《冒険者は最強職ですよ?》それは突然の出來事で 12
マーシュが泣き続け、それを背中にジンは、メルノドを監視していた。
未だに目を覚まさないレベッカを、マーシュの隣へ移させ、マーシュに「マーシュさん。レベッカさんをお願いします」と言い、任せる。
ジンは、先程の戦闘でかなり力を消耗しており、今の自分では時間稼ぎにもならない、とじた。
メルノドは蹴っ飛ばした時に倒れたまま、一向に起きようとはしない。その間にダネットの方を確認する。
ダネットの方は問題ない。もう既に雑魚を倒しきっており、今はアイテムとお金を全力で回収中だ。
ふふっ、と笑い、メルノドの方へ向き直すと、今にも鼻の先が當たりそうな距離に、メルノドが接近していた。
メルノドはジンの腹部を毆り、ジンはを吐く。
『いつのまに!? こいつは速すぎる』
腹部にじる激痛に耐え、反撃をするが、毆る頃にはメルノドは消えていた。
「どこにいっ……」
ジンがメルノドを探そうとすると、背中に激痛が走り、いつのまにかジンは飛ばされていた。
「ック……! 強すぎる……」
更にメルノドは、著地寸前のジンに、間髪れず攻撃をする。
ジンは為すもなくやら続ける。
『まずい! このままだと力が……死ぬっ!』
頭では解っていても、メルノドの速すぎる口撃の前にはどうすることもできなかった。
その時だった。
「坊主! 大丈夫か!? 今助けてやらァ!」
そう言って、メルノドに斬りかかったのはダネットだった。
だが、ダネットの攻撃を察知し、メルノドに距離を取られ、攻撃は不発に終わる。
「チッ……ありゃあ強すぎる。俺たちに負える相手ではない。一旦引くか? 坊主」
「そうしたいんですけどねぇ……あの男の魔王幹部とは強さの格が違いすぎるんですよ……こいつ。なので逃げようとしても、多分直ぐに追いつかれますよ」
「おぉ……冷靜だなぁ……あんだけ毆られて冷靜なのは大したもんだ。俺が褒めてやる」
「それはどうもです。それよりも僕は回復したいんですけどねぇ……」
そう言うと、ダネットが何やらポケットを漁り出す。そして、何やら青いのった小瓶を差し出してくる。
「しゃあねぇ。俺の回復薬一本やる。その代わり頑張ってくれよ?」
「ありがたく貰います! 頑張るのは當たり前です。僕にはやらなければならない事があるので」
そう言った後、小瓶の蓋を開け、青いを飲み干す。味は……味しいとは言えないよ?
ジンは、自分の力がみるみる戻って行くことを実する。
「すごい……初めて飲んだんですけど、効果絶大ですね、これ」
「そうだろぉ? 高ぇんだよそれ」
「えぇ!? 高いの……うそーん……」
「ほらほら、お喋りはここまでだ。くるぞ」
ダネットとジンは、メルノドの方を向き構える。
今のジンには武がなく、素手で戦うことになる。格闘の練度も皆無なため、正直な所、どうしようとかんがえていた。
その事を考えていると、目の前からメルノドが消える。ジンには見えなかったが、ダネットには見えていた。
メルノドはダネットに突進をし、毆りかかったが、それをダネットは、両手に持つ長剣でガードする。
「クッ……重いなぁ……」と言いつつも、メルノドに蹴りをれる。
だが、メルノドは一瞬で數メートル離れ、攻撃が當たらず、ダネットは空を蹴る。
「おいおい……これは本気でまずいなぁ……これが魔王幹部……」
ダネットの額には汗が浮かび、一滴汗が垂れる。
ジンは、力になれない自分が悔しくなる。
『クソォ……見えない……自分もやらなきゃ……レベッカさんとマーシュさんを守らなきゃ……』
の奧底で、ジンの闘志がフツフツと燃え出す。
そう思いながら、メルノドの方を見て、全神経を闘いに注ぐ。
ダネットも同じく、メルノドの方を見て、剣を持つ手に力をいれる。
「坊主……臨時コンビといかねぇか?」
「コンビ……ですか?」
「あぁ……はっきり言うが、あいつは俺一人では相手にならん。だがお前となら別だ。お前は強い。だから俺とコンビを組んでやつを叩く。どうだ?」
ジンは、ダネットの提案に迷うことなく答える。
「わかりました……臨時コンビと行きますか! ダネットさん!」
「おうよ! 俺があのをき寄せて、意識を俺に向かせている間に坊主が叩く。これでいいか?」
「了解です!」
そして、ここにダネットとジンの、臨時コンビが結される。
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