《冒険者は最強職ですよ?》もう守られるだけの僕じゃない 3
「お、おいおい……噓はよくねぇ……本當は上級職なんだろ?」
「い、いえ……本當なんですよ。これが……」
そう言い、本當に冒険者だという事を認識してもらうために、ステータスカードを出す。
ステータスカードにをつけ、數を浮かび上がらせる。
ダネットは目を最大まで開かせながらステータスカードを覗いてくる。そして二人はその數値を見て聲を上げる。
「「な、なんじゃこりゃぁぁあ!?」」
「おい、なんで坊主まで驚いてるんだ」
「い、いやいや! 前見た時はこんな數値じゃ無かったんですよ……」
多分誰が見ても同じ反応をするだろう。
そのステータスカードのありえない數値に。
ジン
職業 冒険者
HP 3210
MP 880
攻撃 2500
防 2300
魔法 1200
敏捷 2400
スキル
練度 長剣 100
練度 短剣 45
練度 細剣 36
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練度 武闘家 30
ユニークスキル
"限界を知らぬ者"
"言語理解"
"神の加護"
"神力(神の加護発時のみ使用可能)"
アビリティ
"神力"発時 一時的にステータス超上昇
こう記されていた。
「な、なんだお前、"神の加護"って!? そんなのあるのか!?」
「そ、それには々と理由があるんです。それに新しいユニークスキルもある……」
「こ、この"神力"ってのは一何なんだ?」
そう尋ねられ、流石に答えないわけにはいかず、メルノド戦での事を全て話す。
「ふえ〜。坊主、お前強かったんだな……このステータスは俺を超えてるよ……」
「そ、それはどうも……」
二人の間に、暫くの沈黙が訪れる。
『き、気まずい……っていうか、よくよく考えてみると、ユニークスキル発してる時この倍以上のステータスになるんだよなぁ……』
そっとステータスカードから顔を上げると、ダネットと目が合う。
「坊主……」
「ダネットさん……」
ジンは、ダネットの言葉を待っていると、突然ダネットに肩を摑まれる。
「お前なら、できるのかもしれない」
「……え? 何をです?」
そう訊くと、し言うのを躊躇った様子が伺えた。
何をそんなに躊躇って……
そう思った瞬間だった。
「魔王討伐だ」
その言葉に、自然とに力がはいる。
ジンは神の言っていた事を思い出す。
魔王討伐。その単語がまさかダネットの口から聞くこととなるとは、全く思ってもいなかった。
「なぜ……貴方が僕に魔王討伐を頼むんです?」
その問いかけに、ダネットは目を瞑り昔話を話し始める。
「それは昔の事だ……」
そこからは、ダネットの現役時代の話を聞かされた。
ダネットが今のレベルになった時、それはもう大分前だそうだ。
その頃は、自分と同じくらいの強さの奴らがゴロゴロ居たらしく、みんな魔王軍討伐に盡力していたらしい。
だがある日、一人の相手によって、その強者達はほぼ殺されてしまったらしい。
その相手とは、魔王の右腕として魔王軍を率いている奴だったらしい。
その敵との戦闘に、ダネットも參加していたらしいのだが、強さの格が違いすぎて手も足も出なかったと言う。
それで多くの仲間を失い、その場に運良く生き殘ったものは、その強さの前に怯えてしまい、次々に冒険者を引退していったと言う。
「それで僕に魔王討伐ですか……実はもう一人の方にも、その魔王討伐を頼まれているんです」
「そうなのか? それは一……」
「神様ですよ」
「話したことがあるのか?」
「ええ……この事は黙っててくださいよ?」
「あ、ああ……第一人に言える様なものでもないからな」
「ありがとうございます。それで、魔王討伐の事ですが、実は今日の襲撃も、神様が教えてくださったからここに來れたんです」
「ほほぉう……もしお前らが居なかったら……完全にこの町は殺られてたな……」
「はい……なので、今日みたいに襲撃されそうになっている場所へ向かい、それを僕とレベッカさんとマーシュさんの三人で阻止しなければならないのです」
「それは過酷だな……もっと人がしいところだが……パーティーに誰かわないのか?」
「はい……本當は僕達は六人パーティーなんです。その三人は、今はし旅に出てしまったのです。自分を見つめ直すという名目で」
「そうなのか……その帰りを待っているのか……でも、それでもキツくないか? だって三人だぞ? いくら坊主が強かろうが、大変な場面とかあるだろ? 旅に出ている間だけでも臨時でパーティーに加えれば……」
「うーん……言葉にするのは難しいんですけど、僕の仲間は三人だけの力で旅をしているんです……そんな中、僕達だけ大人數でワイワイ冒険なんてしたくないんですよ……僕は今の三人で、旅に出ている人達を出迎えたいんです」
「そうか……お前は良い奴だ。俺も協力はしてやりてぇがなぁ……俺には家庭がある。そっちの方が今は何よりも大事なんだ……だからまぁ、なんだ。もうすぐここを出ていくのだろ?」
「はい、レベッカさん達が目を覚ましたら出ようと思います」
「なら餞別にこれをやる」
そう言いダネットは、背中に裝備していた二本の剣をジンへ渡す。
「こ、これは……いいんですか?」
「これはかなりレアな素材で造られていたな……絶対に壊れることはない。切れ味抜群。そんな代だ。世界中探してもどこにもないぞ? その二本だけだ」
「そ、そんなものを僕に……」
「いいんだ。お前になら安心して預けられる。頼むぞ、坊主」
そう言いダネットは手を差しべてくる。ジンはその手をギュッと握り、握手をわす。
ダネットは『お前ならできるはずだ……頑張れよ期待の冒険者』と心の中で呟くのだった。
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