《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》真実! ホブゴブリンvsオーク

【子ゴブリン】

「まさかマスターに見つかるとは思わなかった……」

マスターに見つかって別れた後、思わず呟いた。

俺は今日本當はここに來ちゃダメだって言われてた。

大人達が皆、オークと戦うとかなんとか言って危ないからってダンジョンにいろなんて言うんだ。

そんなのあんまりだ!

オークは俺達の大事なしょくりょーを奪ったんだ!

それで戦いになった、これはゴブリン族とオーク族の戦いなのに、子供だからって大人しく引っ込んでる訳には行かない!

俺だって立派なゴブリンだ!

戦士なんだ! 男なんだ!

それに、もっと皆の役に立ちたいんだ、だから俺は後で怒られても戦う!

覚悟をしてダンジョンから出たら、オークがもう俺達の縄張りにっているのが見えて、負けているんだと俺は思った。

皆オークと戦ってて、たぶんオークの縄張りには誰も行けてない。

だったら今のうちに俺が活躍してやるわい!

そう意気込んで向かったらマスターに見つかった。

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最初はダメって言われてムカついたからハナクソ付けてやったけど、最後には行かせてくれた。

俺とコスケさんを試したんだってさ。

なーんか噓っぽいけど、マスターって良くわかんないから気にしててもしょうがない。

「急いで旗を取りにいくぞ!」

俺はオークの縄張りに侵した。

案の定、他にオークは見當たらなくて簡単に進む事ができた。

けれどチビな俺は中々早く辿り著く事が出來ない。

オークはバカだから罠なんか作ってないと思うけど、それでも森は地面がボコボコしていて歩くのが大変だ。

ダンジョンは地面も平らだしあんまり転ぶこともない。

ダンジョンってスゲー。

それにどこに旗を立てているかも探さなきゃいけない、時間がしかかりそうだなー。

でも急がないと父ちゃんや族長が負けてしまうかも知れないし、やっぱり急ごう!

◇◇◇

「あった!」

それからしして、オークの旗がある場所に著いた。

まさか広場のど真ん中に置いてるなんて思いもしなかった。

木の裏とか見えづらい場所に隠してると思ったのに時間を無駄にした!

オークって本當におバカじゃん!

俺は急いで旗を取りに行こうとしたんだけど、俺の目の前に立ち塞がる奴がいた。

「はーっはっはっは! ここは通さんぞ!」

オークだ。

多分子供だと思う、それにしてもデカイけど。

オークって子供でも大きくて力があるって父ちゃん言ってたからなぁ、バカだけど。

「バレてたか!」

「いーや、寢坊したら偶々だ」

やっぱりバカだ。

「そこの旗をってみたいんだけど?」

旗取りは旗にるか、折るかでも良いってマスターが言ってたかららせて貰えれば勝てるかも知れない。

「この旗はワイのもんだい! らせねーよバーカ!」

お前のでも無いだろ! と言いたい所だけど、時間もないし無理矢理でもろう。

「おりゃぁぁぁぁ!」

「させないっつーの!」

旗に向けて飛びかかったけどオークは橫に飛んで避けられる。

うべぇ! 顔から地面に突っ込んで土が口の中にった……おぇぇ。

そんな口の中にった土を唾と一緒にオークへ吐く。

「うげぇ! 汚ねぇ!」

「よっしゃ貰ったぁ!」

オークがに著いた唾を拭き取っている間に旗を持つ手にしがみついて旗に手をばす。

もうしと言うところで顔に痛みがきて、一瞬暗くなる。

多分毆られたみたいだ。

「させるかよ!」

「まだまだぁ!」

毆られただけでは俺は離さないぞ! 鍛えてるからな! ……めっちゃ痛い、泣きそう。

毆られ、揺さぶられるけど俺はしがみついたまま離れない。

これは凄いチャンスだ! ここで取らなきゃもう無理だと思う。

だから、ここでなんとしてでも旗をとる!

「ガブッ!」

「ぎやぁ!」

オークが旗を摑む手に思いっきり噛みつく!

うへぇ、が口のなかにった。

でもそのおでオークが旗を落とした。

「今だ!」

落ちた旗を目掛けて走ろうとすると後ろから摑まれる。

「行かせるかぁ! 勝つのはワイ達オークでごわす!」

「うぉぉ! 勝つのは俺達ゴブリンだい!」

次の瞬間、俺は著ている服をぎ捨てる。

この服はマスターからダンジョンに住むことになってから皆が貰った服だ。

オークこれを摑んでいたからげばそのまま旗に直行できた。

「とぉあ!」

そして遂に、旗を取る事が出來た!

「よっしゃぁぁぁぁぁ!」

その瞬間になんか黒い者が俺の橫を過ぎていった気がするけど何だったんだろう……。

◇◇◇

【クロト】

子ゴブリンを見送って數十分が経過したと思う。

相変わらず殺風景な森の景にボーッとしながらもどちらが勝つか考えてみる。

最初はホブゴブリンの罠から考えるに優勢だと思ってたいたんだが、どうにもオークが厄介だったのか、ホブゴブリンは誰もここを通っていない。

つまり結構追い詰められていたと言う事だろう。

オークは中々侮れない連中なのかも知れないな。

「誰も來ないな」

「オークが手強いみたいだよ」

どうやらコスケも同じことを考えていたようだ、以心伝心だな。

これが? そんな訳ない。

なんてふざけた事を思っていると、俺に聲がかけられた。

「旦那、勝負はホブゴブリンの勝ちだ」

「っ!」

突然話しかけられるものだから思わずビクッとなる。

しかも背後で気配もじさせないことから多分サスケだろう。

振り向いてみると黒いスライムがいる。

うん、サスケだな。

背後から出てくるなや。

「子ゴブリンがやったのか」

「あぁ、勇敢だった。譽めた方が良いと俺は思う」

へぇ、サスケが言うんだから間違いないかもな、カレーでも作ってやるか。

トッピングも付けてやろう。

「さて、じゃあ終了の合図だな」

俺は運會用ピストルを真上に放つ。

乾いた破裂音が森中に響き、音に驚いた鳥が木から飛び立つ。

「この勝負、ホブゴブリンの勝ちだ!」

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