《創の転生者〜最強魔導師の転生記〜》第14話 完した武
2年が経ち、僕は11歳になっていた。一年が終わったばかりなので実際には今年で12歳になるのだが。
ついに待ちに待った魔核石に僕の魔力が完全に馴染む頃だ。
「さあ、今から魔核石を見に行きましょう。もういい頃合いだからね」
「はい」
セレスさんと共に地下室への階段を下りていく。2年前にってから一度もっていないのに、室はかなり清潔に保たれている。恐らくなんらかの魔法が室にかけられているのだろう。
「さ、蓋を開けるわよ」
そう言ってセレスさんはかぶせられていた蓋を取る。中にあった魔核石の狀態は・・・5つに分裂していた。
「あの・・・分裂してるんですけど」
「なんで・・・あら?」
セレスさんが何かに気づいたように聲をあげる。
「この5つの魔核石、全部魔力を宿してるわ。ユリの魔力よ」
「どういうことですか?」
それぞれが魔力を持った石に分裂したということだろうか?だが何故バラバラに?
「恐らくだけど、ユリの魔力が強すぎんたんだわ」
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「僕の?」
「ええ。あなたの魔力は各屬の魔力が強すぎて反発を起こしたんだと思う。だから分裂したんだわ」
つまり、僕の各屬の魔力が強すぎたということだろう。お互いがそれをけれられずに反発をして分裂をしたと。水と油の分離と同じような原理でいいと思う。
「なんかこの黒いのは小さいですね」
「ああ、闇屬の魔核石ね。當然よ。ユリは闇屬の魔力をししか持っていないんだから」
ということだそうだ。他の4つは直徑3センチほどの大きさだが、闇屬のものは直徑1センチほどしかないのだ。これも魔力量のせいらしい。
「他の魔核石も通常と同じほどのサイズだけど・・・その魔力の濃さは桁違いね」
僕の全魔力保有量を上回った魔力を込めたのだ。その濃度は折り紙つきだろう。
「それで・・・肝心の武の方はできたのかしら?」
「はい。一応できています」
セレスさんに問われ、僕はすでに完していることを伝える。あれはかなりの傑作だと自分自自負している。僕は人差し指につけていた自作・・の魔道からその武を取り出す。
「全く、便利な魔道を作ったものね。それが貴族とか商人に知られたらとんでもないことになりそう・・・」
「見られても構いません。師匠にもらったと言いますので」
「まあ、私は師匠というよりお母さんだものね?」
本人は自分を僕の母だとずいぶん前から言っている。僕も母親のように慕っているので特に異論はない。なので必然的に師匠とはあの人になる。
「ロドスが師匠とは誰も思わないでしょうけどね」
「まあ、ロドスさんの名前は言いませんので安心を」
もしもの時は名前を出すが、それ以外は言わないことにする。僕はすでにロドスさんに勝利しているので、魔法に関しては微妙だが、武の扱いに関しては師匠と言える存在である。
「まあ、見せるかの判斷はユリに任せるわ。それでこの槍・のどこに魔核石を埋め込むのかしら?」
「それは今から見せます。すぐに完しますので」
僕は當初の予定通り槍を作った。全的に蒼いをしており、穂は二つに分かれている。短い穂は炎のような形をした朱の輝きを放ち、長い穂真っ直ぐな蒼の刃をしている。
「し加工します。10秒ほどで終わりますので」
「わかったわ」
僕はルーン魔法でけら首から蒼の穂の中心までに、魔核石を埋め込むための窪みを5つ作る。
この6年でルーン魔法についてわかったことがある。この魔法の本質だ。ルーン魔法の源は、僕の骨・にあった。魔法を発させるときに腕がっていた理由は僕の骨にルーンの古代文字が刻まれていたから。それは分かっていたこと。新たに分かったのは、骨の文字は僕が使おうとしている魔法を読み取り、自的に発に必要な文字に魔力を流しているのということだ。ルーンの知識で僕はその文字に魔力を流し、唱えることで発する。
このようにの形を変えることなど造作もない。
「出來ました。魔核石を埋め込みましょう。槍自に魔力が通ることは確認済ですので」
「そう。ならいいわ。じゃあ今からはめ込むわね」
魔核石が穂に埋め込まれていく。そして埋め込まれた後は再びルーンをかける。決して外れるな。と。
「よし。埋め込み終わったわ。これでソウルは完よ。外で魔法を試しましょう」
無事にソウルができたので、僕たちはいつもの草原に移した。
◇
草原の中心で、僕は魔法の試し打ちを始める。
使うのは、一番うまく使える氷魔法・・・
僕は魔力を槍に流す。すると槍の穂が白く発する。と同時に、水屬の魔核石が発した。
「【氷槍ランス】」
氷の槍を生み出し、出する。自分で生み出した氷はある程度コントロールすることができる。し、彼・・らの力を借りているのだ。
氷の槍は真っ直ぐに飛んでいき、木に突き刺さった。
「かなり発の負擔が軽い」
「そうでしょ?ソウルを介にすることによって負擔が分散されて楽に魔法を放てるようになるのよ」
そういう理屈だったらしい。だがこれは確かに楽だ。いままでソウル無しに魔法を使っていた自分が信じられないくらいに。
「ねえユリ?さっき霊・・たちの力を借りていなかった?」
「はい。借りていましたよ。氷の槍を真っ直ぐに飛ばしてくれと頼みました」
実際には聲に出していないが、僕は僕の中にいる霊の一にお願いをしたのだ。正確に言うと意思を汲んでもらったのだ。
僕はこの6年でもう一つのことを學んだ。霊のことについてだ。セレスさんは魔法を発するときに霊の力を借りていると、何年か前に教えてくれた。なので、僕も霊の力を借りれるようになりたいと言ったところ、一度は渋っていたが僕がセレスさんに抱きつきながら上目遣いでお願いしたところ、快く教えてくれたのだ。
「もうかなり使えるようになったわね。本當にすごい子・・・」
「セレスさんのおですよ。霊たちが僕と契約・・してくれたのは、セレスさんの教えがあったからです」
霊の力を借りるには、契約をする必要がある。大は何かしらの條件を突きつけられるので、その條件を呑むことで契約が果たせるのだ。
僕は現在複數の霊と契約しているので、契約霊と同じ數の條件を呑んでいた。どの霊も條件は同じだったが・・・
「私も2と契約しているけど、ここまで早く使いこなせるようになるにはもっと時間がかかったわ」
僕は彼の指導がよかったんだと思っている。的確にアドバイスをくれるので、とてもわかりやすかったのだ。
「もしかしたら、霊の力を借りて新しい魔法も作っちゃうかもね」
「流石にそれは無理だと思います」
「あはは。可能はあると思うんだけどな〜」
セレスさんは笑いながら答える。新しい魔法を作るのは研究者の仕事である。それなりの魔法なら特許が取れ、広めると同時にかなりのお金が手にるのである。
「じゃあ魔法の確認もできたし、そろそろ帰ろりましょう」
「そうですね。すぐにお晝を作ります」
僕たちは家に帰るため、草原を後にした。
この時、僕は一つ噓をついた。新しい魔法は、すでに完させてしまっていた。それも強力で、とてつもないほどの魔法を・・・
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