《シスコン&ブラコンの天才兄妹は異世界でもその天賦の才を振るいます》確認

ギルドにてスライム討伐の確認を終えた俺達は宿に戻り、午後はずっと宿の部屋で寛いでいた。

折角、異世界に來たのだから街を観したりしないのかだって?皆さんお忘れだろうか?俺達は引きこもりだということを。

必要最低限の生活費が稼ぐ事が出來たら後はベットインですよ。寢るに限りますな。

そんな生活を送りたいと永遠に送りたいと思っていた日が俺にも有りましたよ。

だが、神の話が本當なら邪神がいつ目覚めるか解らないので、今は自分の力を調べ、この世界の戦闘形式にも慣れておかないといけないのだ。

くそっ、邪神め!ぐーたら生活を邪魔するとは萬死に値する。

次の日の朝、眠たい目をり起床した俺達はゴブリン討伐の際に來た森の更に最深部の辺りに來ていた。

何故こんな場所に訪れているというと、雫のスキルの効果を確認するためだ。

俺の例から分かる通り、雫のスキルもまたチートの部類にるに違いない。

そんな力を人気のある場所で使用して目立つわけにはいかないのだ。

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その為今日はこんな所まで來ていた。

「雫、早速スキルを試してくれ」

「分かった」

雫はそう言うと、目を瞑り意識を集中させる。

雫の所持しているスキルは“空間収納”と“鑑定”、後は“錬”や“構築ストラクチャー”が存在する。

空間収納は俺も所持しているスキルなのでどういったかは知っている。

空間は時間が停止しており、魔を収納した際も腐敗が全く進んでいないようだった。つまり料理を収納すれば新鮮な狀態で味わえるという訳だ。生きに関しては植は収納が出來ても、魔などの生に関してはけ付けなかった。そこら辺は曖昧なのだろう。

鑑定もゴブリン討伐の際に使用しているので同様だ。問題は“構築”と“錬”だ。

だが、こちらはどういったスキルなのか検討はつく。大方、を造り出すスキルなのだろう。

問題は何処までのを造り出せるかだ。

某異世界ラノベのように何もない空間から造り出すことが可能なのか。

魔法等の以外の存在も造り出すことが出來るかだ。

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「まずは錬から発させる」

雫はそう言うと掌を虛空に広げる。

「【錬れんせい】」

雫がそう唱えると雫の掌に周囲一帯を覆うほどの輝かしいが広がる。

眩しいが収まってきたところで俺達二人は恐る恐る目を開く。

「何も…無いな」

「うん…」

雫の掌には何も現れていなかった。

となると、無から造り出すことは不可能だと推測できる。

まぁ、何も無い所から造り出せたら流石にチート過ぎるか…

「今度は素材からを造り出してみる」

雫はそう言うと、近くに落ちていた拳一つ分程の石を拾うと、再び意識を集中させる。

「【錬れんせい】」

先程と同様にスキルを発させると再び周囲がで包まれる。

すると今度は目を開き雫の掌に目を向けてみると掌に刃渡り15センチ程のナイフが握られていた。

「おっ、功か?」

「うん。石をナイフに変えてみた」

雫がナイフを俺に渡してきたので、俺は近くに生えていた木を目掛けて橫に振ってみる。

すると木には深さ1センチ程の傷が刻まれる。ナイフを確認してみると、々刃こぼれが出來ていた。

石で作ったナイフならこんなものだろう。

その後も雫は木の枝や偶々遭遇した魔の素材を使ってスキルを試してみたが、どれも納得のいく品質のに出來上がっていた。

どうやら錬は素材を想像したに造り変える能力のようだ。これも中々にチートだ。

素材さえあれば無限に武を造り出すことが可能なのだ。

戦場では重寶される力になり得る。

「それじゃあ次のスキルだが…構築ってどう使うんだ?」

「んー、名前の通りなら何か無機かせるようなスキルだと思うけど…」

雫はそう言いながら先程造り出した石のナイフを再び手に握り目を瞑る。

「【構築ストラクチャー】」

雫がそう唱えると、今度はで多い盡くされる事は起こらなかった。

…失敗か?そう考えていると雫が何やらブツブツと呟き始める。

數分ほど経つと、ゆっくりと目を開く。

「前方に飛んでいけ」

──ビュンッ!

雫がそう言うと雫の掌にあったナイフが真っ直ぐ飛んでいき木の幹に深々と突き刺さった。

「うおっ!な、何をしたんだ!?」

雫が投げたわけでもないのに、ナイフが獨りでに真っ直ぐに飛んでいったのだ。

まるで雫の命令を実行したかのように

「多分だけど、このスキルは無機に簡単な命令──つまりは機能を植え付けることが出來るんだと思う」

雫はそう言うと今度は近くに落ちていた葉っぱを拾う。

「【構築ストラクチャー】」

雫は再び構築を発させ、再び雫がブツブツと呟き始める

「高速回転──」

──ヒュンヒュンヒュンッ!

今度はそう命令すると、葉っぱはまるでプロペラのように回り始め、あっという間に空の彼方へ飛んでいった。

「スキルを発させるとまるでコンピュータのプログラムを組み立てるじのイメージが頭の中に湧くから、そこから組み立てると功する」

しかしまた、隨分なチート能力だな…

このスキルがあれば無人のロボット兵を造り出すことだって可能なのだ。

こっちの世界風に例えるのならゴーレムか。

「けど、剣を飛ばすなんてまるでギルガメ──」

「それ以上はアカン」

俺は急いで雫の問題発言を遮る。

危ない危ない…危うく、某企業との確執を生むところだった。

その後も雫は石の剣を數十本程造り出して、全てに構築を掛け、「思い上がるなよ、雑種」とか言っていたが、俺も參加した。

だって面白かったんだもん!俺の中にあるオタク魂が目覚めてしまったんだ…反省はしているが後悔はしてない。

剣を飛ばし回したせいで、辺り一帯の木がこそぎ倒されてしまっていたが、俺達は何も知らない…。

一応雫の錬で木の殘骸から元の狀態へ戻しておいた。

その後俺達は街へ戻り速攻ベットへ潛り込んだ。

流石に今日ははしゃぎすぎたな…自重しないと。

ちなみに晝飯と夕飯は出店で済ませておいた。

今日はイチワトリというを使った、ハンバーガーのような料理を食べた。

イチワトリって鶏のパクリなんじゃ…。

そこから數日間は気になった依頼クエストを片っ端からけていった。まぁ、Fランクのけられる依頼なんてたかが知れているが。

その日も俺達は何時ものようにギルドに訪れていた。

「あっ、太さん!お早う座います。今日はどんな依頼をけますか?」

システィラも何時ものように笑顔で対応してくるが、隣の雫の表が相変わらず怖い。

「けっ、牛が」

「何か仰いましたか貧さん?」

──バチバチバチッ

二人の間に火花が散って見える。

そろそろこの二人にも仲良くして貰いたいところなんだけどな…。

そんな二人を目に俺はボードにってある依頼用紙を見て回る。

うーん、Fランクでけられる有名魔は大倒したしな。また、ゴブリンとかにするかな…

悩んでいると、喧嘩を終えたシスティラがこちらに寄ってくる。

「太さん。もしかして依頼で悩んでます?」

「あぁ、Fランクがけられる依頼で何か面白いはないか探してるんだが…」

「それでしたら、これなんてどうですか?」

システィラはそう言うと付の引き出しから、一枚の紙を取り出す。

「こちらはどのランクの方でもけることが出來る無制限依頼フリークエストと言いましてね。今からボードにり出そうと思ってたんですけど、けてみます?」

…何々?迷宮ダンジョン調査?報酬は階層ごとに金貨一枚貰えると。つまり3階層まで調査したら金貨三枚貰えるのか。

「昨日出たばかりの新しい迷宮でしてね。まだ誰も調査に行ってないんですよ。基本的に迷宮はギルドが管理するなので、調査もギルドに任されているんです。本來なら、迷宮の探索にはパーティを組むのを推奨しているのですが、調査だけでしたら太達二人だけでも問題は無いと思われますよ」

迷宮には罠を解除や、魔の素材を運ぶ職業など様々な役割に振り分けられるらしいのだが、その點空間収納を持っていたり、勘冴えている俺が居れば問題はないだろう。

しかし迷宮ダンジョンか…確かに異世界に來たらやってみたいことトップテンにるほどの存在だが、未調査というのが気になるな。戦いにおいて報というのはとても大切なとなる。その報が無い狀態で初迷宮は…。

「お兄ちゃん、雫、迷宮行きたい」

俺が思い悩んでいると、雫がそうお願いしてくる。雫がそこまで意的になるなんて珍しいな。

俺は妹にお願いされて斷るような兄貴ではない。

「じゃあ、その依頼をけるよ」

「了解しました。…注は完了しましたのでお気をつけて」

依頼の注した後、俺達は迷宮の場所を訊きギルドを後にする。

「しかし雫が迷宮に行きたいだなんて、何かあるのか?」

雫があそこまで意的になるなんて珍しいので、俺は迷宮に何か目的があるのではと考えた。

「うん。実は今お兄ちゃんの新しい武を考えてるんだけど、その為に素材が必要なの。多分、迷宮で手できるから」

「新しい武?」

「魔法を備え付けた、武

遂に異世界っぽい武を手に出來るのか!雫がお兄ちゃんの為に造ってくれるんだ、これ以上の幸せは無い。兄冥利に盡きるよ。

しかし、ここ數日の間に雫が図書館に寄ることが度々あったが、そんな事を計畫していたとはな。

確かに雫のスキルを使用すれば、この世に存在しないような武を造り出すことも可能だろう。

「ありがとな、雫」

俺は謝の意を込めて雫の頭をでる。

「ん」

でられている雫は目を細めて気持ち良さそうにしていた。

そんなやり取りをしながら、俺達二人は迷宮に向けて足を踏み出した──

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