《冒険者は最強職ですよ?》なんか勇者に嫌われたんですけど? 8

勇者と決闘をしていたジンは思った。

『あれ? なんかきが遅く見える……』と。

この時、周りは特に気にもいていなく、ただ決闘を見ているだけだった。

だが一人だけ、その様子をじっくり観察している者がいた。

オーキ國の勇者だ。

彼の名はセルノド=レン=ノット

彼はこの世界でも貴重な存在で戦闘の才能がどの勇者よりも遙かに高く、まか賢くもあった。

その実力あって今では勇者の中では最強と呼ばれている。だがこれは「勇者の中で」だ。

現段階では魔王幹部を倒すには程遠い。

ジン達は未だ決闘を続けておりややジンの劣勢だった。だがジンは息切れはしてないが、セレンはし肩で息をする様な景が何度か見られた。

セレンはしづつだが力が無くなってきており、早めに決著を付けたいと思っていた。

だが決闘の最初は明らかに、セレンより鈍かったジンだが、時間が経つにつれてきが早くなっていたのであった。

それに気づいたセレンは「どうなっている?」と思いながらも、すぐに頭を切り替え決闘に集中する。

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その後も終わることなく、ジンとセレンが木刀で毆りあっていた。

そしてその決闘に決著が著く瞬間が訪れる。

セレンは、「はぁ……はぁ……」と息を荒くしているのにたいし、ジンはまだ余裕の表で息をしている。

早めに決著をつけたいセレンは力を振り絞り今までで最速で最大の斬撃をする。

だがこの時ジンには全てがゆっくり見えていた。

『遅い……これなら俺も反応できる……』

そしてその斬撃を橫へ避け

『手を叩いて木刀を落とさせれば……』

そのまま木刀でセレンの手を叩き木刀を落とさせ、首元に木刀を向ける。

その景は誰もが予想をしていなかった。

ダイコ、レベッカ、ラン、マーシュ、セルノドを除いた勇者達とその執事達。そしてセレンもだった。

呆気としていたセレンの執事はその決著に息をするのも忘れており、反応が遅れる。

「そ、そこまで! 勝者、ジン!」

その勝者宣言は闘技場中に響き渡り、暫くの沈黙が訪れる。

すると、笑顔でジンがダイコ達の元へ帰ってくる。

「ふぅ、勝っちゃいました! なかなか危なかったですけど最後は綺麗にいきました!」

だが誰もその言葉に反応をすること無く、ただジンを見つめるだけだった。

「……あれ? なんで皆喜ばないんですか? これで許してもらえ……」

「ねぇジンちゃん」

ダイコが有り得ないものを見たかの様な顔でジンに問う。

「なんです?」

「最後のは私から見ても避けるのは厳しい攻撃だと思ったのだけれど……見えてたの……?」

「見えてるって……ダイコさん僕のことからかってます? 僕だってしは長したからあれぐらい……」

「いやそうではなくてね? 私が戦っていたとしてもよ……」

その言葉にジンは苦笑いを浮かべる。

「ジンちゃん……貴方は本當に……」

その時だった。ダイコが何かを言いかけると同時に後ろの方でび聲が聞こえた。

「い、インチキだ! この僕が負けるわけがない!」

セレンが指を指しながら泣きそうなツラでこちらにんでいた。

「インチキって……僕は何もしてないですよー!」

「う、うそだっ!」

「往生際が悪い!」と、後ろから執事の手刀が見事にうなじにり気絶する。

「すいません……我々の勇者が……」

「いやいや、いいですよ! この話は許して貰えるって事でいいですね?」

「はい、決まり事なので」

ジンはふぅと短く息を吐き、ダイコ達はまだジンを疑っていた。

「ではこれで……」

セレンの執事が言いかけた時だった。

「待ってくれ」

そういい闘技場の観客席から降りてきたのはセルノドだった。

ジンは誰? と言う顔でセルノドを見つめ、セルノドはジンの目の前まで行くと挨拶をした。

「俺はオーキ國の勇者、セルノド=レン=ノットだ」

「お、オーキの……勇者!? よ、よろしくお願いします……?」

ジンは何故セルノドに聲を掛けられたのかわからず首を傾げる。

「そんなに畏まらなくてもいい。それで話なんだが、俺とも決闘をしてはくれないか?」

ジンはその言葉にに數秒の間を置いてから「はい? 今なんて?」と聞き返す。

「だから、俺とも決闘をしてくれと言ったのだ」

二度目のその言葉にジンはまたも數秒の間を開けて反応する。

「えぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」

そのびは闘技場の中で木霊しながら消えていく。

「ぼ、ぼぼ、僕とセルノドさんが……オーキ國の勇者が……一番強いと言われている勇者が……僕と……決闘...あああああああ」

ジンは何故この狀況になったのかを必死に考えて考えて、結局答えがでずダイコ達に救援の眼差しを向ける。

だが何故かダイコ達はそれに気づくことなくぼーっとしていた。

ジンは「し、暫く考えさせてください……」といってその場で腕を組み、あぐらをかいて考えるのであった。

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