

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余裕でワテをボッコボコにしたスライムが存在し、それがさらに9匹もおり、その上に位置する存在がまだまだ居ると言うことを。

「そ、そんな存在が居るのか!?」

「か、勝ち目なんて無いぞ!」

うーむ、ワテ最近は思うのだけれど、こいつらワテの話信用しすぎじゃない?

騙すつもりも騙したこともないのでごわすが、ワテが善良なオークじゃなかったら絶滅が早かったかもしれないでごわすな!

その殘っているスライムの実をワテが見た訳でもないし、人間から聞いただけの話をワテも信じたけど噓だったら大変ワテらは道化となるでごわす。

「安心するでごわす。向こうはその戦力を一切出さず、あくまでも中立として見屆けるだけらしいでごわす」

「な、なるほど。それなら安心だ!」

「相手はゴブリン程度だ、オークの勝ちは決まった様なもんだろ!」

切り返しの早い奴等でごわす。

ワテもそう楽観的になりたいところでごわすが、珍しく使ってない頭をフル回転させるでごわす。

「そして殘念なお知らせでごわすが、相手はゴブリンじゃなくて、進化したホブゴブリンでごわす」

「ホブゴブリン!? どういう事だ!」

「ワテらが今まで爭っていたゴブリン達は進化して、ホブゴブリンになったのでごわす。油斷はダメでごわす」

そう言うと皆は驚き、楽観的な雰囲気も真剣さが増してくる。

ホブゴブリンはゴブリンよりも筋力もつき、知恵も回るようになると聞く。

ただのゴブリンなら、小賢しい罠もホブゴブリンとなればもっと強烈な罠を作りあげるに違いないのでごわす。

筋力は進化してなお、ワテらオークに及ばないが知恵と言う點ではワテらに勝ち目は無いのでごわすから。

だからこそ出來る事を、考えるのが苦手でも頭を使わなければいけないでごわす。

これは一族の存亡を賭けた戦いなのでごわすから。

「ホブゴブリンの対策として、今から皆で意見を出し合うでごわすよ!」

◇◇◇

【族長】

マスターが俺達ホブゴブリンとオークの爭いに介し、勝負を旗取りとか言う良くわからないもので決著を著けることになり、早1日。

俺達ホブゴブリンはダンジョンの外であくせくと働いていた。

「族長、これはどこに?」

「あぁ、それは茂みに隠れるようにして置いてくれ、足が引っ掛かるように適度な高さで」

「あいよ」

「族長ー! こっちの罠は作り終えたぞ~!」

「なら次はまだ終わってないところを手伝ってくれ!」

「はいよ!」

俺達ホブゴブリンは今、総出で森に罠を仕掛けている。

オークへと対抗するために、出鼻を挫くためにそこら中に罠を張り巡らせる。

これが俺達元ゴブリンの元々の戦法だからだ。

ごわすよ!だったころは知恵ある程度はあったんだが、腕力はかなり低く、罠を作るのにも一苦労だった。

だが、マスターのおで進化した今、ゴブリン時代には作れなかった罠を難なく作り上げることが可能となった。単純に腕力が増したからだ。

とは言え、ホブゴブリンになった所でオークの腕力に対応することは到底出來やしない。

あいつらは見た目は太っていても全て筋、筋の塊といっても過言では無いからだ。

だが脳みそも筋なのか、頭が回らないことで有名だった。

ゴブリン時代の時のちょっとした爭いの時は落としなんかでも簡単に引っ掛かり、し挑発すれば導も簡単で楽だった。

だが、あいつら無駄に有り余っている力で追いかけてくるからあのときは相當手こずったな……。

だが、あの時とは違い俺達も進化した。

それに加えて十勇士のスパルタ教育訓練のおしは普通のホブゴブリンよりは強いと自負している。

恐らく普通に戦っても良い所までは行けるだろうが、油斷はするつもりもない。

元々弱小な種族が付け上がった所で足元を掬われるだけだ、進化しようとしなかろうと、俺達がやることは変わらない。

虎視眈々と、時間を使い頭を使い罠を張り巡らせる。

確実に勝利を手にする為にだ。

勿論、元ゴブリンとしての誇りを賭けた戦いであることに変わりはないが、俺達ホブゴブリンはそんな事にはもう拘ってはいない。

これは、ダンジョンの戦いなのだ。

ダンジョンの中で戦ってこそかも知れないが関係ない。

マスターにも言ったが今や俺達の縄張りはマスターの縄張りでもある。

オークが売ってきた喧嘩は謂わばダンジョンへの挑発、それを易々と許す俺らじゃない。

俺達はマスターに謝している。

に怯え、來るかも分からない明日を照らしてくれたのはマスターだ。そんな男に忠誠を誓わない奴なんて居るわけがない。

そしてこれは形は違えどダンジョンの初となる戦いだ。

なぜマスターが俺達ホブゴブリンだけに戦えと言ったのか、俺達に決著を著けさせるために出てこないらしいが、俺はそれは噓だと知っている。

マスターはきっと俺達が使えるかどうか、重要なダンジョンの守り手に値するかどうかを見極める為にこの勝負を持ちかけたに違いない。

そう、俺達はまだダンジョンへと何の貢獻もしていないのだ、畑に関してはマスターから自給自足が出來るようにと言う溫で階層を分けてもらっている。

何もしていないのだ俺達は、だからこそここで使えるか様子見をするのだろう。

萬が一負けでもすれば、俺達は……いや、勝てば関係ない。

一族のため、そしてマスターの為に俺達ホブゴブリンはこの戦いに勝利する。

勝利をマスターに!

「お前達! この戦い、絶対に勝つぞ!」

そうんだ俺は、次の罠を作るために歩き出す。

オークとの勝負まで、あと2日

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