《冒険者は最強職ですよ?》それは突然の出來事で 7

ジンは剣を強く握りしめ、空飛ぶレネード目掛け、高く跳躍する。

「お前には負けない!!」

「貴方もしは力を付けたようですね……最初から全開でいきますよっ!」

そう言うと、レネードのから黒いオーラが溢れだし、それをレネードは纏う。

ジンは剣を振るい、レネードは新調した杖を振るう。お互いの武じり合う。

ジンの力の方がし勝り、レネードの攻撃は弾かれる。杖を持って腕が浮き上がり、右脇がガラ空きになる。そこへジンは蹴りをれる。

避けきれなかったレネードは、諸に蹴りをけ「グハッ!」と言いながら地上へ落ちる。

ジンも靜かに著地し、レネードへ向き直る。レネードは右肋を抑えながらも立ち上がる。

「クッ……ここまでやるとは思いませんでしたよ……どうやってその力をにつけたのです?」

「それはでしてね、貴方に教えても特に意味の無い事なので」

「ケチな男です。ですが図に乗るのもここまでですよ?」

先程よりも黒いオーラをに纏い、レネードは杖をどこか異空間へ収納し、武を裝備せず、素手で構える。

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「なんのマネです? 魔法しか使えないのでは?」

「いえいえ、私の本職はこっちなんですよ。魔法は念の為に覚えておいただけですので」

「そうですか……でも、僕には関係ない。ただあなたを殺す。それだけだ!」

「おぉ、なんと頼もしい」

ジンは地面を蹴り、レネードの懐へり、右腕を切り落としにいく。

だがレネードはそれに反応し、ジンの斬撃を躱し、ジンの後ろへ回り、蹴り喰らわす。

ジンは避けることができず、吹き飛ばされる。

レネードは、勢が崩れたまま、ぶっ飛んでいくジンに、間髪れずに攻撃を加える。

「先ほどまでの威勢はどこへ行ったのですか?」

「クソ……! 速すぎる!」

ジンはなんとか振り切ろうと、剣を振り回し、レネードがそれを避ける。ジンは、レネードが距離をとった隙に、勢を直す。

ジンはを地面に吐き捨て、レネードへ殺気を向ける。レネードも同じくを吐き捨て、殺気を向ける。

「貴方は強くなりましたよ。あの時とは大違いだ。だが私には勝てない。今も貴方は劣勢だ」

「そんな事はどうでもいいんです。劣勢だの優勢だのは。僕は貴方を倒して町を守る。それだけです」

「本當に威勢だけは良くなりましたね。褒めてあげますよ。ですが……」

レネードは、先程よりもさらにスピードを上げ、ジンの目の前へ近づき、數発の打撃を一瞬で放つ。

ジンは反応する事ができず、何発もの打撃を喰らい、倒れそうになるが、剣を地面に刺し、膝を付く狀態になる。

だが、レネードはお構い無しにジンの顔面を蹴飛ばす。

ジンはその蹴りを諸にけ、後ろ吹っ飛ぶ。

「ほら? 立ったらどうです? 町を守るのでしょ? ほらほらほら?」

ジンは挑発される。だがジンは、怒りはすれど、絶対に冷靜さは欠かなかった。

『うっぜぇ……でもここでイライラして、我を忘れて攻撃してたら相手の思う壺だ。俺にしかできない事があるんだ。それをやらなくてどうする!』

ジンは立ち上がり、再び剣を構え、レネードを見る。その目はまだ死んではいない。

「ほう? まだ立ち上がるのですか。挑発されて苛立ったのでしょう? ほら、さっさとかかって……」

その時だった。ジンのから、先程までとは桁違いの力を放つオーラが溢れだす。

そのオーラを纏うジンの姿に、周りで闘っている者も、ジンの方を見て、手を止める。

「……!? なんだその力は……どうして隠していた!?」

レネードは額に汗を垂らし、2歩3歩と後ろへ退く。その力に圧倒されながら。

「隠していたんじゃない。今の僕の"限界"を超えたんだ……貴方のおですよ」

「限界を……超える……? 何を馬鹿なことを……そんなハッタリが通用するとでも思ってるのですか!?」

「ハッタリなんかじゃないですよ、正真正銘貴方のおかげです。もうここからは僕の獨壇場ですよ?」

「ふ、ふざけたことを……! 私が負けるわけ……!」

レネードが構えをとった剎那、ジンが目の前に現れる。それにレネードは反応できない。

だが、何故かジンは攻撃をすることはせず「ほら? 僕に攻撃を當ててみてはどうです?」と挑発する。

レネードはその挑発に苛立ち、回し蹴りをする。だが、回し蹴りをした後には、もうジンは目の前にはいなかった。

「ど、とこだ!?」

レネードが聲を荒らげていると、レネードは背中に今まで味わった事の無いような殺気を向けられ、振り向く事ができなかった。

「僕の限界を引き上げてくれたことを謝します。そしてあの時、僕を殺したお返しを、ここで貴方に差し上げます」

「ッツ……!?」

ジンは、レネードの首を橫一直線に切斷する。

レネードは、聲も上げずに、亡骸となる。

首から噴水のように、を吹き出していた。

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