《創の転生者〜最強魔導師の転生記〜》第10話 勝負
自らの実力を僕は自覚した。あまり強すぎる力は不幸を呼ぶ。それは散々聞かされているのだ。
「私も正直ここまで強い子とは思わなかったけどね」
「これって・・・知られたらどうなるんですか・・・」
ルーン魔法ではないにしろ、これはこれで強力な力だ。外部の人間からなにか良くないことをされるかもしれない・・・
「大丈夫よ。屬魔法で強いのはユリ以外にもいるから。せいぜい魔法連盟の勧が來るくらいね」
「その魔法連盟は・・・って何か得があるんですか?」
セレスさんも一応であるが所屬している組織だ。自分もることになるかもしれないと思うと、知っておくのがいいだろう。
「得って言ってもそんなのはないわね。高ランクになると貴族とかから勧がすごいけど。それも自由に蹴って大丈夫だから枷見たいのもないわ」
「呼び出しとかはないんですか?」
「本當にまずい時は呼び出しがくるけど、行かなくてもいいのよ。私も行ったことないし。SSランク以上の機嫌を損ねるととんでもないことになるから、本部も口を出さないのよ」
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ということは高ランクのものほど自由が保障されるようだ。僕がるとしたらSSSらしいのでほとんど本部からの干渉もない。
「ユリは魔法連盟にる気があるの?」
「セレスさんがっているので、僕もろうかと」
っていた方が、なにかと都合のいいことがあるかもしれない。そんな考えだった。
「そっか。わかったわ。じゃあ私が魔法連盟に報告しておくわね」
「え?いいんですか?」
「一応私はSSSランクよ?発言力は連盟でもトップなんだし、本部の方は即okするわ」
SSSランクはやはりとてつもない発言力を持っているらしい。セレスさんは昔の功績によってそれなりに名前が知られているらしい。
彼は部屋の奧にある引き出しから紙とペンを取り出しなにかを書いている。
「じゃあこれを屆けてね」
そう言って窓に紙を投げると、一羽の小鳥がものすごいスピードで紙を咥えて飛んで行った。
「明日には返事が來ると思うから、それまで待ちましょう」
ということで、次の日を待つ。
◇
翌日。セレスさんの言った通り、小鳥が紙を咥えて戻ってきた。
「隨分早いわね。まだ朝なのに・・・って、え?」
「?どうかしたんですか?」
朝の鍛錬をしていた僕はセレスさんがなにやら驚いているのが聞こえたので聲をかける。今二人がいるのは、昨日の草原だ。目の前にはブラックサラマンダーの氷漬けがいる。放置しっぱなしだったので、鍛錬の後に解凍しようとしていたのだ。
「あ〜・・ごめんねユリ。後で本部の奴が來るわ」
「本部っていうと・・・魔導師の人ですか?」
本部の人が來るということは、昨日の手紙のことでだろう。しかし何故直接來るのか。そもそもこの場所を知っているということは・・・
「お知り合いですか?」
「そうよ。しかも私と同じランクの人・・・」
「っ!?SSSランクの人がですか!?」
ここにSSSランクの人が來るということだ。僕は心底驚いてしまった。世界に4人しかいないSSSランクとこうも簡単に會えるとは・・・
「警戒しなくて大丈夫よ。悪い人じゃないから。寧ろお人好しがすぎるくらいかしらね」
「そう・・・何ですか」
無意識にに力がっていたようだ。これでは他の魔導師とうまくやっていけるかどうか・・・
「以前のことがあるとはいえ、ユリは私以外の人にも気を楽にしていけるようにしないとね」
「・・・すいません」
それは直して行かなければならないとわかっている。だが、まだセレスさん以外に話していないため、慣れないのだ。
「まあ。あの子に會えばちょっとは変わるかもしれないからね」
「あの子?」
セレスさんのその言い方が、し引っかかったのだった。
◇
晝過ぎにその人はやってきた。
コンコン
扉のノックが聞こえたので、セレスさんが扉を開けた。
「セレスさん、お久しぶりですね」
落ち著いた雰囲気の青年だった。歳は25前後だろうか。とても爽やかな笑顔をしたイケメンである。
「ええ、久しぶりねロドス。とりあえず中にって」
軽く挨拶をわし、ロドスと呼ばれた青年を中に招きれる。僕はというと、に力がり張していた。やはり、し怖い。
「こんにちは。君が手紙に書いてあったユリエルくんだね。僕はロドス=レイルン。SSSランクの魔導師だよ。よろしく」
そう言って手が差し出される。僕は張しながらも手を握り返す。
「よ、よろしく、お願いします」
「張しなくて大丈夫だよ。君に害は加えないから」
どうやらセレスさんがあらかじめ伝えていてくれたようだ。
「さて、じゃあ本題にろうか。君を魔導師に登録する件だけどね」
「結局答えはどうなったの?」
その答えを今日は伝えにきたのだろうが、一どうなったのだろうか。
「ブラックサラマンダーを倒したと書いてあったそうだけど、どうも信じられなくてね。まずはその証拠を確認してこいだそうだ。本部長からの命令だよ」
「それなら草原に行きましょう。まだ氷漬けにされているわ」
「え?氷?」
凍らせて殺したことは知らなかったそうだ。
僕らは草原に移した。
◇
「こ、これは・・・」
ロドスさんがその景に言葉を失っている。目の前にはブラックサラマンダーの氷漬け。こんな景は見たことないのだろう。
「こ、これを・・・君がやったのかい?」
「・・・はい」
僕は靜かに返事をする。セレスさんは水の適を持っていないので、僕以外にできないと判斷したのだろう。
「どう?私の息子はすごいでしょう?多分、ルールなしの魔法勝負だったら私より強いわよ」
後ろから僕を抱きすくめながら、ロドスさんにそう言う。し自慢したかったのだろう。顔がにやついている。
「これはとてつもない魔法ですね。こいつのブレスまで凍らせるとは・・・確かにSSSランクの実力はありそうだ」
どうやら認めてもらえたようだ。
「本部長からは、ブラックサラマンダーの件が本當であるかを確かめ、真実であり僕が認めたなら、SSSランクに登録することになっているんだ」
ブラックサラマンダーの件についてはこれでいいだろう。だがロドスさんが認めたらと言うのは一?
「僕と戦って勝利してくれ。遠慮はいらない。僕に勝ったら、認めてあげよう」
「え?」
いきなり勝負をしろと言っているのだろうか?だが、いくらSSSランクとはいえ、あの魔法を使うわけには・・・
「ユリ。手加減はいらないわ。全力で戦ってらっしゃい」
「止めないんですか?」
「絶対こんな條件つけてくると思ったもの。実力がないとSSSランクにはしないって」
どうやら最初から予想していたようだ。だったらやるしかない。そう覚悟を決め、僕はロドスさんに相対した。
◇
ロドスさんは腰に下げていたショートソードを抜刀し、構える。だが、その構えは斬りかかるような構えではなく、切っ先を前に突き出すような構えをしている。その意図はわからないが、彼も魔導師である。何かしらの魔法を使おうとしているのだろう。
「準備はいいかな?」
「はい」
僕は使う魔法を決めている。正直、できるか不安ではあるが、一度試して見たかったのだ。功すれば確実に勝てる。
「じゃあ、始めよう。セレスさん、合図をお願いします」
「ええ。ユリの実力に驚くといいわ」
「それはわかりませんね」
二人はそんなやりとりをしながら僕に目を向ける。そして、始まりの合図が鳴る。
「はじめ!!」
ロドスさんが魔法を発しようとしている。すでに放つ準備はできていたようだ。流石はSSSランク魔導師だと、心の中でし驚く。しかし、僕の魔法もすでに完していた。
「【火焔龍エフリート】」
ロドスさんの方から炎の龍が出現。上空に上がり真っ直ぐにこちらに落ちてくる。おそらく10メートルはあるのだろう大きさだ。だが、炎の龍は僕に直撃することなく、凍りつく・・・・。
「なっ!?」
「ふふん」
ロドスさんが驚愕の聲を上げ、セレスさんが得意げに頷く。炎の龍が、そのままの形で・・・・・・・ 凍ったのだ。
「【魔力凍結マジックフリーズ】」
この魔法の効果は、魔法を作り出している魔力そのもの・・・・・・を凍結させる。正直言って、反則もいいところの魔法である。
魔法を無効化したので、次はロドスさん本人に魔法をかける。
「【意識凍結  ロブ】
意識そのものを凍結させ、意識を奪う・・。これで決著。
ロドスさんが草原に倒れこむ。しばらくは意識を失ったままだろう。魔法を解除し、意識が戻るまでセレスさんの元で休むことにした。
「勝者、ユリ。よくやったわね」
SSSランカーをユリエルは圧倒した瞬間であり、5歳のSSSランカーの誕生の瞬間であった。
じょっぱれアオモリの星 ~「何喋ってらんだがわがんねぇんだよ!」どギルドをぼんだされだ青森出身の魔導士、通訳兼相棒の新米回復術士と一緒ずてツートな無詠唱魔術で最強ば目指す~【角川S文庫より書籍化】
【2022年6月1日 本作が角川スニーカー文庫様より冬頃発売決定です!!】 「オーリン・ジョナゴールド君。悪いんだけど、今日づけでギルドを辭めてほしいの」 「わ――わのどごばまねんだすか!?」 巨大冒険者ギルド『イーストウィンド』の新米お茶汲み冒険者レジーナ・マイルズは、先輩であった中堅魔導士オーリン・ジョナゴールドがクビを言い渡される現場に遭遇する。 原因はオーリンの酷い訛り――何年経っても取れない訛り言葉では他の冒険者と意思疎通が取れず、パーティを危険に曬しかねないとのギルドマスター判斷だった。追放されることとなったオーリンは絶望し、意気消沈してイーストウィンドを出ていく。だがこの突然の追放劇の裏には、美貌のギルドマスター・マティルダの、なにか深い目論見があるようだった。 その後、ギルマス直々にオーリンへの隨行を命じられたレジーナは、クズスキルと言われていた【通訳】のスキルで、王都で唯一オーリンと意思疎通のできる人間となる。追放されたことを恨みに思い、腐って捨て鉢になるオーリンを必死になだめて勵ましているうちに、レジーナたちは同じイーストウィンドに所屬する評判の悪いS級冒険者・ヴァロンに絡まれてしまう。 小競り合いから激昂したヴァロンがレジーナを毆りつけようとした、その瞬間。 「【拒絶(マネ)】――」 オーリンの魔法が発動し、S級冒険者であるヴァロンを圧倒し始める。それは凄まじい研鑽を積んだ大魔導士でなければ扱うことの出來ない絶技・無詠唱魔法だった。何が起こっているの? この人は一體――!? 驚いているレジーナの前で、オーリンの非常識的かつ超人的な魔法が次々と炸裂し始めて――。 「アオモリの星コさなる」と心に決めて仮想世界アオモリから都會に出てきた、ズーズー弁丸出しで何言ってるかわからない田舎者青年魔導士と、クズスキル【通訳】で彼のパートナー兼通訳を務める都會系新米回復術士の、ギルドを追い出されてから始まるノレソレ痛快なみちのく冒険ファンタジー。
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