《冒険者は最強職ですよ?》なんか勇者に嫌われたんですけど? 13

ジン達は半日ほど待ち続け、いつまでたっても起きてこないという事で部屋を見に行くことにした。

ジンがノックして「ダイコさ〜ん!もうお晝すぎてますよ〜?」と聲をかけるが反応が一切ない。

ジンは、まだ寢てるのか?と疑問に想いながらもランの部屋へと行く。

同じくノックをして「ラン起きてるー?ネインも起きてるかー?」と言うが、これも同じで反応がない。

ジンは疑問に思った。ランはまだわかる。でもネインも反応が無いのはありえないと思った。毎朝しっかりと起きていたネインが今日に限って起きてないわけがない。

ジンは部屋にろうも本當に寢ているのであったら失禮だと思い、この店の店主に聞くことにした。

「店主さ〜ん!昨日か今日で宿から出ていった人とか見ました?」

「はて...夜は私も寢ていたからわからないが、晝間は誰も出ていかなかったねぇ」

「そうですか、ありがとうございます!」

ジンはお辭儀をして部屋へ戻る。するとレベッカとマーシュが何やら部屋の前で話していた。

「レベッカさん、マーシュさんも。どうしたんですか?部屋の前で話なんかしたりして」

するとレベッカとマーシュは険しい顔をしながらこちらを向く。

「あら、ジン。いえね?どうもおかしいと思ってね...ちょっと」

ジンは何がおかしいのかと思い、「何がですか?」と問う。

するとレベッカはし間を置いてから答える。

「靜かすぎるのよ...二人の部屋...」

「靜かすぎる...ですか?」

「えぇ...聲を掛けても反応が無い。いつまで経っても出てこない。もし起きていたとしたら足音くらいは聞こえるはずなのよ。聲をかけた時はまだ眠っていたにしても靜かすぎるの」

ジンはそれを聞くと一瞬嫌な考えが浮かぶ。だがすぐに嫌な考えがを捨てる。

だがどうにも気になってしまい、部屋を調べることにした。

そしてジンの嫌な考えが的中してしまう。

部屋は蛻けの殻だった。何もなく、誰もいない。

ジン達は何か部屋に無いのかと急いで部屋へる。

すると機の上に一撃枚の手紙が置いてあった。

そこにはこう書かれていた。

『ジンちゃん、レベッカちゃん、マーシュちゃんへ。

私とランちゃんでし旅に出ようと思いの。理由は自分の弱さを克服するため。ランちゃんも同じ理由だわ。私は昨日決闘を見ていて思ったの。ジンちゃんはものすごく強くなった。私よりもはるかに強くなったわ。それ故に自分の愚かさを知ったの。正直に話してしまうと私は甘く見ていたの。絶対に私より強くならないと思っていた子が、ほんの數カ月で私を越してしまったのですから。そんな甘えてた自分が、私は嫌になったの。だから次は強くなってまたどこかで會えることを楽しみにしてるわ。

私たちの心配はしなくても平気です。ただ、何も言わずに離れてしまうことを許してください。

これからも挫けず冒険を続けてね。

                                                             ダイコより。』

そう書かれていた。

ランの部屋にも同じように手紙があり、容も同じような事だった。ランの手紙の最後には

『ネインは私達についていくと言ってたので私たちが面倒をしっかり見ます。安心してください。』

と書かれていた。どうりでネインも反応しないわけだ。

ジン達は一旦部屋を出て、ジンの部屋へと集まった。

「まさかね...二人がそんなにも自分達のことをあんな風に思っているなんて...私気づかなかったわ...」

「えぇ...ランやダイコさんが自分を責めるなんて...自分も気づかなかった事は悔しいです...それに原因は...」

原因は自分。と言いかけた瞬間レベッカが「それは違うわ」とジンを見つめる。

「ジンは努力をしてここまで強くなったの。確かに強くなる速度は尋常では無かったけれど貴方のせいではない。ダイコやランは自分の弱いところを克服する、と書いてあったわ。それが本當ならこのまま私たちといて冒険を続けると、ジンに甘えてしまう。そう思った弱さを克服するために旅にでたのよ。むしろ貴方がきっかけを作ったのよ!だからそんなに気負うことは無いわ」

レベッカが勵ましの言葉をジンへ向け、マーシュも「そうですよぉ〜!私達も気長に待ちましょう?」と言い勵ます。

ジンは考えを改めて、「そうですよね...!ダイコさんとランが強くなって逞しくなった姿を見るために気長に待つしかありませんね!」と笑顔を振る舞う。

そう、偽の笑顔で。

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