《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》オークの話
ワテはオークでごわす。
ただし、一族を纏める長でもあり、皆にも認められている。
オークは強い。
その筋力はこの付近では及ぶものは例外はあるがおらず、本気で毆れば大木をも倒すことが出來るでごわす。
2、3回は毆らないといけないし、毆ったら手がかなり痛いので滅多にやらないでごわすけど……。
オークは我慢強い。
如何に攻撃をけようとも、押されようが引かれようがビクともしない屈強なをい子供の頃から持っているでごわす。
流石に空腹には耐えられないでごわすけど……。
そう、空腹と言えばでごわすよ。
近頃、ワテらは數が増えてきたおで食料が心許なくなったのでごわす。
それをワテはどうするべきかと頭を悩ませた所で、他のオークがゴブリンの領地で盜みを働き種族間の爭いにまで発展したでごわす。
その結果、突然出てきたマスターによって勝負と言う事になりワテらは負けたでごわす。
當然、どの様な処罰でもけるつもりだったのでごわすが、その覚悟は裏切られた。
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「いやぁ、丁度次の階層どうするか考えてたからさ、住んでくれない?」
とマスターが言ってきた。
最初は何言ってるでごわす? と思ったのだが、ダンジョンの一員になることになり、住む場所も食料もワテらに平等に與えてくれたのでごわす。
これでワテも含めオークは皆、マスターの力になりたいと心から思い始めたでごわす!
マスターに羨の眼差しを皆が送っていると、マスターは何やら変な顔をして遠くを見ていたのでごわすが、きっとこれからの未來を見ているに違いない!
「やはりマスターは凄いお方なのかも知れないでごわすね……」
しかし1つ気がかりなのが、マスターは一何故こんなところに住み著いているのかと言う疑問でごわす。
この森は元々ゴブリンとワテらオークの2種族だけが住んでいた筈でごわすが、気がつけばゴブリンはマスターの元に従い、ワテらも同様に配下となった。
そしてこの森は完全に掌握し支配者とったわけでごわすが、いつの間にこの森に住んでいるのだろうか。
一何を目的としてそして、人のいる町に寄り付かずダンジョンを運営しているのか。
マスターの存在については不明な所が多い……ホブゴブリン達にも聞いたのでごわすが、気がつけばいたとしか答えてもらえなかった。
マスターの事やダンジョンの事、この前紹介された十勇士の事など、疑問でいっぱいでごわすがマスター自はかなり無害に見えるのでそこは信用しても良いと思うでごわす。
恩のおもありワテらは生き長らえる事が出來ている、そして今はダンジョンの仲間でごわす。
どんな理由があろうとも、この恩を忘れずにダンジョンとマスターを守って行くでごわすよ。
それに、いつか話してくれたらワテはそれで十分でごわすからな。
「おほぉ! 見ろよラビィ! DPのりが凄いぞ、これはもう俺の時代じゃない!?」
「うわぁ、凄いねクロト! イチゴミルク! イチゴミルクに使おうよ!」
「ばっか、お前! ダンジョンに使うに決まってんだろ!」
おや、噂をすればでごわすね。
マスターともう一人、いつもマスターと一緒にいるラビィと呼ばれるが歩いていたでごわす。
マスターからはただのアホだと紹介されたので詳しいことは分からないでごわすが、ホブゴブリン曰く、
「マスターのだ」
とか何とか……まぁマスターも1人の男でごわすからな、の1人や2人いてもおかしくはない。
なにせ森の支配者でごわすからなぁ、當然だと思うでごわす。
さてさて、マスター達は何を話しているのでごわしょうか。
「オークを迎えれときは、コイツらって力仕事以外に使えるのか? って思ったけホブゴブリンよりもDPが高いし食料さえなんとかすれば十分プラスだったな!」
「うんうん、頭はあまり良くないけど働いてくれるし。正解だったね! 流石クロト!」
「寄せやい、褒めてもイチゴミルクしか出ねぇぞ!」
あれ、ワテらディスられてる?
脳筋って言われてる気がするでごわす。
き、きっと気のせいでごわすな!
これ以上は聞くのが怖いので退散するでごわす。
斷じて心に來たわけではない、斷じて。
◇◇◇
「お、族長! 見回りは終わったのか?」
「あぁ、お前か。終わったでごわすよ、今日はマスターが來ている見たいでごわす」
「マジかよ!」
そう、ワテは遊んでいた訳ではない。
ちゃんと皆が働いているか見回りをしていたのでごわす。
そして目の前の男。
戦いの後から仲良くなったホブゴブリンの族長でごわす。
話してみればかなり良いやつで、酒を飲んだときは話が止まらない奴でごわすが、それはワテも同じみたいなので本當に気の合う友でごわす。
他のオークもワテらの様に仲良くなったらしく、上手く共存できていると思う。
やれやれ、どうしてワテらは仲良くなれると言うのに長年いがみ合って來たのやら。
過去のワテを毆りたいでごわすよ。
まぁ、それもこれもマスターのおかもしれない。
やはりマスターはこの事を計算していたのかもしれないでごわす。
人間は頭が良いみたいでごわすからね。
結構前に道に迷っている様子の3人の冒険者がいたでごわすがワテらを見るなり逃げてい行ったのはし悲しかった。
でも人間は言葉が通じないし、襲いかかってくるので信用など無理でごわすがね。
ワテも人間は嫌いでごわすよ。
マスターは別としておくでごわす。
「大分生活が整って來たんじゃないか?」
「うむ、そうでごわすね。それもこれもマスターのおでごわす」
今では腹を空かせる子供もおらず、皆が良い並みをしている。
健康な証拠でごわす。
「ほら、見てみろ子供達が元気にはしゃいでやがる」
ホブゴブリンの族長の視線の方を見ると、子どものオークとゴブリンの子どもが駆け回っている。
ホブゴブリンとの流が深くなった事で子ども達もワテらも友人が増えた。
「……こう考えるとやっぱりマスターのおってのが何度も頭に出ちまうな」
「同でごわす」
なんかこう……全て掌の上で踴らされている様な気もしないでもないでごわすが、救われているのは事実でごわす。
ならばワテらはマスターに力を喜んで貸すでごわす。
その前にマスターへと無に謝したくなったのでさっきマスターのいた所に走っていく。
「マスター! ワテらを救ってくれてありがとうでごわす! これからもワテらオークは誠心誠意盡くすでごわす!」
ワテは思いの丈を全部マスターへと伝えた。
「お、おう……頑張れよ」
マスターは苦笑いをしていたが、きっと照れているに違いない!
「これからも頑張るでごわすよ!」
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