【魔化】。

このスキルは自分のれた者、を自の魔力を介とし異形の姿へと変貌させると言う謎の多いスキルだ。

そして流した魔力の量によって魔にする際の能も大きく変わるらしい。

良い例がラビィと砂だろう。

魔力とは使い続ければから力が抜けていく力が大きくなっていく、らしい。

俺はそれほど魔力を使う機會はないので良くは分からないがヘルプを通して學んだ事だ。

砂に関しては俺は棒倒しのときに一瞬だけ自分の魔力を注ぎ込んだだけだった。そのせいかきはするし飛び付いても來るだがとてもじゃないが考えて行すると言うよりは與えられた本能で活を始めた思考の伴わないプログラムだけでく人形みたいな存在だった。

そして一方のラビィ。

こいつに関しては俺が思いっきりドジふんで全魔力をダンジョンに注いでしまった為に自分で思考し學び、長すると言う知のある人間と同じような何ら遜ない存在に至った。

知をじさせないアホな行と思考しか今のところ見てはいないが長すると信じたい。

「まーたクロトが固まってる」

「我が君の立ち姿もしい」

呆れ半分な顔で俺を見ているラビィと何がどうしいのが若干気になってくる発言をするモチの言葉で意識を元に戻しこの狀況をどうにかすることにした。

俺の目の前で自在にれるようになった事が嬉しいのか魔化させた大木はそのびまくった枝を上下左右に気持ち悪い位にかしまくっている。

何だろうか微量な魔力を注いで魔にした奴は全部散歩にでた時の犬のような行をするのはデフォルトなのだろうか。

ここはゲームではないのだきっと偶然だろう。それよりも早く次の行に移るとしよう。

「あー、えと言葉は分かるか？　分かるなら止まってくれ」

端から見れば木に話しかける頭のイカれた神異常者と言っても過言ではないがこの場には第３者はいないので風評被害をけることはない、安心して草花とお話しできるよ、木だけどな。

今までの蠢きは何だったのかと言うほど、まるで見ていたテレビを途中で停止させたのかと思うほどかなくなった大木は本來の姿へと戻ったように見える。

「待て」は出來るようなので次は……

「ダンジョン……分からないか、向こうの方に窟みたいなり口があるんだがそこに向かっててくれないか？」

俺達がやって來た方向を指差し指示してみるとその大木は素直に従い、用にっこをかしてダンジョンに向かって行った。

「ハウスも出來る、と」

最早犬を扱うようにすることに決めた俺は、魔力が切れる寸前までその森の外側を時計回りに進みながら周囲の木を次々と魔に変えていく。

「……あれ？」

「あ、起きた？」

２０本程で魔力が切れ、あまり自分の限度が分からなかった俺は思いっきり気絶したらしく、最初にラビィと會ったときと同じように膝枕されてた。

うん、何だか恥ずかしい。

「急に倒れるからビックリしたよー」

「いやぁ悪かった。限度が思ったよりも分からなかった」

どうも自分の魔力量を把握していない弊害からか、判斷をミスった様で魔力切れを起こした様だ。

こればかりは覚で覚えていくしか無いかもな……。

「うーむ２０本か、多いのかないのか」

どっちの話でもある。

２０本もの木を魔に変えられたのが多いのかないのか、俺の魔力は多いのかないのか判斷できる一般基準が良く分からん。

世捨て人とは図らずしもこう言う覚なのかもしれない。

「どれくらい倒れてた？」

「うーん２、３０分くらいかな？」

を起こして調を確かめてみるが、特に気だるさなどはじなかった。

魔力がないからじる疲労もあまり無いとかそう言うじか？　なら使った魔力の総量は俺はない部類なのかもしれないな。

「はどう？」

「全然問題無さそうだ。よし、これから強行軍を行うから気絶したら宜しく！」

◇◇◇

さて、かれこれ１０回くらいはぶっ倒れたところで本日の作業は終わりだ。後半になるにつれ目覚める間隔が早くなってきた、これが短期睡眠と言う奴か。違う。

辺りはもう日が沈む寸前で空は夕焼けに染まって太が見事に森の開けた場所から見える。

今日で２００本ほどの木を魔にしたわけだが、殘念ながらＤＰにはならないんだよなぁ。

どう言うわけか俺自で作り出したと言っても過言ではない魔たちはＤＰが発生しないのだ。

これは原理は今のところわかってはいない。

俺が直接的に関わったからＤＰがらなかったとかならホブゴブリンやオークはどうなるんだって話になるし、かと言ってそれ以外に思い當たる理由は……

「このスキルを手にれた時、し変だったな」

他と比べて手するＤＰが安かったし……不遇はあるのだろうか、特にデメリットもあるとは思えない。

不思議なものだな、こればかりはあのクソッタレ神様に謝しておこう、南無。

「ラビィ、モチ早く帰るぞ」

ダンジョンからこの森の外側までやって來るのに結構な時間がかかるのだ。

恐らく戻った頃には良い子は寢る時間になっているだろう。

２００本と言うのはダンジョンの一フロアにするには多いのかないのかはやってみないと分からないがそれは後々考えてその都度足せば良いだろう。

◇◇◇

ダンジョンに戻ってきた俺達はダンジョンのり口前で最早り口が見えないほど集している木の魔たちをどかしつつ、やっとの思いで帰ってきた。

それからラビィは寢ると言い出しマスタールームへと戻っていき、殘った俺とモチは大木達を導しつつ全ての大木を第２層の森林エリアへと運び込むことに功した。

「よし、お前たちにはここの防衛をしてもらう。侵者が表れたら排除してくれ」

俺が考え出した答えはシンプルだ。

魔にした木を防衛裝置として使い、四方八方から攻撃させると言う方法だ。

これなら最初の階層よりは難易度も上がるだろうし、何よりダンジョンってじがするだろう。

見た目はただの木にも関わらず、その本質は訪れる侵者を阻む罠である魔だ。これは良い案だと思わんかね。

「これが我が君の策略……功しない訳がない」「ふっふっふ、わかるかねモチ君や。これでまた安全に一歩近づいたぞ」

まぁ１つだけ文句を言うならＤＰにならないことかな……罠にもなるしＤＰにもなるなら最高で文句なしだったんだが、できないことは仕方ない。

まだまだ木は中にれることが出來そうなのでこれから順次いれてダンジョンを強化していこうと思う。

「ところで我が君」

「なんだ？」

「どうしてわざわざ森の端にまで出向いたのだね？　そのような事をせずともその辺の大木たも良かったと我は思うが」

モチが珍しく質問を投げ掛けてくる。

元々そこまで接したことはないけど。

そこ、いちいち回転するんじゃない。

「それはな時間稼ぎでもあるんだよ」

「時間稼ぎ？」

「そう、森の側だけ不自然に木が減っていると何かあるってバレる可能があるだろ？　だから森の外側をしずつ削っていけばそれなにりバレる可能が減るって考えだ。小さな変化って気がつくのが難しいからな」

森の外周を時計回りに次々と魔化を進めていき、誰かに悟られないようにダンジョンを確りと強化していくつもりなのだ。

「ふむ、我が君の思は分かるが側でもバレないのではないかね？」

「確かにな、強化だけを目指すならそれでも良いだろうけど。これに関しては俺自が関係するんだ」

「我が君自が？」

森の外側とかなら毎日森を見に來るような変態でなければ変化に気がつくことはないだろう。

だが、森の中心部辺りの木が明らかに減っているとなればどんな素人でも何かがあったと疑うしその目撃者が冒険者ともなれば確実に異常が起こったと目に見えて分かるのだ。

そしてその近くにダンジョンが発見されればまず間違いなく人を派遣することになるだろう。

それだけならまだ問題はない、ダンジョンが見つかり攻略に出向いてくれるだけなのだから。

だが森の異常の調査となれば話は別だ。

まず、不自然なほどに木の集がなくなったともなれば何者かの関與と言う線が疑われるのは明白なのだ。

それに俺の存在と言うのは恐らくだが異質なものだろう。

通常の冒険者がダンジョンマスターと言う者を知っている可能はない。

報として文獻なんかに載っていたりするかもしれないが、それを一々覚えている奴もいるとは思えないしな。

特に最初にやって來た３人の冒険者なんかは囮として出したラビィに驚いてたし、何よりダンジョンマスターの事を知っているのならその場で聞いていた筈だ。

あの３人、割りとあの街で顔が広そうだったし知識としての基準は、あいつらで考えても良いだろう。

ダンジョンマスターの事はバレたらマズイ……多分だがそんな予はするのだ。

人がダンジョンを造り上げているともなれば間違いなく國が関與してくるだろう、そうなれば使い潰されることは明白だ。なぜなら人がダンジョンの中に居ると言うだけで無限に資が手にるようなものだからだ。

それはさすがにちょっと面白くない。

と言うか嫌だぞ、死ぬ方がマシな気がするし。

と言う諸々事があって森の外側の木から魔化していく事にしたわけだ。

「ふむ、理解した。流石は我が君偉大で聡明だな、ならば我はその萬が一の時が來たときに備えるとしようではないか」

「ん？　あぁ、そうか。頑張ってくれ」

何をするかは分からないが強くなってくれるならこれ以上むものはないしな。

でもまぁ、バレるのも時間の問題かもしれないしこっちもこっちで早めにいておくか。

うん、その前に眠いから寢たろ。