《創の転生者〜最強魔導師の転生記〜》第38話 謎の黒
広大な草原から遠くにある森。そこには、奇妙な現象が起きていた。
森が、真っ黒に染まっている
自然では絶対に起きることのない、不可思議な現象。その黒が。ゆっくりと森を侵食している。
この數時間後に、グラスター魔法學園の生徒たちは、モンスターの恐怖を知ることとなる・・・。
◇
(索敵には異常無しか)
僕は索敵の魔法を使用する。特に問題はないので、王様の護衛を続行する。先程からまだモンスターに遭遇していないが、王様ともう1人の子生徒・・名前は確かアルナだったか?は、先程から張している様子で周りを伺っている。
「すっごい張するね・・・」
「は、はい。何か出そうな気がしますから・・」
(周囲にいるのは雑魚だぞ〜〜)
僕は心の中でそう思うが、彼たちの張も実習のうちだと考えよう。僕は験したことない覚だが、魔導師にはそのような張も必要なのだろう。
僕は、SSSランクのモンスターが出てくれば、それなりに張するかもしれないけど・・・。
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と、そうこうしているとモンスターが出てきた。
「きゃ!モンスターが出ましたよ!」
「よーし!得點稼ぐわよ!!」
今目の前にいるのはランクモンスターのファイトモンキーだ。ファイトモンキーは近接格闘しか使ってこないため、遠距離の得意な王様なら相はいい。
「いきます!【ウィンドカッター】!!」
予想通り、王様が風の刃を生みだし、ファイトモンキーを倒してしまった。それなりに自分の長所を理解しているようだ。
「あー、私の出番なくなっちゃった」
「あ、ご、ごめんなさい!」
「あはは。いいんだよ。まだ時間とかあるし、嫌でもモンスターに遭遇するんだから」
「そ、そうですね。まだたくさん出るんですよね」
「そうそう。だから戦う機會はあるからさ」
2人が楽しそうに話している時、僕の索敵にし強めのモンスターが引っかかった。
(これは・・・生徒が相手にするには早すぎるかもな・・・)
僕は王様の居場所を把握しつつ、そのモンスターの討伐へ向かった。
◇
およそ2分で、そのモンスターの居場所までつくことができた。そのモンスターは八本の手足を持った人型の姿をしていた。
僕はルーン魔法で相手の報を調べる。
「スパイダーコング・・・ランクBか・・・」
兇暴そうな見た目とは裏腹に、ランクはそこまでだった。どうやら近接攻撃と口から吐く毒、同じく口から吐く粘著のある糸が主な攻撃手段らしい。
「だが・・・なんだろう?こいつ、なんで半分だけ真っ黒なんだ?」
ってきた報とは全く違う外見なのだ。本來は茶いで覆われているようなのだが、目の前にいるそれはの半分が黒い何かで覆われていた。
”ゴルアアアアアアアア!!”
どうやら僕に気づき威嚇してきたようだ。本來なら、そのまま消滅してやるところだが、々気になることがあるのでを殘したまま殺すことにした。
「【重力強化】」
こちらに突進してきていたスパイダーコングが、地面に倒れ伏す。重力を強化したので、前に進むことができないのだ。僕はスパイダーコングの一部に、さらに重力をかけた。
「【心臓部の重力を10倍に引きあげろ】」
かけた瞬間。スパイダーコングはビクリっとを震わせ、絶命した。
が次の瞬間に、僕は驚愕することとなる。
「なっ・・!」
スパイダーコングから離れた黒いが、スパイダーコングの姿を形取ったのだ。全は真っ黒だが、間違いない。
そしてそのまま僕に向かって突進を始める。
「チッ!取り付いた相手をコピーするってことか!」
僕は吐き捨てるように、持論を言葉にした。が、そんなことを言っている場合ではないと、魔法を使用する。
「【空間ごと消滅しろ】」
黒いスパイダーコングは、そのを不自然なほど小さくしながら消滅した。僕が奴のいる空間ごと消滅させた。消滅させた空間はすぐに戻る。そのように念じたのだ。
「もし。もしあの黒いがこの森中にいるとしたら・・・まずいことになるな」
僕は改めて、いまどのような狀況にあるのかを考える。モンスターのコピーなどとんでもないことだ。1倒してももう1いるのだ。はっきり言ってかなり危険な狀態。
僕は嫌な予がするが、ひとまず王様の元に戻ることにした。
◇
その頃のマリーたちは、順調にモンスターを倒しており、その死骸はアルナの水魔法によって運ばれている。
「それなりに倒しましたね。一旦休憩しましょうか」
「そうだね、じゃあそこの倒木でーに座ろうか」
2人は近くの倒木に腰を下ろし、水分補給を行う。そして、し張がほぐれたようで、談笑をし始めていた。
クラスのことや、この実習のこと、モンスターのことなどを話していた。
と、その話は隣のクラスのことになっていた。
「ねえ、マリーちゃんは知ってる?」
「?なにがですか?」
「隣のBクラスに、ほとんど授業に出てない子がいるんだって」
「な、なんですかそれ?問題児ってことなんですか?」
「それがさ。なんか研究室にこもってずっと研究してるらしいよ」
「け、研究ですか?」
「そう研究。なんの研究かはわからないけど、學園長に許可を貰って授業とか出てないらしいよ」
「が、學園が認めてるん・・・ですか?」
それはマリーも驚きだった。それに、學園長から認められた研究とは一なにかも気になった。
「その方は・・・どんな方なのかは知っていますか?」
「ええっと。私は多分1回だけ見たことあるかも」
「そ、それはどんな?」
「んーっとね。すっごい見た目かっこいい人だった。でもなんか近寄り難いじ?クールそうな人だったかな」
「容姿端麗な方なんですか?」
「なくてもあれはかっこいいとかの次元じゃなかったけどね」
「そ、そんなに・・・」
マリーは興味をそそられた。友人がここまで絶賛するほどの容姿の持ち主なのだ。一度會って見たい・・・。
「あーあとね。Bクラスの子から聞いたんだけど、魔法検査の時の推定ランクはAだったそうだよ」
「ラ、ランクAですか!?」
「なんでも、空中に巨大な氷の花を生み出して、あの人形に落下させたらしいの。あの結界は全壊で、人形のも貫いていただけじゃなくてね。周囲10メートルくらい凍らせちゃったらしいの」
「と、とんでもない人なのですね・・・」
マリーはここまで聞いて、なお疑問に思う。何故、そこまでの実力があるのに、授業に出ないのだろうかと。絶対にもっと強くなれるはずなのに、それをばそうとしないのは何故か。
「1度會って見たいですね。そして、授業に出るように説得したいです」
「そのほうがいいよね。もったいないくらい強いらしいから」
マリーは、その生徒に授業に出るようになってもらおうと、かに決心した。
本人が近くで話を聞いていたのも知らずに・・・・。
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