《魂喰のカイト》3話 との出會い

さてさて、外にやってきました。

天候はくもり、それもとても禍々しい出來上がりです。

そして、視線を下ろすと目にってくるのは、なんと斷崖絶壁となります!

いやー、こんなに綺麗に崖ができているとは思ってもいませんでしたねぇ~。

…………ふざけんなよ!

城の外に出て1歩目から足場がなく、下を覗いてみたら真っ黒な雲しかなかったのだ。

そう、ここは天空の城よろしく、空に浮いていたのだ。

うーん、どうしようかなぁ。

って、そうだ。

俺、空飛べるんだった。

黒翼の展開を念じる。

即座に腕の長さの2倍ほどある翼が1対出てきた。

よーし、飛び降りるぞー?

本當に飛び降りちゃうぞー?

本當に、本當に……って、ぁぁああああ!

足がガクガク震える。

普通に考えて怖いわ!

何が悲しくて下もよく見えないような斷崖絶壁にを投じねばならんのだ!

例え空が飛べるって分かってても簡単に飛び降りれるものじゃない。

はあ、そういえば俺、ジェットコースターも苦手だったな。

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あの浮遊と旋回時に地面が見えるアレ、本當に無理だった。

ほんと、ジェットコースターが大丈夫とか、バンジージャンプができる人は尊敬に値する。

――誰か後ろを押してくれたりしないもんかなぁ……。

まあ、誰もいないよな。

仕方ない。

男は度! 大丈夫、俺なら行ける!

レッツ、スカイダイビン!

膝を深く曲げ、手で予備作をしっかりとった後、思いっきりジャンプした。

――飛びすぎたぁぁぁあ!?

なんと城のあった位置から10メートル近く飛び上がってしまう。

自分で落下距離増やしてどうするんだよ!

くそっ、落ち著け!

はばたけ俺!

大空に!

いや、空は黒ずんでるけどさ!

飛び降りる前に下に見えていた黒い雲のゾーンに既にってしまっていた。

慌てて翼をはばたかせる。

よし! しだけ落下速度が落ちた!

この調子で――きたっ!

落下の勢いを完全に打ち消した。

空に浮いたのだ。

今はを上にして空している。

よし、このまま降下だ。

上半を下半より下に下ろし、まっすぐに進む。

これで下向きに進めているはずだ。

いやー、空の旅、快適だね。

何も躊躇する必要は無かったよ!

なんて思ったのもつかの間。

――あ、ああ!?

加速する!

やばい! 翼が追い付いてない!

重力加速度という言葉を知っているだろうか?

を放り投げたとき、時間當たりでどのくらい加速するかを表す數字だ。

地球では9.80619920m/s2が使われているが……そんな難しい話はどうでもいい。

つまりは、俺は自分のが宙に放り出されたとき、加速していくことを失念していたわけだ。

「やあああああばああああああいいいいいいい!?」

顔の筋が揺れる、揺れる、揺れる。

Gがかかる、とはこのような狀況のことを言うのだろう。

もし経験したことがない人がいたら今の俺の気持ちを全力で語ってあげたい。

そんなアホなことを考えている間にも俺のは落ちていく。

気絶しないのは半神人デミゴッドだからだろうか。

くそっ、どうせなら気絶してる間に殺してくれよ!

なんだって意識がある狀態で恐怖しながら死ななくちゃいけないんだ!

恨むぞこんちくしょう!

地上が見え始めた。

既にあの濁った汚い雲群は抜けている。

ちょうど今、綺麗な雲も抜けたところだ。

これは、もう駄目だ。

俺氏、転生して1時間で死――

ズドーン!!

いってええええええ!!?

考え終わる前に頭から地面に突っ込んだ。

こんな痛み友人からガチ右ストレートを顔面にお見舞いされたとき以來だ。

あのときは大変だったな。

幸い骨にヒビとかはなかったけど。

數秒間地面に転がりながら悶えたあと、を起こす。

どうやらクレーターを作ってしまったみたいだ。

まあ、それもそうか。

あれだけの速度だったんだ、仕方ない。

ていうか、そんな速度で落下して生きてる俺ってなんだろうな?

あ、半神人デミゴッドです、どうも。

俺は翼を再び羽ばたかせて、クレーターの上で空する。

ざっと辺りを見回すと、見渡す限り草原だった。

所々木が生えていて、いいじの日もある。

と、そこで俺の目に留まったものがあった。

こっちを向いて固まっているポニーテールの

そしてその隣でに攻撃をしようとしている2足歩行の豚のような怪

おそらく先ほどから戦していたんだろう。

両者とも所々に傷を負っている。

俺が來たことに驚いてよそ見しているの子と、その隙を狙っている怪

そして豚の怪は既に包丁のような武を振り上げている。

「ひっ!?」

の子がその狀況に気づいて腕を頭に回す――

ビュン!

的にいた。

翼をはばたかせての子を回収した後、豚の怪から大きく距離をとる。

ズザアアア! と大きな音を鳴らし、りながら著地した。

あああ、ついやっちゃった!

やったことは間違ってないと思うけど、お姫様抱っこのような形になっている。

こんなときどう聲かければいいんだろう!?

いない歴=年齢な俺には分からんぞ!

なんて言う? なんて言おう!?

「えっーと……大丈夫?」

俺の一杯はこれだった。

それに爽やかな笑顔をイメージしたのだが――

絶対ぎこちなく笑っちまった!

くそー!経験皆無な俺が憎い!

「え、あ、はぃ」

の子は顔を赤くして返事をした。

あっ、さすがにこの抱え方は恥ずかしいよな。

なるべく負擔がかからないように足先からゆっくり下ろす。

そこで、豚の怪が視界にった。

すぐに鑑定をする。

《魔:オーク 豚型の魔。強い繁能力を持つ》

か。

やっぱりいるんだな。

オーク。

邪神とは比べるのもおこがましいだろう。

の子を助けることにもなるし、さっさと魔法で片付けてしまってもいいと思う。

正直どの程度俺の魔法が使いになるか確認したいってのもある。

「あのオーク、俺が倒してしまっても問題ない?」

「え? あ、はい。襲われて困ってたので、倒してくれるならありがたいですけど……」

よし、許可もとったな。

オークに向けて腕をばす。

そして――ドン!

まるで大砲から弾が放たれたかのような轟音が鳴り響く。

もちろん俺の暗黒魔法のせいだ。

手から放たれた玉狀の魔法は、軌道を変えず、まっすぐにオークへと飛んでいく。

そして、命中。

その間わずか0.01秒。

オークの散する。

言葉通りだ。

幸い距離があったので返りは浴びていない。

凄い威力出るんだな。

々になっちゃったよ。

邪神さんの能力スキルマジパネェっすわ。

――というか生殺してもなんも思わないな、俺。

半神人デミゴッドになって神がおかしくなったか?

まあいいか。

異世界に來たんだし逆に気が楽になったくらいだ。

いちいち落ち込んでたらつらいもんな。

あ、そういえばの子はどうなっただろう?

大丈夫かな?

怪我とかしてないよな?

オークの巻き添えをくらってたら笑い話にもならない。

そう思い視線をの子に移してみると――

唖然とした表で木っ端みじんになったオークの殘骸を見ていた。

しばらくするとフッと我に返り、ポニーテールを可らしく揺らしながら俺の方を向いてくる。

「今のは、なんですか!?」

「え? 暗黒魔法……だけど」

「暗黒魔法!? 最上級の魔法じゃないですか!!」

ああ、そういうことになるのか。

確かに最上級ではあるな。

闇魔法カンストで手にるらしいし。

まぁ俺がわざわざカンストさせたわけじゃなく絶対悪アンラマンユの付屬品のようなもんなんだけどな。

努力で手にれたわけじゃない。

と、俺がそんなことを考えている間にの子は何かを決心したらしく、覚悟を持った聲で想像の斜め上を行く言葉を発する。

「あの! ぜひ、私をあなたの弟子にしてくれませんか!」

えっ、どういうことでしょう?

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