「よっ……と」

暗黒剣を空中で橫に振り抜き、著地する。

切り裂いたのは緑の鱗で全を覆っている二足歩行のトカゲ、リザードマンだ。

こいつも前に冒険者から報を聞いていた魔で、理に強い。

だが、さすがに暗黒剣を防げるほどではなかったようだ。

俺が斬った尾は鱗ごと綺麗に切斷されており、リザードマンの防力は完全に無視してしまっている。

我ながら凄まじい威力だ。

っと、そうだ。

魂喰ソウルイーターを忘れちゃだめだな。

発、と。

ああ、この力が溢れてくる覚はいつじても快だな。

についている枷が外れていくというか……解放があるのだ。

今だったら力を求めて闇墮ちしたキャラの気持ちがわかる気がする。

……あっ、いや。

俺は闇墮ちとかしないからね？

わざわざ大衆を敵回したりとかまっぴらごめんだ。

こうしてのんびりしている方が俺的には楽でいい。

まあいいや。

とりあえずステータスを確認してみるか。

最初のガーゴイルから結構な數の魔を仕留めた。

ガーゴイル3にリザードマン2、ゴブリン9、オーク4だ。

これだけ倒せばスキルの方も期待できるだろう。

ちなみに最初のガーゴイル以降はダンジョンを高速で駆け回り、暗黒剣を使って斬り倒してきた。

魔法を構築して魔力を込めるのに時間がかかるからだ。

開けた場所での多數との戦闘なら使いやすいのだろうけど、魔が3、4しかまとめて出ないダンジョンでは剣のほうが戦いやすいし早い。

このスタイルのほうがストレスフリーで効率的だ。

さて、スキルはどうなってるかな。

鑑定を自分に向けて発する。

名　前：イルム

種　族：半神人デミゴッド

稱　號：神喰ゴッドイーター

スキル：【魂喰ソウルイーター】

【絶対悪アンラマンユ　】

∟【威圧】

∟【黒翼】

∟【黒霧】

∟【暗黒魔法】

∟【固有魔法：暗黒剣】

∟【固有魔法：暗黒結界】

【神聖魔法】

【炎魔法】

【雷鳴魔法】NEW

【土塊魔法】NEW

【氷結魔法】NEW

【時空魔法】

【鑑定】

【叡智】

【巖】×4

【水泳】×2NEW

【武創造LV3】

【剣LV9】

【短剣LV2】NEW

【大剣LV1】NEW

【槍LV4】NEW

【斧LV3】NEW

【二刀流LV4】

【火魔法LV10】

【水魔法LV7→9】UP

【雷魔法LV8→10】UP

【土魔法LV9→10】UP

【氷魔法LV9→10】UP

【魔法LV10】

【闇魔法LV10】

おお、予想通り結構増えてるな。

まずは魔法スキルの長。

これらはおそらくガーゴイルとリザードマン、オークがまばらに持っていた分だろう。

吸収したことにより、雷、土、氷は10レベルまで無事にび終わり、それぞれの上位互換となるスキルを手にれることができた。

暗黒魔法と並んで主力となりえる魔法だろう。

次に武系統のスキルだな。

こちらはゴブリン、オーク、リザードマンが持っていたものだと思う。

短剣、大剣、槍、斧と、近接の武スキルは大手にった。

あとはレベルを上げないと。

今気づいたんだが大剣って持ってなかったんだな。

てっきり邪神アンラマンユが使ってたから手にれたのかと思ってた。

大剣を持っていなかったことについてざっと思いつく可能は2つ。

邪神アンラマンユにとってはあの大きさの剣は長剣ロングソードの範囲だったっていうのが1つめ。

もしそうだとしたらとんでもないな。

大剣の威力で取り回しが長剣ロングソードとか、考えるだけで恐ろしい。

そして、もう1つが魂喰ソウルイーターで邪神アンラマンユから吸収した力は全てではなかったという可能。

つまり奪ったスキル絶対悪は邪神アンラマンユのもつスキルの一部でしかなく、奪った中には大剣が含まれていなかったということだ。

ありえないわけではない。

半神人デミゴッドの能力は強力だけど、邪神アンラマンユに屆いているかと言われるとそうでもないからな。

邪神アンラマンユの能力を全て吸収できているとは言い難い。

良くて8割だろう。

殘りの2割に大剣が含まれてしまっていたということだ。

まあ、どっちの可能が高いかというと後者だろうな。

能力が邪神アンラマンユに屆いてないことから考えてもまず間違いはない。

それに大剣が長剣ロングソードとみなされたという拠ない推測よりは良いだろう。

ただ、ゴブリンやオークを吸収したときは魂喰ソウルイーターが制限されているじはなかった。

そのまま魔の全ての力がってくるじだ。

だから、俺と魔の強さによって吸収できる割合が変わってくるのだろう。

俺より格下であるゴブリンやオークは全て吸収できたというわけだ。

と、まあ考察してみたんだが、考えたところで意味は無いよな。

結局、大剣は手にったわけだし、吸収した時點で強くなっていることに変わりはないのだ。

なるようになるだろう。

さて、最後だ。

最後はと言うと、水泳だな。

これは多分リザードマンから手したスキルだ。

《スキル：水泳　泳ぎがうまくなる》

おう、まんまだな。

まあそれはいいんだ。

問題は橫についている×2だ。

巖の隣にも×4があるな。

初めて見た。

ここは鑑定してみるか。

《概念：蓄積　特定スキルを重ねて取得することでスキルが蓄積される。効果は重複しないが、蓄積數が上がることで上位互換のスキルが手にることがある》

へえ、そうなんだ。

じゃあ今の段階では意味は無いってことだな。

これから巖と水泳を手にれ続けて蓄積させていったら上位互換になると。

だったら今後はリザードマンとガーゴイルを中心に倒していくか。

せっかくだから上位互換とやらもしいしな。

それにしても、これだけのスキルを一気に獲得してしまったわけだが、普通に手にれようとすれば相當苦労するんじゃないか？

魔法學園に數年間通い、毎日必死に練習していたルティアでさえ火魔法のレベル4が最大だったのだ。

おそらくレベルが高くなればなるほど上がりづらくもなるのだろう。

だとすれば1レベル上げるだけでも何ヶ月、下手したら何年もかかるのかもしれない。

そもそも巖や武創造クリエイトウェポンに至っては習得の方法すら不明だ。

巖とか生的な特徴だしな。

今日までまったく使ってこなかったから結構影薄かったけど、魂喰ソウルイーターはやっぱりとんでもないな。

もし魔や敵となる人がもっていたら厄介どころじゃない。

下手したら神すら超えかねないし。

俺も扱いには注意したほうが良さそうだな。

変に言いふらすなんてもってのほかだ。

さて、確認も済んだしもうし探索したら武屋に帰るか。

そろそろ腹も空いてきたしな。

外は今頃夕方くらいだろうか。

ああ、夕食楽しみだな。