《創の転生者〜最強魔導師の転生記〜》第30話 ユリエルの気持ち

生徒會室に呼ばれた。昨日の時點で生徒會にはらないと伝えてあるので、勧ではないだろうと思う。だが、あの生徒會長は再び勧してきそうでし面倒だ。

「・・・ノックしよう・・・」

生徒會室の目の前に立ち、憂鬱な気分で扉をノックする。はっきり言うと、かなりめんどくさいので研究室に戻りたい・・・。

コンコン・・・

「どなたですか?」

またか、と思いながら返事をする。呼び出したのだから検討はついているだろうに・・・・。

「中等部1年のユリエル=フロウドです。呼び出しがありましたのできました」

ってください」

僕は生徒會室の中にる。會長は応接用のソファーに座っていた。その隣に、アラン=ダステルが腰掛けていたが・・・。

僕はアランには目を向けず、會長だけを見る。

「それで・・・今日は何の呼び出しですか?生徒會への勧ならお斷りしたはずですが?」

「それはね・・・・ああ、ありがとう、マナ」

僕らの前に紅茶が置かれた。もう1人室にいた彼が淹れてくれたのだろう。僕は先ほど飲んだばかりなので、口は付けない。胃が紅茶でいっぱいになってしまう。

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「とりあえず、晝食もまだなので早くしてもらえますか?人を待たせているので」

「それはごめんなさいね。じゃあ手短に話すわ」

會長は紅茶を一口飲み、隣に座っているアランを見てから話し始めた。

「単刀直に言うね。アランと昔何かあったの?」

「それを言わなければならない理由をお述べください」

「アランがここまで取りすのは普通じゃないわ。だから、何かあったのか聞いてるの」

「僕には答える義理がありません」

「じゃあ、言うわ。生徒會長として、アランと何があったのかを教えなさい。生徒が苦しんでるのを解決するのも、生徒會長としての務めです」

綺麗事だ。僕はそう思った。苦しんでるのを助けることができるのは自分自だけ。僕が話したところで何の解決にもならない。許す気などないのだから・・・。

「拒否します。僕はその命令には従いません」

「いいのかしら?この件は學園長にも通るけど?」

「その學園長から、従わなくてもいいと言われているのですが?」

「なっ!!」

僕に命令できるものはいない。できるのはお願いをするくらいだ。たとえ國王であろうと、これは変わらない。

「會長。私から直接ユリに言います・・」

「アラン・・・」

「要件はこれだけですか?なら僕は帰りますが・・」

「待って!!話を聞いてユリ!!」

アランがびながら僕を呼び止める。自分の名前を呼ばれて、酷く不快になる。が、それは言葉にはしない。そこまで稚ではないのだ・・・。

「どうかしましたか?僕は用があるのですが」

「ねえ、私を恨んでるわよね?」

「だからなんですか?」

「あの日。私たちは一生忘れることのできないことをしたわ。でも、あれは父様があなたを楽にするためだって聞いて・・・・っ!!」

僕は酷く機嫌が悪くなった。言い訳を聞きたくてここにきたわけではない。謝罪の1つでもあるのかと思った。それで許すわけではないが、ないよりマシだろう。それが自分の弁明ときた。

「【氷薔薇の園ローズガーデン】」

僕は、苛立ちを隠しきれず、魔法を使ってしまった。氷の薔薇が僕を中心に広がっていく。これは観賞用の氷の庭園ガーデンとは違う。薔薇の棘がに巻きつき、刺さるのだ。そして、刺されたところから徐々に凍っていく魔法。

「こ、これはいったい・・」

「會長!アラン!大丈夫ですか!!」

マナと呼ばれたが2人に呼びかける。僕は展開させただけなので、2人を氷の像にするようなことはしない。ただ室の溫度をかなり下げただけだ。

「あまり僕をからかわないでください・・。うっかり凍らせてしまいそうです」

「な、どうして・・・ユリ・・・」

なにか言っているが聞くつもりもない。聞く時間も無駄だ。

「弁明を口にするんじゃない。覚えておけ。復讐はする。だが、僕はそれが目的ではない。僕の目的のために、復讐心は邪魔になるから取り除いておくんだ。あの苦痛を僕は忘れない」

わざと普段の敬語を捨て、アランに言い放つ。その顔は、絶しているようだった。今見せた魔法はSランクの魔法だ。Aランク相當の実力はあると會長は知っているので、このくらいなら大丈夫だろうと見せた。

「僕に許す気は無い。償いならやめておけ。意味がない」

魔法を解除する。最後に言い放ち、僕は生徒會室を後にした。許してもらえると思っていたのだろう。自分がしたことを悪いと思っていたのだろう。

そんな気持ちがあったところで、あの過去は変わらない。時間はもう戻ってこないのだ・・・・。

ユリエルが去った後、生徒會室には3人が殘っていた。

「・・・・ユリエル・・」

アランはこぼれ落ちる涙を拭おうともせず、下を向いてユリエルの名前を呼んでいた。彼、許してもらえると思っていないと言えば噓になる。だが、ほんのしでも、昔のように接してもらえると思っていた。

だが、ユリエルの傷はそんなに生易しいものではなかった。もう取り返せないのだ。

「アラン・・・あれはもう無理よ。許してもらえるとかいう次元じゃない、猛烈な復讐心でいっぱいよ」

「それに、あんな魔法は初めて見ましたよ。流石はAランク相當の実力の持ち主です。

2人はそれぞれ思ったことを口にするが、アランには屆いていない。それほどショックだったのだ。親に復讐すると宣言されたのは・・・。

「アラン。流石に今回は聞くわ。あなたと彼になにがあったのか。彼から聞こうと思ったけど、答えてくれないし」

「・・・・はい・・・わかりました」

アランは絶した表のまま、話し始める。

昔、ユリエルとは普通に仲が良かったこと。ある日、ユリエルの異常な再生能力を父が知り、地下の拷問部屋に連れていかれたこと。そこでユリエルがとてつもない拷問をけていたということ。自分たちが父から、ユリエルは悪魔に取り憑かれているから解放してあげようと、ナイフをユリエルに突き立てたこと。

その次の日、ユリエルは拷問部屋で死んだと聞かされたこと。

「・・・・それは・・酷いわね・・・」

「あの異常なまでの復讐心も納得です」

「私たちはとても後悔しているんです。ユリを死なせてしまったと思っていたので・・・」

話したところで、また涙が溢れる。もうどうしようもないのだ。ユリエルの心は変わってしまった。自分たちが、変えてしまった。

「アラン・・・これは私では手に負えないわ。でもね、これだけは聞いて。あなたが彼を思う気持ちは忘れてはダメ」

「・・・・」

「彼のことを大切だということよ。そして、許してもらえるまで謝るの。謝罪の気持ちと彼を大切に思う気持ちを忘れないで」

「・・・はい」

アランは會長・・・レティラに抱きしめられたまま、嗚咽をらした・・・。

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