《魂喰のカイト》7話 魔力病治療
俺とルティアは今、先ほど行ったばかりの薬屋に向かっている。
「そういえば、あの魂喰そうるいーたー? ってなんですか?」
「ああ、ユニークスキルだよ。これも原理は分かってないけど気づいたら持ってた」
「ゆ、ユニークスキル!?」
ルティアが大聲を出す。
そのせいで、周りの人の視線が集まった。
いや、正確に言えば大聲のせいではないのかもしれない。
こんな騒がしい中で1人のの大聲で振り向く人なんてほぼいないだろう。
だとしたら容が問題か。
ユニークスキルってそんなに不味いものなのか?
とりあえず今も驚いた顔をしているルティアに注意をしておく。
「ルティア、し聲を抑えめに」
「あ! はい、すみません」
手で自分の口を押える作をするルティア。
顔をし赤くすると同時にやってしまったとばかりに周りを見て、既に視線はなくなっていることに気づく。
ルティアの言葉を真にけた者がいなかったという証拠だ。
それを確認するとし安心したようなじで、今度は聲を潛めて話しかけてきた。
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「イルムさん、ユニークスキルはAランク、Sランク冒険者の1握り、それと勇者や聖くらいしか持ってないものですよ!」
「あれ? そうなの?」
「はい! そうですよ! イルムさんが凄い人だとは分かっていましたがまさかユニーク持ちなんて……!」
激したような目を俺に向けてくる。
いや、そんなに激されても困るんだけどなぁ。
気づいたら持ってただけだし。
そんなことを考えながら再び歩き出す。
って、そうだ。
そういえば魂喰ソウルイーターでダークゴブリンファイターを吸収したんだったな。
1回自分を鑑定してみるか。
名 前:イルム
種 族:半神人デミゴッド
稱 號:神喰ゴッドイーター
スキル:【魂喰ソウルイーター】
【絶対悪アンラマンユ】
∟【威圧】
∟【黒翼】
∟【黒霧】
∟【暗黒魔法】
∟【固有魔法:暗黒剣】
∟【固有魔法:暗黒結界】
【神聖魔法】
【炎魔法】NEW
【時空魔法】
【鑑定】
【叡智】
【武創造LV1】NEW
【剣LV8→9】
【二刀流LV4】NEW
【火魔法LV9→10】UP
【水魔法LV7】
【雷魔法LV5→7】UP
【土魔法LV7】
【氷魔法LV9】
【魔法LV10】
【闇魔法LV10】
いつ見てもおかしいよな、俺のステータス。
これってこの世界で相當強いんじゃないだろうか。
まあいいや、それで今回追加されたのは――火魔法LV10でカンストして炎魔法。
闇魔法、魔法と同じように上位互換が手にったってことだな。
雷魔法もLV7になってる。
それと二刀流だな。
ダークゴブリンファイターが二刀流だったからか。
あとは――武創造。
なんだこれ?
《スキル:武創造 使用者の魔力依存で様々な武を作り出すスキル。LV1では使用した10%の魔力が適用される》
へぇ、なるほど。
つまりダークゴブリンファイターが2本持ってた剣は自分で作ったってことか。
それで俺も作れるようになったと。
でも暗黒剣がある俺にはあんまり必要ないな。
作ったら作ったでかさばるし。
――と思ったが、ここで閃く。
これ、めっちゃ金儲けできんじゃね?
魔からもらったスキル。
おそらくこの武創造スキルを持っている人間はいないだろう。
つまりは周りが必死に1本の剣を打っている間に俺は魔力を籠めるだけの簡単作業をするだけでいい。
そして半神人デミゴッドである俺の純度の高く、強力な魔力と常人を遙かに超える圧倒的魔力量による品質の良さと継続できる生産。
量産&ハイクオリティ。
あれ? 俺、武作の神じゃん。
これ、武屋開いたら確実にがっぽりだわ。
地獄の新人生活を送る必要もない。
よし、ルティアを治したら武屋を開こう。
――とその前に本當に武屋を開けるか武創造の実験もしとかないとな。
「あの、イルムさん? 顔が凄いことになってますよ……?」
おっと、すまんすまん。
どうやら俺のクールな顔面がで歪んでしまっていたらしい。
だが、それだけこの計畫は素晴らしいものなのだ。
毎日魔力を使うだけでがっぽがぽの最高生活。
王都に豪邸建てて毎日楽に暮らし、ゆくゆくは超絶と結婚――。
はっはっは!
自然と笑みがこぼれるな!
と、そんな夢語を妄想しているに薬屋についた。
「あぁ、もういらしたんですねぇ。素材の方は集まりましたかぁ?」
「ええ、もちろんです」
「……? なにやらすごく嬉しそうですねぇ」
「はい、良いことがありまして」
「そうですかぁ」
店主は袋の中を確認し、うなづいた後、もう1度確認する。
「”魔力病”の薬を作りますねぇ。大銀貨1枚いただきまぁす」
「あ、はいっ! お願いします!」
ルティアが笑顔で大銀貨を渡す。
長年落ちこぼれと言われていた原因を無くすことができるんだ。
心では踴りだしたいくらいだろう。
「確かに。では作るので々お待ちくださぁい」
そう言って奧にる。
々がどのくらいかは分からないが、店で待っていてもいいだろう。
やはり薬をオーダーメイドする人は多いらしい。
待つ人用に椅子が3腳置かれていた。
遠慮なく座らせてもらう。
「うっ、なんだかこれ、恥ずかしいです……」
椅子に座ったルティアの足は地面についていない。
し高めの椅子なのだ。
「ルティアは小柄だからな」
「はい……よくちんちくりんって言われるんです。もう15なのに……」
ルティアの長は大140センチ前半くらいだ。
確かに15にしては低い。
「そういえば、イルムさんってどこから來たんですか?」
ルティアに訊かれる。
王都の案をしてもらっている時點で俺がここ出ではないとは分かっているのだろう。
だからこその質問だ。
そして俺が答えづらい質問でもある。
なんて言おうか。
うーん。
「辺境出なんだ。ここからはずっと遠いけどね。仕事も探してたし王都にきたんだ」
「へぇ、そうなんですね。いつかイルムさんの故郷に行ってみたいです」
ルティアの曇りない笑顔がに刺さる。
噓をつくのがこんなに苦痛だったなんて……!
いや、ルティアが特別なだけか。
田中に噓をついたときは良心なんてちっとも痛まなかったし。
と、そんなじで雑談をしていると店主が戻ってきた。
「できましたよぉ、薬。とりあえず飲んでみてくださぁい。萬が一効かなかったら作り直しますんでぇ」
相変わらず間延びした聲の男店主から紫のき通ったがった瓶をけ取る。
《薬:魔力病特効薬 高位の薬剤師が作可能な薬。魔力病を打ち消す。素材はありふれているが、技力を求められるため、あまり出回っていない》
うおっ、そんなに作りづらい薬だったのか。
店主、意外と凄いんだな。
そう思って視線を向けるとニコニコと人の良さそうな笑みを浮かべてこちらを見ている。
ああ、いい人だ!
薬で困ったら絶対ここにこよう。
お得意様になろうと心に決めた俺はルティアに薬を手渡す。
「ルティア、飲んでみて」
「はっ、はい!」
し張した面構えだが、期待しているようでもある。
目を閉じて深呼吸をする。
再び目を開けたときには決意に満ちた表だった。
瓶のふたをキュッっと抜くと、瓶に口を付けて思いっきり傾ける。
き通ったしい紫のがするするとのどにっていき數秒もしないうちに飲み干された。
すると、しばらくしないうちにルティアの目が見開かれた。
「イルムさんっ! が、軽くなりました! なんだか力のみなぎるじがしてっ……わたし……わたし!」
ルティアの頬に涙がつたう。
しっかりと回復したのだろう。
「うおっと」
ルティアが抱き著いてきた。
俺の腹あたりに頭をうずめている。
「いるむざぁぁん! ありがどう、ありがどうございますぅ!! うう、うわぁぁあああん!」
「ああ、よかったな、ルティア。本當に、よかったよ」
嗚咽を抑えきれていない。
俺だって実際に見た、酷い差別、イジメ、落ちこぼれである辛さ。
長年続いたその原因を取り除いたのだ。
彼にとってこれほどうれしいことはないだろう。
もうしばらく、彼が泣き終わるまで、こうしておこう。
俺はそっとルティアを抱きしめ、頭をでた。
名 前:ルティア=バーゼル
種 族:人間
稱 號:克服者
スキル:【火魔法LV5】
【水魔法LV4】
【雷魔法LV3】
【土魔法LV2】
【氷魔法LV3】
【努力者】
【書籍化】外れスキル『目覚まし』、実は封印解除の能力でした。落ちこぼれの少年は、眠りからさめた女神達と優しい最強を目指す。【コミカライズ企畫進行中】
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