捕えられていたウルフ達を逃がすことに功したジンは、念の為にウルフ達を建を飛び移りながら移して見守っていた。

「神様、もし悪意を持った人がいましたら僕に教えてください！」

『ワカッタワ』

「なんで棒読み……？」

『ナンデデシヨウネ』

「まぁいいや」

神は、先程ウルフ達がジンの頬にキスをしたことにご立腹だ。そしてそれに喜んでいたジンにもだ。

「ウルフ達を無事『ウルフハウス』へ送り屆ける事ができたら、暴走族の手下達を片っ端から潰していきたたいと思うんですがどうです？」

『ソウネ。ソレガイイトオモウワ』

「さっきから棒読み……しょうがないか」

ジンは、短く溜息を吐くと、優しく語りかけるように「神様。頑張ってくれたら褒をあげます」と完璧なる噓を言うと、神は『うぉぉおお！！　やってやるぅう！』と言って機嫌を取り戻す。

「これから機嫌が悪い時はこの作戦でいこう」

『どの作戦？』

「いえいえ。このまま作戦を続行しようと言ったのです」

『そうね！　わかったわ！』

そのままウルフ達には何事もなく『ウルフハウス』へ到著する事が出來る。

建の上にいたジンは、一旦降りてウルフ達へと、しっかりと隠れておくようにと伝える。

みんなは頷くと、なにやら円陣を組み始め、ちいさな聲で気合をれると、ぞろぞろもウルフハウスへっていった。

「その円陣になんの意味が……？」

『ジン、すぐ近くに悪意を持った敵が三人こっちち來るわ。多分この建に用が有るみたいね』

「わかりました！」

そして、ジンはウルフハウスのに隠れて敵を待つ。

すると、短剣を手で弄びながら三人は現れた。

「おい、短剣を振り回すなって！　刺さったら痛いだろ！？」

「あぁ？　大丈夫だって。俺だってレベルは80はあるんだ。弄ぶくらいどおってことな……」

「うぉ！？　あっぶねぇなぁ！　もうすぐで俺の大事な息子が削ぎ落とされるとこたったぞ！？」

「ははは！　わりぃわりぃ手がっちまった」

「ったくお前らは……集中力が足りないぼ二人とも」

「いや〜先輩も実はワクワクしてるんでしょ？　あそこの城で捕えられてるウルフ達と遊ぶの」

「ばかやろぅ！　ワクワクしないわけがないじゃないか！」

「ですよねぇ〜！　なら早くここから食いを持って行きましょう！」

「おうそうだなぁ！」

何を話してるかと思えば……。まさか暴走族は馬鹿しかいないのか？

『そうね。私も全く同じことを思ったわ。それと、三人の一人は気絶させないでね？　寶のある場所とか聞き出してちょうだい』

了解です。

ジンは、ウルフハウスまであと數メートルという所で、から飛び出し、相手はジンに気づくことなく気絶させられる。そして、一人は口を抑えて再びへと隠れる。

「おい、お前らが拠點としている所はどこだ？」

「お前なんかに教えるかよ！」

「そうか……ならしかたがない」

ジンは、早めに聞き出したかったため、強烈な殺気を敵へ向ける。

そうすると、敵は震いが止まらなくなり、中……からは汗が溢れ出す。

「早く言え。そうしたら命だけは助けてやる」

「わ、わかったぁ！　言うよ、言うって！　門をってすぐ近くに大きな広場がある！　そ、そこに集まってる！」

「そうか……」

「そ、そうだよ……だから命だけは……」

ジンは問答無用で首裏へ手刀をれ気絶させる。

『ジン……あなた馬鹿？　場所は私だって分かるのよ。言ったでしょ？　寶の在り処を聞きなさいって』

「あれ？　そうでしたっけ？」

『本當に馬鹿ね……まぁこの際お寶はどうでもいいわ』

「な、なんかすいません……」

実は、ジンはし脅迫をするという事に憧れを抱いていた。ジンがまだ日本にいた頃に、テレビで警察が犯人に問い詰めると言うシーンを見るたび羨ましいとじていた。

そのため、ジンは神の話など実は聞いてはいなかったのだ。

「ま、まぁ場所はわかったのでそこを潰しに行ってから、レベッカさん達を助けに行きたいと思います」

『はぁ……お寶……』

「そ、それはすいませんって！　っていうか、貴方はこの世界にがあるわけじゃないからお寶とか関係ないでしょ！？」

『何よ！　ジンを通して見ることだってできるじゃない！』

「そんだけ！？」

『そうよぉ！』

そんな癡話喧嘩をしながらも、ジンは暴走族の拠點へ向かう。

「あそこか……」

暴走族に見つからないように移していたのだが、なぜか町には全く暴走族が居らず、素早く行できた。

ジンは知らないが、それはグスタフが本気を出して闘うために、暴走族の手下達が拠點へ逃げていったからだ。

そしてジンは、今拠點の近くの建のに隠れていた。

「何やら騒がしいですねぇ……神様。ここでお寶の報とか聞き出せるのでは？」

『そうね！　早く片付けて頂戴！』

「本當にわかりやすい人だ……」