《創の転生者〜最強魔導師の転生記〜》第20話 トップの模擬戦
「模擬戦を?」
僕は學園長へと聞き返す。
「はい。私はSSランク魔導師として、あなたの実力を確認したくございます」
學園長の言葉遣いは、先ほどまでの生徒にかける口調ではない。世界中の魔導師の頂點に君臨する、SSSランク魔導師に対する最上級の敬意を示す言葉遣い。僕はかなり居心地が悪いが、答えを返す。
「それは・・・咄嗟にしてみたいと思ったと?」
「いえ。実は學の話をお聞きした時より、戦って見たいと思っておりました」
「そんなに前から・・・」
ここで斷るのはしかわいそうだ。貴族なら斷っていたかもしれないが、彼はエルフであり、この學園の長なのだ。いに乗ろうと思う。
「別に構いませんが、どこでやるつもりですか?あまり目立つところは避けたいですので」
「実習棟の地下・・で行いましょう。あそこなら誰もれませんので」
地下があったのかと、若干の驚きをじつつ、僕らは地下に行くことになった。
◇
そして、実習棟の地下にやってきた。ドームのような形をした模擬戦場がある。あの中で行うのだろう。そしてドームの外には、結界を構築するのであろう魔法陣が描かれており、魔力を一定量流すことで結界が張れるのであろう。
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「とりあえずドームにろうかな。學園長はもう準備できてるみたいだし」
學園長はドームに著くとすぐに控え室に回り、中にってしまった。僕は若干急ぎつつ中にる。
「ユリエル様。この度は申し出をけていただき、謝いたします」
「まあ、いいんだよ。僕も戦うことに関しては必要になると思うから。ここで力を見せつけておくのも悪くない」
お互いにそんなことを口にしながら魔力を練る。実際、魔力を練らなくても僕には霊がいるので魔法は使えるのだが。ここは學園長に合わせるとしよう。
「準備はできましたか?」
「はい。僕はいつでも大丈夫です」
「私も準備はできましたので、いつでも始められます」
僕はお互いの準備ができたところで、し挑発する
「先攻はお譲りしましょう」
笑いながら學園長にそう言う。すると學園長も口端を吊り上げ、僕に言ってきた。
「では!そのチャンスを有効に活用させていただきます!」
學園長の周りに大量の水が出現する。そしてその水は徐々に集まり、大きな水の虎を形作った。大きさは3メートルはあるであろう大きな水の虎が僕には迫ってくる。本當は魔力凍結マジックフリーズあたりで消そうかと思ったのだが、ここはひとつ違う魔法を使うことにした。それは・・・
「【灼熱の暴風プロミネンステンペスト】」
風のSランク魔法テンペストと炎のSランク魔法プロミネンスの合魔法である。本來なら、テンペストだけでも吹き飛ばせるだろうが、服が濡れてしまう可能がある。なので、水飛沫もろとも蒸発させることにしたのだ。
水の虎は押し迫る火焔の暴風になすすべなく、を蒸発させた。このテンペストは短い範囲に効果を及ぼすよう調整することもできるのである。
実際、かなりの魔力を消耗するのだが、僕にとってはなんの意味もなかった。ソウルを使っているので魔法も出しやすい。
「さ、流石はSSSランク魔導師・・・ここまでとは・・・」
かなり驚いているようである。先ほどの水の虎もSランク魔法なのであろう。だが、Sランクの中では弱いのかもしれない。ロドスさんの魔法に比べたらレベルが違いすぎる。
逆に僕の魔法は二つともSランク魔法でもトップクラスの魔法なのだ。ロドスさんとセレスさん直伝の技なのだ。強いはずだ。
「どうしますか?まだやるならお相手しますよ」
「・・・では、次は私の最高の魔法をお見せします」
どうやら本気を出すようだ。いったいどんな魔法なのやら・・・
「この魔法はSランクモンスターである、メテオドラゴンを倒した魔法です
。しっかりとけ止めてくださらないと、ここが大変なことになりますよ」
「大丈夫ですよ。全力でどうぞ」
そう言った瞬間、彼は笑顔を浮かべ、魔法を唱える。彼の後方に大きな魔法陣が浮かび上がる。そして、その魔法陣から大きな氷の虎が出現。彼は虎を形にするのが得意なようだ。
その虎は、先ほどのものよりも大きく、7メートル程はあるように見える。そして、虎はこちらに向けて突進を始める。虎の周囲には竜巻のようなものが出現虎を覆っている。これは彼の合魔法なのだろう。
「【竜巻の白虎サイクロンタイガー】」
このまま直撃したら怪我どころの話ではないだろう。學園長はどうだと言わんばかりの顔を向けている。
だが、當たらなければ意味がないのだ。
「【重力波】」
僕は屬魔法ではなく、ルーン魔法で迎撃。重力の波を発生させ、虎も竜巻も空間ごと歪めて・・・・・・・消滅させる。
彼は驚愕の表を浮かべる。彼から見れば、いきなり空間が歪んだかと思うと、自分の魔法が壊されたようにしか見えなかったのだろう。
僕はソウルの切っ先を學園長に向け、続きを聞く。
「どうしますか?勝ち目は明白でしょうが」
「・・・降參いたします。ここまでの実力差とは」
學園長はとてもいい笑顔で笑いながら降參を申し出た。
この模擬戦は、僕の圧勝で終わった。
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