《創の転生者〜最強魔導師の転生記〜》第3話 使命と出會い
僕は自分の知らないところにいた。とても暗い場所。周りには自分以外何もない、空虛な空間。
「ここは・・・・僕は何をして・・・」
狀況が理解できなかった。なぜこんなところにいるのか。そもそもこんな場所に來た記憶はない。呆然としていると聲が聞こえて來た。
『理解するんだ』
「え?」
聲が聞こえた。その聲は、まだ若い青年のような聲をした、優しい聲だった。
『自分の、力を、使命を』
「力?使命?」
全く理解できない。使命とはなんだ?自分の力?僕の魔法のことか?だが僕の魔法は既に掌握しているはず。
『まだだ。まだ、力を掌握できていない』
「まだ・・・・まだこの力には先があるのか!!」
既に僕は魔法を使いこなしているのだ。これ以上強いとはいったいどんな・・・
『君は・・・自分の魔法を・・・念じると現実になる魔法だと思っているだろう・・・』
「・・・・違うのか?」
実際念じながら唱えることによって、魔法は発したのだ。
『それは・・・本質ではない』
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「じゃあ、僕の魔法はなんなんだ!!」
『・・・・・すぐに使えるように、なる』
僕は、僕の魔法の強さを理解できていない。それだけ経験が足りないということなのだろう。・・・いいさ。強くなって、本當に使いこなせるようになるまでだ・・・・
『・・・使命を、告げる』
「僕の・・・使命?」
一なんの使命が・・・・と思ったが、次の言葉を聞いた瞬間に変化が訪れる。
『再會、するんだ』
「・・・・誰に・・・」
『ミラ・・・・ミラエル=ルシフェル・・・』
頭に衝撃が走った。その名前は、どこかで・・・。わからない・・・だが、ひどく懐かしく、そして・・・とてもおしい響を・・・
「うっ !?」
頭を押さえ片膝を付いてしまう。急に激痛が走った。頭が割れるように痛くなる。僕は自分の意識が途切れていくのをじたと同時に、彼・の聲が頭に響いてきた・・・
『必ず再會を果たすんだ。彼は・・・ミラはずっと待っているから・・・』
その言葉と同時に、僕は意識を手放した。
◇
目が覚めると、視線の先に木目の天井があった。先ほどまでいた・・・・・・・拷問部屋ではない。どこに転移をしてきたのだろうかと周りを見る。簡素な作りの椅子に機、僕が今橫たわっているベッド。それくらいのものしかなかった。
「どこなんだろう」
僕は転移の後に痛みで気を失ってしまったのだろうと推測した時に気がついた。の包帯が巻かれていた。一誰に治療をされたのか。考え込もうとしたが、思考をやめた。そんなことを逐一考える気分ではない。
「・・・どうでもいいや」
この半年の拷問の結果、僕の神は壊れてしまったのだろう。好奇心旺盛だった半年前とは比べにならないくらい、探究心がなく、興味を示さない。
だが、知りたいものが二つだけあった。
「ミラエル=ルシフェルと僕の魔法の本質・・・・」
なぜかこの2つが頭から離れないのである。このことについて詳しく知りたいと思ったのだ。前者に関しては、聞いたこともない名だが、何故か頭から離れず、つぶやいていると、とてもおしくじるのだ。
と、そのとき部屋の扉がゆっくりと開いた。
「あ!起きたの!よかった〜。あのまま死んじゃうかと思ったわよ」
中にってきたのは緑の長髪をしたし背の高い、とても人なだった。おそらくこの人が自分の手當をしてくれたのだろう。以前なら見惚れていたかもしれないが、今の僕にそんなは既になかった。
「一なんであんな所に倒れていたの?しかもだらけで。にも傷がたくさんあったし・・・モンスターにでも襲われた?」
「・・・・・・・」
僕は何も答えない。あの拷問の日々を思い出しているのだ。辛く、苦しく、そして酷く悲しいあの時のことを・・・
「・・・話したくないか・・・でも事を知らないわけのは行かないのよね・・・・ちょっとごめんね」
そういうと、は僕の額に額をくっつけ、魔法を唱える。
「【よ  汝の記憶を我に與えよ】」
そう唱えた途端、額に溫かいが燈った。こんなに溫かいのはいつぶりだろうと僕が思っていると・・・
「ッッッ!!?キャアッ!!?」
が突然聲をあげた。先ほどの詠唱から予想はつくが、おそらく僕の拷問の記憶を見ていたのだろう・・・一部だけだと思うが。
は脂汗を浮かばせながら僕を見つめる。
「あなた・・・今の拷問をけていたの?」
記憶を見られたんだから話してもいいかと思い、僕は口を開く。
「どの拷問を見たのかは知らないよ。でも生ぬるい拷問なんて一度もなかったからね。僕は半年の間、休むことなく拷問をけたよ・・・」
「半年・・・・」
「良ければどんな拷問をけたのか教えようか?」
し意地悪く言ってみる。だがは予想外のことを言ってきた。
「そうね・・・多分全部吐き出した方が気が楽になるわ。あとで聞かせてもらう」
「・・・・!わかりました」
まさか聞くと言うとは思わなかった。はっきり言って、聞いているうちにを吐き出してもしかたないような容のものばかりである。本當に聞かせても大丈夫か?と思うが・・・
「大丈夫。ちゃんと最後まで聞いてあげるから」
しだけ、この・・・いや、のことを信用してもいいような気がした。
「そういえば、名前を聞いていなかったわね。名前はなんていうの?」
「ユリ・・エル」
「ユリエルね。私の名前は・・・」
正直、ユリエルと名乗りたくなかったのだが、仕方ない。パッと出るような名前はなかったのである。
「私の名前は、セレス=フロウド。種族はエルフよ。よろしくね、ユリエル!」
これが、セレスと言う名のエルフのとの出會いだった
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