《冒険者は最強職ですよ?》もう守られるだけの僕じゃない 17

「はぁ〜、疲れたっと」

「あ、おかえりジン!」

「あれ? なんで僕の部屋に? レベッカさんはなんで寢てるんです?」

「それはね……」

宿へ戻ったジンは、何故かジンの部屋にいたマーシュとレベッカについての事を聞く。

「そうだったんですか……二人とも頑張ったんですね……」

「そりゃもう頑張ったよォ〜! あ、それとエレンは私たちの部屋で寢てるよ!」

「無事だったんですね! 良かったぁ〜!」

「うんうん! それで、頑張った私たちには!?」

「ご、?」

「そうよ〜? なんてったって私達は格上の相手と闘

って勝ったんですから! そりゃあ何かの一つや二つくらいあってもいいんじゃない?」

「マーシュさんって、こんなにをねだる人でしたっけ……?」

「いいじゃないそんなことは!」

「……と言ってもですねぇ……。う〜ん……」

「別にしいってわけじゃないのよ? もっとこう……ね?」

「いやいや……ね? と言われましても……」

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ジンは必死に考える。

その橫で、マーシュは期待の眼差しをジンへ浴びせる。

しいわけじゃないって……じゃあ何があるんだ? わからんぞぉ……

なジンには分かるはずもなく、ただひたすらジンは考える。

マーシュは今か今かと待っている。

そしてだした答えは……

「じゃ、じゃあ三人でどこかへ出かけませんか? 溫泉とか観名所とか無いんですか?」

「「お、溫泉ですって!?」」

「わぁ!? レベッカさん起きてたんですか!?」

「いえ、今なにか溫泉と言う言葉が聞こえたものでね? 目が覚めたのよ。それで!? 本當に私と出かけてくれるの!?」

「いや、三人で……」

「はぁ〜!? 起きてきて早々何言ってるのレベッカは!? ジンは私と行くって言ったんですぅー!」

「え? あ、いや、だから三人で……」

「はぁ!? ジンは私が怪我をしたから一緒に溫泉で傷を癒しませんか? って意味で言ったのよ!?」

「なんか話が違う……」

「はぁ!? あなたの傷なんて私が回復魔法で完治してるのでしょう? 傷が開かないようにそこに大人しく寢ていなさい?」

「あぁ!?」

「あぁ!? やんのかぁ?」

「ふ、二人とも喧嘩はやめて!」

二人ともこんなキャラだっけ!? なんで頑なに僕と行きたがるんだ!?

「三人で行かないのならば僕は行きません!」

「「わかったわ! 三人で行きましょう!」」

「切り替え早っ!」

なんだよこの二人……こんな意味わかんない喧嘩ばかりするけど、何だかんだ仲良いんじゃん!

ジンは、二人を見ながらニッコリと笑う。

レベッカとマーシュは、なんで笑っているのかわからないジンに、とりあえず笑い返す。

「それで、溫泉は何処にあるんです?」

「そうね……確かここから約二日の距離の所に、世界でも有名な溫泉の名所があったと思うわ!」

「そうなんですか! 世界でも有名か〜! しワクワクしますね!」

「「えぇ、全くよ!」」

僕よりも楽しみにしてる……そんなに溫泉が好きなのか?

『ジンと溫泉! マーシュははっきり言って邪魔だわ……私とジンの溫泉でイチャイチャ計畫は必ずやり遂げてみせる』

『ジンと溫泉ですぅ〜! レベッカははっきり言って邪魔ですぅ。そうだわ、睡眠薬を決め込んで寢かしつけてやるわ』

な、なんだろぅ……さっきまであんなに楽しそうな目をしていたのに今は殺意に満ちた目をしている……僕は一人でゆっくりしよう。

  溫泉に行くのが決まると、そこからは準備が早かった。

ジンは、今回ここで起こった様々な出來事のせいで、著ている防がボロボロになってしまっていた。

なので、ここ數日で起きた戦闘やら事件のおかげで、手元には大量のお金があったため、防を新調する。

上下共に黒で、素材は自在かつ丈夫で長持ちという、便利にも程がありすぎると言わんばかりの防を購した。剣の鞘も黒なので本當に真っ黒だ。

夕暮れ時に準備のために買出しに行き、夜になってから宿へと戻る。

「あら? 防を新調したの?」

「はい! お金はあったので、この際新調しようと思い買っちゃいました!」

「似合ってるわよ」

「ありがとうございます!」

「ふふっ……では出発は明日だから、今日は早めに寢なさい?」

「わかりました!」

レベッカさんがお母さんキャラ見たくなってる……

そして、その日は言われた通り早めに寢た。

次の日

「そのクマはどうしたんですか、二人とも!?」

「「な、なんでもないわ……」」

なんか超眠そう……

朝十時頃、三人は宿を出ると、お世話になったりした人々へ別れの挨拶をしに回る。

まずはダネットさん。

「そうか……もう出ていっちまうのか……寂しくなるなぁ。その剣、大事に使ってやってくれな!」

次にウルフハウス

「ジンさん……も、もう言ってしまうのですか……」

「そんな落ち込まないでください! またいつか、必ず來ますよ! その時は笑顔で出迎えてくださいよ?」

そう言うと、エレンは落ち込んだ顔をする。

「……」

「あれ? エレンさ〜ん?」

「溫泉に行って帰って來るのですよね?」

「え? まぁそうだけど……」

「じゃあ私も連れてって!」

「えぇ!?」

「いいんじゃないかしら?」

「私もいいと思います〜!」

『『ちっ、邪魔者が増えた……』』

「ま、まぁ二人がそう言うなら……」

それを聞くと、エレンの表は太のように明るくなる。

そして、エレンを加えたジンたち四人は、溫泉のある町へ向かうのだった。

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